Clinical snapshot

ミキシッドH輸液

高カロリー輸液用アミノ酸・糖・脂肪・電解質液

添付文書改訂 2026年05月01日

【警告】

  1. 1.1ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので、必ずビタミンB1を併用すること。ビタミンB1欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には、直ちに100~400mgのビタミンB1製剤を急速静脈内投与すること。 また、高カロリー輸液療法を施行中の患者では、基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので、症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し、アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと。

  2. 1.2使用施設 本剤は医療施設内でのみ使用すること(在宅療法では使用しないこと)。

  3. 1.3本剤は脂肪を含有する経中心静脈投与輸液であり、除菌用ファイナルフィルターが使用できないため、投与にあたっては細菌混入の防止について特に注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1高ナトリウム血症の患者 [高ナトリウム血症が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2高クロール血症の患者 [高クロール血症が悪化するおそれがある。]

  3. 2.3高カリウム血症、アジソン病の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  4. 2.4高リン血症、副甲状腺機能低下症の患者 [高リン血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  5. 2.5高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者 [高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  6. 2.6高カルシウム血症の患者 [高カルシウム血症が悪化するおそれがある。]

  7. 2.7アミノ酸代謝異常のある患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]

  8. 2.8重篤な血液凝固異常のある患者[凝固能亢進により症状を悪化させるおそれがある。]

  9. 2.9血栓症の患者[凝固能亢進により症状を更に悪化させるおそれがある。]

  10. 2.10ケトーシスを伴った糖尿病の患者[ケトーシスを助長させ糖尿病を悪化させるおそれがある。]

  11. 2.11高脂血症の患者[高脂血症を助長させるおそれがある。]

  12. 2.12重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。]

  13. 2.13乏尿のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

  14. 2.14肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者

  15. 2.15*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

経口、経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分、電解質、アミノ酸、脂肪、カロリー補給

用法・用量

  • 〈ミキシッドL輸液〉

本品は経中心静脈輸液療法の開始時で、耐糖能が不明の場合や耐糖能が低下している場合の開始液として、あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており、ブドウ糖を制限する必要がある場合の維持液として用いる。 用時、隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合し、開始液又は維持液とする。 通常、成人には1日1800mLの開始液又は維持液を、24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。 なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

  • 〈ミキシッドH輸液〉

本品は経中心静脈輸液療法の維持液として用いる。 用時、隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合し、維持液とする。 通常、成人には1日1800mLの維持液を、24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。 なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者における、水分、電解質、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。

  2. 8.2高血糖、尿糖があらわれるおそれがあるので、ブドウ糖濃度の低い製剤から投与を開始するなど、ブドウ糖の濃度を徐々に高めること。

  3. 8.3急激な投与の中止により低血糖を起こすおそれがあるので、投与を中止する場合には、ブドウ糖濃度を徐々に下げること。

  4. 8.4長期連用する場合には肝機能、血中脂質濃度、血液像及び血液凝固能の検査を定期的に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1高度のアシドーシスのある患者

アシドーシスが悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2糖尿病の患者

血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3膵炎、膵硬化症、膵腫瘍等の膵障害のある患者

高血糖等の耐糖能異常を起こすおそれがある。

  1. 9.1.4心不全の患者

循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5重症熱傷の患者

水分、電解質代謝等が著しく障害されているため、心負荷増大のおそれがある。

  1. 9.1.6脱水症の患者

水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.7閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.8尿崩症の患者

水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.9菌血症の患者

カテーテルが二次感染巣となることがあり、敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある。

  1. 9.1.10血液凝固障害のある患者

凝固時間の延長を起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)

投与しないこと。

  1. 9.2.2透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者

水分、電解質の過剰投与や、アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。

  1. 9.2.3腎障害のある患者(重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者を除く)

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者

投与しないこと。アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害のある患者(肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者を除く)

肝機能を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジギタリス製剤
• ジゴキシン等
ジギタリス中毒(不整脈等)の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。 カルシウムがジギタリス製剤の作用を増強するおそれがある。
ワルファリン ワルファリンの作用を減弱させるおそれがある。 輸液成分中のダイズ油に由来するフィトナジオン(ビタミンK1)がワルファリンの作用に拮抗する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 頻度不明
ALT 頻度不明
γ-GTPの上昇) 頻度不明
そう痒感 頻度不明
下痢 頻度不明
出血傾向 頻度不明
口渇 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔気・嘔吐 頻度不明
尿糖 頻度不明
悪寒 頻度不明
末梢の浮腫 頻度不明
水中毒 頻度不明
異臭感 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
肝機能検査値異常(AST 頻度不明
肝機能障害 頻度不明
肺水腫 頻度不明
胸部圧迫感 頻度不明
脳浮腫 頻度不明
血圧降下 頻度不明
頻呼吸 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
高浸透圧利尿 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は水分、電解質、アミノ酸、脂肪及びカロリーの補給効果を示す。

18.2 栄養効果

本剤はブドウ糖、アミノ酸、脂肪の3大栄養素を適切な比率で配合し、適正量の電解質も配合していることより、十分な栄養学的効果を有することが確認された。特に、脂肪配合の有効性については、無脂肪TPNに比し、より高い蛋白節約効果(窒素出納改善、血清及び肝臓蛋白の維持)、長期間投与における肝臓の脂肪蓄積の抑制及び必須脂肪酸補給効果等が認められた13),14),15),16),17),18),19),20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

消化器術後患者に原則として本剤L輸液1日当たり1800mLを術後1日目(又は2日目)から2~4日間投与し、本剤L輸液投与終了後、本剤H輸液1日当たり1800mLを1~11日間投与した結果、本剤L輸液、H輸液投与期間中ともにグルコースは150mg/dL付近で推移した8)。長期間経口栄養補給が不可能又は不十分な患者に原則として本剤L輸液1日当たり1800mLを2~4日間投与し、その後本剤H輸液に切り替えて1日当たり1800mLを2~4週間投与した結果、グルコースは投与開始前101.3±22.1mg/dLから投与終了後109.5±21.1mg/dLに増加したが、正常範囲内の変動であった9)。

16.3 分布

本剤持続注入時の正常ラットに14Cで標識したブドウ糖、脂肪、もしくはアミノ酸を投与した結果、3成分とも投与後放射能は全身に分布した10),11),12)。

16.5 排泄

本剤持続注入時の正常ラットに14Cで標識したブドウ糖、脂肪、もしくはアミノ酸を投与した結果、3成分とも投与後放射能は主として呼気中へ排泄された。投与後24時間までの呼気中累積排泄率は、ブドウ糖、脂肪及びアミノ酸がそれぞれ投与放射能量の60.6~65.0%、23.6~28.3%及び34.5~35.7%であった10),11),12)。