Clinical snapshot

ミコブティンカプセル150mg

リファブチン

添付文書改訂 2024年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は他のリファマイシン系薬剤(リファンピシン)に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. *2.2次の薬剤を投与中の患者:ボリコナゾール、エンシトレルビル、ニルマトレルビル・リトナビル、グラゾプレビル、エルバスビル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、リルピビリン(注射剤)、イサブコナゾニウム

効能・効果

〈適応菌種〉 本剤に感性のマイコバクテリウム属 〈適応症〉 結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症、HIV感染患者における播種性MAC症の発症抑制

用法・用量

  • 〈結核症〉

通常、成人にはリファブチンとして150mg~300mgを1日1回経口投与する。 多剤耐性結核症にはリファブチンとして300mg~450mgを1日1回経口投与する。

  • 〈マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症の治療〉

通常、成人にはリファブチンとして300mgを1日1回経口投与する。

  • 〈HIV感染患者における播種性MAC症の発症抑制〉

通常、成人にはリファブチンとして300mgを1日1回経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2白血球減少症、血小板減少症などの血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。

  3. 8.3肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。

  • 〈結核症〉
  1. 8.4本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分未満)

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害のある患者

本剤の用量の減量を考慮すること。肝機能を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット胎児で、骨格変異(過剰肋骨の発生頻度増加)及び生存胎児数の減少、ウサギ胎児で骨化遅延が認められたが、ラット及びウサギともに催奇形性は示さなかった。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等に対する臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • **本剤はチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝され、また、CYP3Aをはじめとする肝薬物代謝酵素を誘導する作用がある。他の薬剤との相互作用は、すべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用する場合には、患者の状態を十分観察し、慎重に投与すること。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ボリコナゾール
(ブイフェンド)
本剤の作用が増強するおそれがある。
また、ボリコナゾールの作用が減弱するおそれがある。
ボリコナゾールは本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、ボリコナゾールの代謝を促進し、ボリコナゾールの血中濃度を低下させる。
• エンシトレルビル
(ゾコーバ)
• ニルマトレルビル・リトナビル
• (パキロビッド)
本剤の作用が増強するおそれがある。 これらの薬剤は本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
グラゾプレビル
(グラジナ)
エルバスビル
(エレルサ)
チカグレロル
(ブリリンタ)
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤の血中濃度を低下させるおそれがある。
アルテメテル・ルメファントリン
(リアメット配合錠)
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤の血中濃度を低下させるおそれがある。
• リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
(オデフシィ配合錠)
• リルピビリン(注射剤)
(リカムビス水懸筋注)
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、リルピビリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。本剤のP-糖蛋白質の誘導作用により、テノホビル アラフェナミドの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。
イサブコナゾニウム
(クレセンバ)
イサブコナゾニウムの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、イサブコナゾニウムの活性本体であるイサブコナゾールの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロテアーゼ阻害薬+リトナビル
アタザナビル+リトナビル
インジナビル+リトナビル
サキナビル+リトナビル
ダルナビル+リトナビル
Tipranavir+リトナビル
ホスアンプレナビル+リトナビル
ロピナビル・リトナビル
本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤の投与量を少なくとも1/4に減量することを考慮する。 これらの薬剤は本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤又は活性代謝物の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、インジナビル、サキナビル及びホスアンプレナビルの代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
プロテアーゼ阻害薬
リトナビル
本剤の作用が増強するおそれがある。
リトナビルを、1回600mg1日2回の用法・用量で使用する場合には、本剤との併用を避けること。
他の抗レトロウィルス薬とリトナビルと本剤を併用する場合には、国内外のガイドラインを参考にして、リトナビル及び本剤の用量調節を行うこと(「プロテアーゼ阻害薬+リトナビル」の項を参照)。
これらの薬剤は本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
プロテアーゼ阻害薬
アタザナビル
本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤の投与量を1/4に減量することを考慮する。 これらの薬剤は本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
プロテアーゼ阻害薬
インジナビル
ネルフィナビル
ホスアンプレナビル
本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤の投与量を少なくとも半減することを考慮する。
また、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤(ホスアンプレナビルの場合、活性本体のアンプレナビル)は、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
*エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド 本剤の作用が増強するおそれがある。
また、エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの作用が減弱するおそれがある。
コビシスタットは、本剤の肝代謝酵素(CYP3A)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A 等)及びP-糖蛋白質の誘導作用により、エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。
カボテグラビル(水懸筋注) カボテグラビルの作用が減弱するおそれがある。 本剤のUGT1A1 誘導作用により、カボテグラビルの代謝を促進し、カボテグラビルの血中濃度を低下させる。
• レジパスビル・ソホスブビル
• ソホスブビル・ベルパタスビル
ソホスブビル、レジパスビル及びベルパタスビルの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A 等)及びP-糖蛋白質の誘導作用により、ソホスブビル、レジパスビル及びベルパタスビルの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。
エトラビリン 本剤及びエトラビリンの作用が減弱するおそれがある。 本剤又はエトラビリンの主たる肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、本剤又はエトラビリンの血中濃度を低下させる。
