Clinical snapshot

ポムビリティ点滴静注用105mg

シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2025年08月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の投与によりinfusion reaction、アナフィラキシーがあらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reaction、アナフィラキシーが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2急性呼吸器疾患のある患者、又は心機能もしくは呼吸機能が低下している患者に本剤を投与する場合、症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

遅発型ポンペ病に対するミグルスタットとの併用療法

用法・用量

ミグルスタットとの併用において、通常、体重40kg以上の成人にはシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤はタンパク質製剤であり、重度の過敏症又はアナフィラキシーが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。重度の過敏症又はアナフィラキシーが発現した後の本剤の再投与については、有益性と危険性を考慮して決定すること。再投与が必要な場合には、点滴速度を下げ、忍容性を確認しながら投与すること。

  2. 8.2本剤投与中又は投与後数時間以内にinfusion reactionが発現することがあるので、本剤投与中及び投与終了後も患者の状態を観察すること。infusion reactionが発現した場合は、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。また、本剤投与によるinfusion reactionを予防又は軽減させるために、本剤投与前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.2アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤又はアバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

過敏症の発現に注意すること。

  1. 9.1.3infusion reactionの既往のある患者

  2. 9.1.4心機能又は呼吸機能の低下した患者

infusion reactionが発現した場合、状態が悪化する可能性がある。また、水分制限の適応となる患者では、本剤投与中は、適切な医学的処置とモニタリング手段がとれるように準備しておくこと。点滴投与中に水分過負荷により心機能又は呼吸状態の重篤な増悪を起こす可能性がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度又は重度(クレアチニンクリアランス15mL/min以上60mL/min未満)の腎機能障害患者

腎機能の程度及び体重に応じて、本剤に併用されるミグルスタットの用量を適宜減量すること。

  1. 9.2.2末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)

投与は推奨されない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤及びミグルスタットの併用投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、ウサギに本剤175mg/kg/隔日(臨床曝露量の約111倍に相当)及びミグルスタット25mg/kg/隔日(臨床曝露量の約23倍に相当)を併用投与した時に心血管系奇形が報告されている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績は得られていない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 頻度不明
リンパ球数減少 頻度不明
下痢 頻度不明
体温変動 頻度不明
倦怠感 頻度不明
傾眠 頻度不明
味覚不全 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
平衡障害 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪寒 頻度不明
振戦 頻度不明
注入部位腫脹 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
潮紅 頻度不明
片頭痛 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚擦過傷 頻度不明
眼瞼痙攣 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
紅斑性皮疹 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中尿素増加 頻度不明
認知障害 頻度不明
錯感覚 頻度不明
頭痛 5%以上
頻脈 頻度不明
顔面痛 頻度不明
食道痙攣 頻度不明
高血圧 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は遺伝子組換えヒト酸性α-グルコシダーゼであり、カチオン非依存性マンノース-6-リン酸受容体を介した細胞内取込みの増大を目的として、ビスマンノース-6-リン酸を有する糖鎖を含む8)。本剤は、ライソゾーム中グリコーゲンのα-1,4-及びα-1,6-グリコシド結合を加水分解することにより、グリコーゲンを分解し、ポンペ病患者の組織中に蓄積したグリコーゲンを低下させる。

18.2 薬理作用

ポンペ病動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスに本剤を投与することにより、心臓、骨格筋等でのグリコーゲン低下、筋機能の回復等が認められた。また、ミグルスタットの併用により、いずれの作用も本剤単独投与時に比較して大きい傾向が認められた9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1遅発型ポンペ病患者を対象とした投与

酵素補充療法の治療歴のある遅発型ポンペ病患者に本剤単独又は本剤とミグルスタットを隔週で反復併用投与したときの投与1回目及び3回目の本剤の薬物動態パラメータを表1に示す4)。(外国人データ)

本剤用量a
(mg/kg)
5 10 20 20 20
ミグルスタット用量b(mg) 260 260
投与回数 1 1 1 1 3
例数 10 11 11 10 11
Cmax
(μg/mL)
58.4
(19.1)
135
(18.3)
325
(13.5)
339
(12.9)
345
(18.5)
AUC0-t
(μg・h/mL)
208
(18.1)
533
(23.7)
1405
(16.2)
1778
(17.6)
1800
(19.9)
t1/2α
(h)
1.09
(11.3)
1.30
(9.10)
1.51
(9.20)
2.20
(19.1)
2.07
(15.9)
t1/2β
(h)
1.87
(19.3)
1.55
(42.1)
2.18
(38.7)
2.45
(21.6)
2.54
(19.2)
CL
(L/h)
2.15
(17.0)
1.62
(22.4)
1.25
(17.8)
0.973
(21.8)
0.970
(22.4)

a 本剤は4時間かけて点滴静脈内投与された。 b ミグルスタットは本剤の1時間前に経口投与された。 Cmax:最高血漿中濃度、AUC0-t:濃度測定が可能な最終時点までの濃度-時間曲線下面積、t1/2α:初期分布相の消失半減期、t1/2β:終末相の消失半減期、CL:クリアランス

16.3 分布

遅発型ポンペ病患者100例(日本人6例を含む)から得られた血漿中濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、本剤の中心コンパートメントの分布容積は3.23Lと推定された5)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

母集団薬物動態解析から、本剤20mg/kgとミグルスタット260mgの隔週併用投与時の本剤の曝露量に対して、腎機能障害は大きな影響を及ぼさないと考えられた6)。