Clinical snapshot

ポリカルボフィルCa細粒83.3%「日医工」

ポリカルボフィルカルシウム細粒

添付文書改訂 2023年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1急性腹部疾患(虫垂炎、腸出血、潰瘍性結腸炎等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2術後イレウス等の胃腸閉塞を引き起こすおそれのある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を助長するおそれがある。]

  4. 2.4腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある。]

  5. 2.5腎不全(軽度及び透析中を除く)のある患者

  6. 2.6本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状

用法・用量

通常、成人にはポリカルボフィルカルシウムとして1日量1.5~3.0gを3回に分けて、食後に水とともに経口投与する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1高カルシウム血症があらわれやすい患者

高カルシウム血症を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2無酸症・低酸症が推定される患者及び胃全切除術の既往のある患者

本剤の薬効が十分に発揮されない可能性がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎不全(軽度及び透析中を除く)のある患者

投与しないこと。組織への石灰沈着を助長するおそれがある。

  1. 9.2.2透析中の患者及び軽度の腎不全のある患者

組織への石灰沈着を助長するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど用量に留意すること。一般に高齢者では腎機能が低下していることが多く、高カルシウム血症があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 活性型ビタミンD製剤• アルファカルシドール
• カルシトリオール
• 等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 これらの薬剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
• カルシウム剤• L-アスパラギン酸カルシウム
• 乳酸カルシウム水和物
• 等
(1)高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
(2)本剤の作用が減弱するおそれがある。
(1)本剤はカルシウムを含有(ポリカルボフィルカルシウム1.0g中にカルシウムとして約200mg含有)するため、これらの薬剤と併用するとカルシウムの過剰摂取となる。
(2)本剤はカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、カルシウムとの共存下では再結合により薬効が減弱する。
• 強心配糖体• ジゴキシン
• 等
これらの薬剤の作用を増強し、不整脈等を誘発するおそれがある。 カルシウムは強心配糖体の心筋収縮力増強作用を強める。
• テトラサイクリン系抗生物質• テトラサイクリン
• ミノサイクリン
• 等
• ニューキノロン系抗菌剤• ノルフロキサシン
• シプロフロキサシン塩酸塩水和物
• トスフロキサシントシル酸塩水和物
• 等
これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。 カルシウムイオンはこれらの薬剤とキレートを形成し、吸収を阻害する。
• プロトンポンプ阻害剤• オメプラゾール
• ランソプラゾール
• 等
• H2受容体拮抗剤• ファモチジン
• ラニチジン
• 等
• 制酸剤• 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム
• 乾燥水酸化アルミニウムゲル
• 等
本剤の作用が減弱するおそれがある。 本剤は酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、これらの薬剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
そう痒感 頻度不明
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
口渇 頻度不明
嘔気・嘔吐 頻度不明
尿潜血陽性 頻度不明
尿蛋白陽性 頻度不明
浮腫 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
総ビリルビン上昇 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
腹鳴 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ポリカルボフィルカルシウムは胃内の酸性条件下でカルシウムを脱離してポリカルボフィルとなり、小腸や大腸等の中性条件下で高い吸水性を示し、膨潤・ゲル化する。下痢及び便秘には消化管内水分保持作用及び消化管内容物輸送調節作用により効果を発現すると考えられる5)。

18.2 消化管内水分保持作用

ラットにおいて、腸管の水分分泌に影響することなく腸管内で水分を保持した6)。

18.3 消化管内容物輸送調節作用

マウス及びラットにおいて、亢進させた消化管内容物の輸送を抑制し、遅延させた消化管内容物の輸送を改善した7)。

18.4 下痢抑制効果

マウス、ラット及びイヌの下痢モデルに対して抑制作用を示したが、便秘を誘発しなかった8),9)。

18.5 便秘改善効果

ラット及びイヌの排便量を増加し、ラット便秘モデルに対して改善作用を示したが、下痢は誘発しなかった8),9)。

18.6 生物学的同等性試験

下記の薬効比較試験の結果、ポリカルボフィルCa細粒83.3%「日医工」とコロネル細粒83.3%の生物学的同等性が確認された10)。(ラットにポリカルボフィルCa細粒83.3%「日医工」とコロネル細粒83.3%をそれぞれ500mg/kgを経口投与)

  1. 18.6.1便秘改善作用

ラット便秘モデルについて、糞便の重量を測定し統計解析を行った結果、有意差が認められなかった10)。

  1. 18.6.2下痢抑制効果

ラット下痢モデルについて、糞便の形状及び水分含有率を測定し統計解析を行った結果、有意差が認められなかった10)。

薬物動態

16.2 吸収

ラット及びイヌに14C標識ポリカルボフィルカルシウムを経口投与したときの血液中放射能濃度試験、尿・糞中排泄試験及びラットにおける全身オートラジオグラフィー、胆汁中排泄試験、in situループ法での消化管吸収試験の結果、ポリカルボフィルカルシウムは消化管から吸収されなかった1)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1その他の薬剤

ポリカルボフィルカルシウムが他の薬剤の吸収に及ぼす影響をトリメブチンマレイン酸塩、ジアゼパム、チキジウム臭化物、シメチジン及びジギトキシンの血漿中濃度を指標としてイヌで検討した結果、ポリカルボフィルカルシウムはいずれの薬剤の吸収にも影響を及ぼさなかった2)。