プロテアーゼ阻害薬+リトナビルとエトラビリンが併用された場合、リファブチンは使用すべきでない。
デラビルジン 本剤の作用が増強するおそれがあり、また、これらの薬剤の作用が著しく減弱するおそれがあることから、他の薬剤への変更を考慮する。 これらの薬剤は、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
ネビラピン 本剤の作用が増強するおそれがある。
また、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
エファビレンツ
本剤の作用が減弱するおそれがある。 エファビレンツの肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、本剤の代謝を促進し、本剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
マラビロク マラビロクの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、マラビロクの代謝を促進し、マラビロクの血中濃度を低下させる。
ドラビリン ドラビリンの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、ドラビリンの代謝を促進し、ドラビリンの血中濃度を低下させる。
アゾール系抗真菌薬(ポサコナゾールを除く)
イトラコナゾール
フルコナゾール等
本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤の投与量を少なくとも半減することを考慮する。
また、これらの薬剤(フルコナゾールを除く)の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤(フルコナゾールを除く)の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
ポサコナゾール 本剤の作用が増強するおそれがあり、また、ポサコナゾールの作用が減弱するおそれがあることから、治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、ポサコナゾールとの併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無、全血球数の推移及び本剤の血中濃度上昇に伴う副作用(ぶどう膜炎等)を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 ポサコナゾールは、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
また、本剤はポサコナゾールのクリアランスを亢進させ、ポサコナゾールの血中濃度を低下させる。本剤のUGT1A4又はP-糖蛋白質の誘導作用が関与している可能性がある。
マクロライド系抗生剤
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン等
本剤の作用が増強するおそれがあり、本剤の投与量を半減することを考慮する。
また、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。
本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤の血中濃度を低下させる。
経口避妊薬
(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)
経口避妊薬の作用が減弱し、不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、経口避妊薬の代謝を促進し、経口避妊薬の血中濃度を低下させる。
ジアフェニルスルホン ジアフェニルスルホンの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、ジアフェニルスルホンの代謝を促進し、ジアフェニルスルホンの血中濃度を低下させる。
タクロリムス タクロリムスの血中濃度が低下し、拒絶反応が出現する可能性がある。タクロリムスの血中濃度のモニターを行い、必要に応じ増量等の処置を行う。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、タクロリムスの代謝を促進し、タクロリムス又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。
• リルピビリン(経口剤)
• ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン
リルピビリンの作用が減弱するおそれがある。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、リルピビリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させるおそれがある。
*ベダキリン ベダキリンの作用が減弱するおそれがある。本剤との併用はリスクとベネフィットを考慮して慎重に判断すること。 本剤の肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、ベダキリンの代謝を促進し、ベダキリンの血中濃度を低下させるおそれがある。
ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの作用が減弱し、ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドに対する耐性が発現するおそれがある。 本剤の主たる肝代謝酵素(CYP3A4)及びP-糖蛋白質の誘導作用により、ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの代謝を促進し、これらの成分又は活性代謝物の血中濃度を低下させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P増加 頻度不明
Al-P減少 頻度不明
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
アフタ性口内炎 頻度不明
アミラーゼ増加 頻度不明
インフルエンザ様症状 頻度不明
うつ病 頻度不明
おくび 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ニューロパシー 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不眠症 頻度不明
乾癬 頻度不明
会話障害 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
副腎機能不全 頻度不明
勃起不全 頻度不明
単純ヘルペス 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口腔カンジダ症 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
喀血 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
失語症 頻度不明
好酸球増加症 頻度不明
尿変色 頻度不明
尿毒症 頻度不明
弱視 頻度不明
心電図での非特異的T波変化 頻度不明
思考異常 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
悪液質 頻度不明
感情不安定 頻度不明
昏睡 頻度不明
気管支痙攣 頻度不明
気胸 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
溶血 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚変色 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
筋炎 頻度不明
筋痛 頻度不明
筋緊張亢進 頻度不明
紅斑性皮疹 頻度不明
結膜炎 頻度不明
網膜炎 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肝腫大 頻度不明
肺炎 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胃腸障害 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱毛症 頻度不明
腎臓痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
膵炎 頻度不明
色素沈着障害 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板障害 頻度不明
血尿 頻度不明
視覚障害 頻度不明
視野欠損 頻度不明
角膜沈着物 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
過敏症 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節痛 頻度不明
難聴 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
食欲不振 頻度不明
高尿酸血症 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

