Clinical snapshot

メタルカプターゼカプセル200mg

ペニシラミン製剤

添付文書改訂 2025年10月01日

【警告】

無顆粒球症等の重篤な血液障害等が起こることがあるので、使用上の注意に特に留意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

金剤が投与されている患者

効能・効果

  • ウイルソン病(肝レンズ核変性症)

  • 鉛・水銀・銅の中毒

用法・用量

  • 〈ウイルソン病(肝レンズ核変性症)〉

通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に1~数回に分けて経口投与する。 なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600~1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。

  • 〈鉛・水銀・銅の中毒〉

通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600~1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。 通常、小児にはペニシラミンとして1日20~30mg/kgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。ただし、1日量は、成人の標準用量(1日1,000mg)を上限とする。

使用上の注意

  • 〈鉛・水銀・銅の中毒〉
  1. 8.1鉛中毒患者に対する本剤の使用は、重症の場合には静注キレート剤による初期治療後の補助的治療とし、無症状で血中鉛濃度が40~60µg/dL以上に上昇した場合には単独療法とすること。 また、血中鉛濃度が40~60µg/dL未満まで減少した場合には、本剤の投与中止を検討すること。ただし、他のキレート剤において、投与中止後に血中鉛濃度のリバウンドが報告されているので、本剤中止後も1~2週間は定期的に血中鉛濃度を測定し、リバウンドが認められた場合には本剤の投与を検討すること。 なお、小児の精神神経系は成人より鉛の影響を受けやすく、低い鉛濃度でも、持続した場合には脳症が発現する危険性が高くなるので、観察を十分行うこと。 その他の金属中毒に対し本剤を使用する場合は、投与開始及び中止に関する血中金属濃度の指標は明確でないため、臨床症状、健康へ及ぼす影響等を十分に検討すること。

  2. 8.2効果が得られるためには、排泄するための十分な尿量が必要であるので、投与前には必ずクレアチニン等の腎機能検査を実施すること。また、投与中も定期的(1~2週間に1回)に検査を行い、腎機能の低下が認められた場合には、血液透析の併用を考慮すること。

  3. 8.3本剤の副作用発現頻度は用量依存的に上昇する可能性があり、また重篤な副作用報告があるので、本剤の投与は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみとし、漫然と投与しないこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血液障害のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重篤な血液障害を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2血液障害の既往のある患者

血液障害を起こすおそれがあるので血液検査を定期的に行うこと。

  1. 9.1.3SLEの患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。SLEの症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4ペニシリン系薬剤に対して過敏症の既往のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重篤な腎機能障害を起こすおそれがある。

  1. 9.2.2腎機能障害の既往のある患者

腎機能障害を起こすおそれがあるので尿蛋白等の腎機能検査を定期的に行うこと。

9.3 肝機能障害患者

肝機能異常を起こすおそれがあるので肝機能検査値に注意すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上やむを得ないと判断される場合にのみ投与すること。ヒトで催奇形性を疑う症例報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物試験(ラット)において乳汁移行が認められ、出生児の死亡数増加及び成長遅延が認められている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1成長期の小児で結合組織の代謝障害のある児

