Clinical snapshot

メソトレキセート錠2.5mg

メトトレキサート

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2肝障害のある患者

  3. 2.3腎障害のある患者

  4. 2.4胸水、腹水等のある患者[胸水、腹水等に長時間貯留して毒性が増強されることがある。]

効能・効果

  • 下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解

  • 急性白血病

  • 絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)

  • 慢性リンパ性白血病

  • 慢性骨髄性白血病

用法・用量

  • 〈白血病〉

メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として1週間に3~6日経口投与する。 幼児 1.25~2.5mg 小児 2.5~5mg 成人 5~10mg

  • 〈絨毛性疾患〉

1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10~30mgを経口投与する。休薬期間は、通常、7~12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。

なお、いずれの場合でも年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1骨髄機能抑制、肝・腎機能障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  2. 8.2出血性腸炎、消化管潰瘍・出血等の消化管障害があらわれることがあるので、口内炎、激しい腹痛、嘔吐、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。

  3. 8.3感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。また、患者に対し発熱、倦怠感があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。

  4. 8.4免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。

  5. 8.5本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

  6. **8.6光線過敏症が報告されているので、適切な日焼け防止対策を行い、強い日光又は紫外線への曝露を避けるよう患者に指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能抑制のある患者

骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.2感染症を合併している患者

骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.3水痘患者

致命的全身障害があらわれることがある。

  1. 9.1.4B型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者

B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。

9.2 腎機能障害患者

投与しないこと。本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

投与しないこと。肝障害を増悪させるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。低出生体重児、新生児、乳児(1歳未満)に対する臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤 メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている。
スルホンアミド系薬剤
テトラサイクリン
クロラムフェニコール
フェニトイン
バルビツール酸誘導体
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている。
ペニシリン
(ピペラシリン等)
プロベネシド
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている。
シプロフロキサシン メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
レフルノミド メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている。
プロトンポンプ阻害剤
(オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾール等)
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。
**タラポルフィンナトリウム 光線過敏症を起こすことがある。 併用薬剤が光感受性を高めるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する。
放射線療法 軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
BUN 頻度不明
LDHの上昇 頻度不明
イレウス 頻度不明
クレアチニンの上昇 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒 頻度不明
めまい 頻度不明
メレナ 頻度不明
リンパ節腫脹 頻度不明
下痢 頻度不明
低ガンマグロブリン血症 頻度不明
低蛋白血症 頻度不明
倦怠感 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
出血 頻度不明
動悸 頻度不明
卵巣機能不全 頻度不明
口内炎 頻度不明
口唇腫脹 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔気・嘔吐 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
悪寒 頻度不明
意識障害 頻度不明
月経不全 頻度不明
流産 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化管潰瘍・出血 頻度不明
無精子症 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮下斑状出血 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
目のかすみ 頻度不明
眠気 頻度不明
紅斑 頻度不明
結節 頻度不明
結膜炎 頻度不明
耳下腺炎 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸部圧迫感 頻度不明
脂肪肝 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
膀胱炎 頻度不明
舌炎 頻度不明
色素沈着 頻度不明
色素脱出 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血尿 頻度不明
血清アルブミン減少 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
項部緊張 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

メトトレキサートは、葉酸を核酸合成に必要な活性型葉酸に還元させる酵素dihydrofolate reductase(DHFR)の働きを阻止し、チミジル酸合成及びプリン合成系を阻害して、細胞増殖を抑制する。メトトレキサートは、正常細胞や感受性の高い癌細胞には能動的に取り込まれ、殺細胞作用を示す2)。

薬物動態

16.1 血中濃度

悪性腫瘍患者17例にメトトレキサートの2.25mg、4.50mg、9.00mg、31.5mgを経口単回投与したときの最高血中濃度は、2.25mg、4.50mg、9.00mg投与時には1時間後に、31.5mg投与時には2時間後にみられた。投与1時間後の最高血中濃度は5.3×10-7mol/L~2.4×10-6mol/Lであり、この濃度範囲内におけるメトトレキサートの血漿中蛋白結合率は約50%であった1)(外国人データ)。

16.5 排泄

悪性腫瘍患者17例にメトトレキサートの2.25mg、4.50mg、9.00mg、31.5mgを経口投与したときの尿中排泄率は24時間でほぼ100%を示した。 また、メトトレキサートの2.25~31.5mgを静脈内に投与したときの尿中排泄率は、最初の1時間で43%、6時間で88%であることが認められており、大部分は未変化体であった1)(外国人データ)。