リファブチンは、DNA依存性RNAポリメラーゼに作用し、RNA合成を阻害する。さらに、リファブチンはリファンピシン耐性M. tuberculosisのDNAへのチミジンの取り込みを阻害した。このことから、リファブチンはDNA合成も阻害し、リファンピシン耐性菌に対しても有効であることが示唆された45),46)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1リファブチンは、Mycobacterium tuberculosis及びMycobacterium aviumcomplex(MAC)の臨床分離株に対してリファンピシンより強いin vitro抗菌活性を示した47)。

  2. 18.2.2リファブチンは、マウスのM. tuberculosis及びMAC全身感染モデルに対してリファンピシンより強い治療効果を示した47),48)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人(男性4例、女性5例)にリファブチン300、450及び600mg注)を単回経口投与した後、3.1~3.5時間で最高血漿中濃度(Cmax)に到達し(375~724ng/mL)、終末相の半減期(t1/2)は、17~20時間であった。リファブチンの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)及びCmaxは投与量に比例して増加した。また、リファブチンの活性代謝物である25脱アセチル体は、3.8~4.2時間で最高血漿中濃度に達した(53~103ng/mL)(図)5)(外国人データ)。 注)本剤の承認用量は150~450mgを1日1回経口投与である。

図 健康成人における単回経口投与後のリファブチン及び25脱アセチル体の平均血漿中濃度推移(n=9、平均値+標準誤差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ

男性HIV感染患者(5例)にリファブチンを経口及び静脈内投与注)したとき、絶対的バイオアベイラビリティは20%であった6)(外国人データ)。 注)本剤の承認投与経路は経口投与のみである。

  1. 16.2.2食事の影響

健康成人男性(12例)にリファブチンを高脂肪食摂取直後に投与したとき、リファブチンの最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は有意に遅れ、空腹時及び食後投与時の平均値はそれぞれ、3.0及び5.4時間であった。AUC及びCmaxに有意差は認められなかった7)(外国人データ)。

16.3 分布

リファブチンの肺及び胆嚢組織中濃度は、血漿中濃度の2~10倍であり、ヒト好中球及び単球における細胞内濃度は細胞外濃度のそれぞれ9及び15倍であった。リファブチンの血漿蛋白結合率は100~10000ng/mLの範囲で一定値を示し、平均値は93%であった8),9),10),11)(外国人データ)。 (参考)リファブチンは、ラットにおいて広範囲な組織に分布し、特に、肝臓、肺、腎臓及び脾臓等に高濃度に分布したが、脳内濃度は低かった12)。