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。結合組織異常を起こすおそれがある。

  1. 9.7.2「9.7.1 成長期の小児で結合組織の代謝障害のある児」以外の児
  • 〈ウイルソン病(肝レンズ核変性症)〉

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈鉛・水銀・銅の中毒〉

  • 低出生体重児、新生児及び乳児には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

重篤な血液障害等を起こすおそれがある。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 金チオリンゴ酸ナトリウム• 〔シオゾール〕
• オーラノフィン
重篤な血液障害が発現するおそれがある。 機序は不明である。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 免疫抑制剤 副作用が増強するおそれがある。 機序は不明である。
• 経口鉄剤2)
• 〔クエン酸第一鉄ナトリウム
• 硫酸鉄 等〕
本剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、本剤との同時投与は避けること。 同時投与した場合、本剤の吸収率が低下するとの報告がある。
• マグネシウム又はアルミニウムを含有する制酸剤
• 〔水酸化マグネシウム2)
• 水酸化アルミニウム2)〕
本剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、本剤との同時投与は避けること。 同時投与した場合、本剤の吸収率が低下するとの報告がある。
• 亜鉛を含有する経口剤 本剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、本剤との同時投与は避けること。 同時投与した場合、本剤が吸収される前に亜鉛とキレート化され、本剤の吸収率が低下する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇等) 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
IgG 頻度不明
IgM)減少注1) 頻度不明
クレアチニン上昇) 頻度不明
そう痒 頻度不明
ビタミンB6欠乏注2) 頻度不明
めまい 頻度不明
リンパ球減少 頻度不明
下痢 頻度不明
下血 頻度不明
乳房肥大 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
免疫グロブリン(IgA 頻度不明
創傷治癒障害 頻度不明
動悸 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎・口角炎 頻度不明
口唇炎 頻度不明
味覚異常 頻度不明
咽頭炎 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
尿失禁 頻度不明
昏迷 頻度不明
歯肉炎 頻度不明
毛細血管脆弱 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
消化性潰瘍 頻度不明
潮紅 頻度不明
無力症 頻度不明
爪の異常 頻度不明
疼痛 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白内障 頻度不明
白血球増多 頻度不明
皮下出血 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眼瞼下垂 頻度不明
知覚障害 頻度不明
穿孔性弾力線維症 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
紫斑 頻度不明
結節性紅斑 頻度不明
耳鳴 頻度不明
聴力低下 頻度不明
肝機能障害(AST 頻度不明
胃炎 頻度不明
脱毛 頻度不明
腎機能障害(尿蛋白 頻度不明
腎炎 頻度不明
腹痛 頻度不明
膵炎 頻度不明
舌炎 頻度不明
血尿 頻度不明
複視 頻度不明
視力異常 頻度不明
関節痛 頻度不明
陰門びらん 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ペニシラミンが重金属とキレート化合物を生成しその排泄を促進させる。

18.2 キレート形成作用

ウイルソン病患者において、ペニシラミン2分子は血清銅1分子と結合して可溶性のキレートを形成し、尿中排泄を促進する。血清銅濃度の減少に伴い、組織内の銅が血清中に遊離し、脳、肝、腎、角膜等の臓器内に銅が過剰沈着するのを防ぐ。 重金属(鉛・水銀)負荷ラットにおいて、ペニシラミンは尿中重金属排泄量を増加させ、体外への重金属の除去を促進する7),8),9),10),11),12) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人に200mgを空腹時単回経口投与した場合、血中濃度パラメータは以下のとおりであった3) 。

Cmax
(µg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(µg・hr/mL)
成人(n=12) 0.62 1.8 2.3 2.17

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人(n=6)に空腹時、食後に、ペニシラミン500mgを単回経口投与した場合、ペニシラミンの血中濃度パラメータは以下のとおりであった2) 。 ペニシラミンのT1/2は各群で有意差は認められないものの、食後のCmax及びAUCは空腹時に比べ低下した2)(外国人データ)。

Cmax
(µg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(µg・hr/mL)
空腹時 3.05 3.8 2.1 14.7
食後 1.51 2.3 2.3 7.2

16.3 分布

14C-ペニシラミン20mg/kgをラットに単回経口投与した場合、投与後短時間で中枢神経を除く全身へのすみやかな分布が認められ、大動脈、軟骨、皮膚、アキレス腱への分布が高く、筋肉、脂肪には低かった4) 。なお、本薬は血漿蛋白とジスルフィド結合を形成することが認められ、蛋白結合率は経時的に上昇し投与後24時間ではほぼ100%に達した5) 。

16.4 代謝

健康成人に200mgを単回経口投与した場合、尿中主代謝物はペニシラミン-システインであり、ペニシラミンジスルフィドも検出された6) 。

16.5 排泄

健康成人に200mgを単回経口投与した場合、投与後24時間までの総ペニシラミンの尿中排泄率は投与量の35.2%であった6) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1経口鉄剤、マグネシウム又はアルミニウムを含有する制酸剤

健康成人(n=6)に非併用時、空腹時鉄剤服用直後、空腹時制酸剤(水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム含有)服用直後に、ペニシラミン500mgを単回経口投与した場合、ペニシラミンの血中濃度パラメータは以下のとおりであった2) 。 ペニシラミンのT1/2は各群で有意差は認められないものの、鉄剤服用後及び制酸剤服用後のCmax及びAUCは非併用時に比べ1/2~1/6に低下した2)(外国人データ)。

Cmax
(µg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(µg・hr/mL)
非併用時 3.05 3.8 2.1 14.7
鉄剤併用 1.00 1.3 1.2 2.6
制酸剤併用 1.72 3.0 1.5 7.0