ウィルソン病(D-ペニシラミンに不耐性である場合)
効能・効果
用法・用量
通常、成人1日6カプセル(トリエンチン塩酸塩として1,500mg)を食前空腹時に2~4回に分割経口投与する。 なお、患者の年齢、症状及び本剤に対する反応等に応じて、1日量4~10カプセル(トリエンチン塩酸塩として1,000~2,500mg)の範囲で増減する。
使用上の注意
本剤を長期間投与する場合は、3~12ヵ月毎に血清中の遊離銅濃度(総血清銅とセルロプラスミン銅の差)及び尿中銅排泄量の測定を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1重篤な合併症(心臓疾患、悪性腫瘍、腎疾患、糖尿病、血液障害、脳血管障害等)のある患者
使用経験が無い。
- 9.1.2薬物アレルギーの患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 経口鉄剤 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。経口鉄剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、2時間以上の間隔をあけることが望ましい。 | 本剤が鉄剤中の鉄と結合し、本剤と銅との結合を阻害する。 |
| 他剤・食物(軽食等) | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の吸収が妨げられるおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 振戦等 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 |
| 胃不快感等 | 1〜5%未満 |
| 胸やけ | 1〜5%未満 |
| 貧血(鉄欠乏性貧血 | 1〜5%未満 |
| 鉄芽球性貧血等) | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
塩酸トリエンチンは、銅イオンと組成比1対1で錯体(pH7.0、8.0で安定)を形成し、尿中銅排泄を促進する3),4) 。
18.2 尿中銅排泄促進作用
銅代謝異常により誘発される肝炎、肝癌自然発症モデル(LECラット)において、肝臓銅含量を減少させ、尿中銅排泄を促進した4) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
ウィルソン病患者に経口投与したところ、血清中のトリエンチン未変化体は投与後2~3時間で最高濃度に達した後、半減期2.08時間で血清から消失した。また、最高濃度到達時間における血清中には、遊離型のトリエンチンは検出されなかった1) 。
16.5 排泄
ウィルソン病患者に経口投与したところ、投与後24時間までの未変化体及び総代謝物の尿中排泄率は、それぞれ投与量の2.4%及び20.9%であった1) 。