16.4 代謝

ヒトにおける血漿中及び尿中の主要な代謝物として、リファブチンと同程度の抗菌活性を示す25脱アセチル体及び抗菌活性を示さない31水酸化体が検出された13),14)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人男性(3例)に14C-リファブチン約300mgを単回経口投与後、尿中及び糞中にそれぞれ53%及び29%の放射能が回収された。未変化体の尿中排泄率は8.3%であった14)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害患者(男性12例、女性6例)にリファブチン300mgを単回経口投与したとき、AUC及びCmaxはクレアチニンクリアランスの低下に伴い、増加傾向を示した15)(外国人データ)。

腎機能障害
(CLcr)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
軽度
(>50-80mL/min)
386±42 3710±462 3.3±0.7 11±2.7
中等度
(30-50mL/min)
471±78 5236±974 2.8±0.7 26±7.2
重度
(<30mL/min)
470±64 6328±635 2.3±0.3 23±4.1
  1. 16.6.2肝機能障害患者

アルコール性肝機能障害患者(男性8例、女性4例)にリファブチン300mgを単回経口投与したときのAUC(8159ng・hr/mL)及びCmax(472ng/mL)は、健康成人のAUC(4298~8851ng・hr/mL)及びCmax(375~577ng/mL)と大きく異ならなかった5),16)(外国人データ)。

  1. 16.6.3高齢者

健康高齢者(71~80歳、男性5例、女性7例)にリファブチン300mgを単回経口投与したときのAUC及びCmaxは、健康非高齢者(健康成人、25~60歳)に比べてそれぞれ1.0~2.1倍及び0.9~1.4倍高値を示した5),17),18),19)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1ボリコナゾール

健康成人男性にボリコナゾール400mgを1日2回及びリファブチン300mgを1日1回7日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ331%及び195%増加した。また、健康成人男性にボリコナゾール200mgを1日2回及びリファブチン300mgを1日1回7日間反復併用経口投与したとき、ボリコナゾールのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ78%及び69%減少した20)(外国人データ)。

  1. 16.7.2リトナビル

健康成人に、リトナビル500mgを1日2回及びリファブチン150mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ約300%及び約150%増加した21)(外国人データ)。

  1. 16.7.3ロピナビル・リトナビル

健康成人に、ロピナビル400mg/リトナビル100mgを1日2回及びリファブチン150mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、非併用投与時(リファブチン300mg)と比べてリファブチンのAUC及びCmaxは203%及び112%増加した。

  1. 16.7.4ホスアンプレナビル

ホスアンプレナビルは、経口投与後、主に消化管上皮において速やかにアンプレナビルと無機リン酸に加水分解される。アンプレナビルにおいては、健康成人男性に1200mgを1日2回及びリファブチン300mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ193%及び119%増加した。アンプレナビルのAUC及びCmaxは、それぞれ15%及び7%減少した22)(外国人データ)。

  1. 16.7.5インジナビル

健康成人に、インジナビル800mgを1日3回及びリファブチン300mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、インジナビルのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ34%及び25%減少し、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ173%及び134%増加した23)(外国人データ)。

  1. 16.7.6ネルフィナビル

ネルフィナビル750mgを1日3回及びリファブチン300mgを1日1回7~8日間反復併用経口投与したとき、ネルフィナビルのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ32%及び24%減少し、リファブチンのAUC及びCmaxは、それぞれ207%及び146%増加した(外国人データ)。

  1. 16.7.7イトラコナゾール

HIV感染患者に、イトラコナゾール200mgを1日1回及びリファブチン300mgを1日1回14日間反復併用経口投与したとき、イトラコナゾールのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べていずれも70~75%減少した24)(外国人データ)。 また、イトラコナゾール900mgを1日1回及びリファブチン300mgを1日1回、反復併用経口投与したとき、リファブチンのトラフ濃度が約200%増加したという報告がある25)(外国人データ)。

  1. 16.7.8フルコナゾール

ジドブジン100mg、1日5回投与による維持療法を受けているHIV感染患者に、リファブチン300mgを1日1回及びフルコナゾール200mgを1日1回14日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUCは、非併用投与時と比べて約80%増加した26)(外国人データ)。 リファブチンは、フルコナゾールの薬物動態に影響を及ぼさなかった27)(外国人データ)。

