神経症における不安・緊張・焦燥・抑うつ
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1急性閉塞隅角緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
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2.2重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]
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2.3リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビルを投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはクロラゼプ酸二カリウムとして、1日9~30mgを2~4回に分けて経口投与する。 本剤の場合、1日2~4カプセルを2~4回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
使用上の注意
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8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
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8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。
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8.3ALT、AST及びALPの上昇がみられることがあるので、肝機能異常者に投与する場合は、定期的に肝機能検査を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1心障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれ、副作用が起こりやすい。
- 9.1.3衰弱患者
作用が強くあらわれ、副作用が起こりやすい。
- 9.1.4中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
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9.5.1妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に、奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
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9.5.2ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
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9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.6 授乳婦
*授乳を避けさせること。活性代謝物ノルジアゼパムの乳汁中への移行が報告されている1)。また、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)でもヒト母乳中への移行と、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが報告されている。また、黄疸を増強する可能性がある。
9.7 小児等
小児、特に乳・幼児には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、慎重に投与すること。乳・幼児では本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| リトナビル (ノービア) ニルマトレルビル・リトナビル (パキロビッド) |
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがあるので併用しないこと。 | これらの薬剤の肝チトクロームP-450(CYP)3Aに対する競合的阻害作用により、併用した場合本剤の代謝が抑制され血中濃度が大幅に上昇することが予測される。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 中枢神経抑制剤 • フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤 アルコール |
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましいが、やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALPの上昇 | 1%未満 |
| AST・ALTの上昇 | 1〜5%未満 |
| めまい・ふらつき | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 不眠 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 性欲減退 | 1%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 排尿困難 | 1%未満 |
| 易疲労感・脱力感・倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 流涎 | 1%未満 |
| 浮腫 | 1%未満 |
| 発汗 | 1%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少症 | 頻度不明 |
| 眠気 | 1〜5%未満 |
| 筋弛緩等の筋緊張低下症状 | 1%未満 |
| 腹部膨満感 | 1%未満 |
| 興奮 | 1%未満 |
| 舌のもつれ | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 1〜5%未満 |
| 視力障害 | 1%未満 |
| 頭痛・頭重 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
クロラゼプ酸二カリウムはベンゾジアゼピンの誘導体で、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位(αサブユニット)に結合し、塩化物イオン(Cl-)の細胞内流入を増強する。その結果、神経細胞膜が過分極し、神経の興奮が抑制され、大脳皮質や大脳辺縁系の過剰活動を抑制して、不安を減弱させる4)。
18.2 馴化静穏作用
闘争行動(マウス)10)、情動過多(ラット)、攻撃行動(サル)等に対し抑制作用を有する。サルの場合、攻撃抑制作用は0.25mg/kgから認められるのに対し、鎮静作用は7.5mg/kgから認められ、二つの作用の発現レベルのへだたりはジアゼパムよりも大きい。
18.3 抗痙攣作用
電撃痙攣(マウス)11)、ペンテトラゾール誘発痙攣(マウス)11)、聴原性痙攣(マウス)に対してジアゼパムとほぼ同等の抗痙攣作用を示す。
18.4 抗うつ作用
マウスの改良DOPA試験における抗うつ作用の50%有効量は1mg/kgでは、ジアゼパムの4倍の強さを示す。
18.5 筋弛緩作用
牽引試験(マウス)ではジアゼパムとほぼ同等の筋弛緩作用を示すが、傾斜板試験(マウス)ではジアゼパムよりも弱い10)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人8例(男性4例、女性4例)にクロラゼプ酸二カリウム15mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中ノルジアゼパム(活性代謝物)濃度は以下のとおりであった。また、投与24時間後もピーク時の1/2の濃度を維持した2)。
| Tmax(hr) | Cmax(μg/mL) | T1/2 |
|---|---|---|
| 0.5~1.0 | 0.38 | データなし |
- 16.1.2反復投与
健康成人男性6例にクロラゼプ酸二カリウムとして15mgを14日間連続経口投与したとき投与開始7日後には血漿中ノルジアゼパム(活性代謝物)濃度は平衡状態に達し、7日後から15日後にわたり0.41~0.48μg/mLの濃度を保持した3)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1血漿蛋白結合率
クロラゼプ酸二カリウムのヒト血漿タンパク結合率は98%であった3)(in vitro)。
16.4 代謝
血漿中では、ほとんど主代謝物であるノルジアゼパムとして認められ、ノルジアゼパムは更にオキサゼパム及びパラヒドロキシノルジアゼパムあるいはその抱合体に代謝される3),4)。
16.5 排泄
健康成人男性2例に[14C]クロラゼプ酸二カリウムとして15mgを単回経口投与したとき、投与後10日間までの尿中及び糞便中には、それぞれ投与量の62~67%、15~19%が排泄された3)(外国人データ)。