  1. 16.7.9アタザナビル

健康成人に、アタザナビル400mgを1日1回及びリファブチン150mgを1日1回14日間反復併用経口投与したとき、アタザナビルのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べて15%及び34%増加した。また、アタザナビル600mgを1日1回及びリファブチン150mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べて110%及び18%増加した28)(外国人データ)。

  1. 16.7.10デラビルジン

HIV感染患者に、リファブチン300mgを1日1回及びデラビルジン400mgを1日3回15日間反復併用経口投与したとき、デラビルジンの経口クリアランスは、非併用投与時と比べて約400%上昇した。また、リファブチンのAUCは、非併用投与時と比べて100%以上増加した29)(外国人データ)。

  1. 16.7.11クラリスロマイシン

HIV感染患者に、リファブチン300mgを1日1回及びクラリスロマイシン500mgを1日2回28日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUCは非併用投与時と比べて77%増加した。また、クラリスロマイシンのAUCは非併用投与時と比べて55%減少した30),31)(外国人データ)。

  1. 16.7.12サキナビル

HIV感染患者に、リファブチン300mgを1日1回及びサキナビル1200mgを1日3回10日間反復併用経口投与したとき、サキナビルのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ47%及び39%減少し、一方、リファブチンのAUC及びCmaxは、それぞれ44%及び45%増加した32)(外国人データ)。

  1. 16.7.13ネビラピン

リファブチン300mg(又は150mg)を1日1回及びネビラピン200mgを1日1回14日間反復併用経口投与し、その後、リファブチン300mg(又は150mg)を1日1回及びネビラピン200mgを1日2回14日間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ17%及び28%増加した。 また、ネビラピンの全身クリアランスが9%増加したという報告がある。

  1. 16.7.14エファビレンツ

リファブチン300mgを1日1回及びエファビレンツ600mgを1日1回2週間反復併用経口投与したとき、リファブチンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ38%及び32%減少した。リファブチンは、エファビレンツの薬物動態には、影響を及ぼさなかった。

  1. 16.7.15経口避妊薬

少なくとも2ヵ月間経口避妊薬(1日あたり35μgのエチニルエストラジオールと1mgのノルエチステロン)を服用していた健康成人女性に、リファブチン300mgを1日1回10日間反復併用経口投与したとき、非併用投与時と比べてエチニルエストラジオールのAUC及びCmaxはそれぞれ35%及び20%減少し、ノルエチステロンでは、それぞれ46%及び32%減少した33)(外国人データ)。

  1. 16.7.16タクロリムス

リファブチンによりタクロリムスの血中トラフ濃度が低下するとの報告がある34)(外国人データ)。

  1. 16.7.17ジアフェニルスルホン

HIV感染患者(アセチル代謝亢進者及び低下者)にリファブチン300mgを1日1回及びジアフェニルスルホン50mgを1日1回14日間反復併用経口投与したとき、ジアフェニルスルホンのAUCは、非併用投与時と比べて約27~40%減少した35)。

  1. 16.7.18ジドブジン

少なくとも6週間ジドブジンを服用していたHIV感染患者にジドブジン200mg又は100mgを1日6回及びリファブチン450mg又は300mgを1日1回12日間反復併用経口投与したとき、ジドブジンのAUC及びCmaxは、非併用投与時と比べてそれぞれ32%及び48%減少した36)(外国人データ)。ジドブジンは、リファブチンの薬物動態には影響を及ぼさなかった37)(外国人データ)。

  1. 16.7.19スルファメトキサゾール・トリメトプリム

HIV感染患者にリファブチン300mgを1日1回及びスルファメトキサゾール・トリメトプリムを1日2回14日間反復併用経口投与したとき、トリメトプリムのAUCは非併用投与時と比べて14%、Cmaxは6%減少したが、臨床的意義はないと考えられた38)。スルファメトキサゾール・トリメトプリムはリファブチンの薬物動態には影響を及ぼさなかった39)(外国人データ)。