○子宮内膜症 ○乳腺症
【警告】
血栓症を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1血栓症の既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。]
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2.2アンチトロンビンⅢ、プロテインC、プロテインSなどの凝固制御因子の欠損又は減少のある患者[血栓症を起こすおそれがある。]
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2.3重篤な肝障害、肝疾患のある患者
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2.4重篤な心疾患のある患者[浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。]
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2.5重篤な腎疾患のある患者
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2.6ポルフィリン症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
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2.7アンドロゲン依存性腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
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2.8診断のつかない異常性器出血のある患者[このような患者では悪性腫瘍の疑いがある。]
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2.9妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.10授乳婦
効能・効果
用法・用量
- 〈子宮内膜症〉
通常、成人にはダナゾールとして1日200~400mgを2回に分け、月経周期第2~5日より、約4カ月間連続経口投与する。症状により増量する。
- 〈乳腺症〉
通常、成人にはダナゾールとして1日200mgを2回に分け、月経周期第2~5日より、4~6週間連続経口投与する。
使用上の注意
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8.1投与にあたり、既往歴・家族歴を十分に聴取し、血栓症の発生に十分配慮すること。血栓症を起こしやすい因子・合併症を有する患者に投与する場合は、末梢血液一般検査(血小板数、ヘマトクリット値等)を行うことが望ましい。
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8.2血栓症の危険性は高齢者、特に40歳以上で高くなる。また外国では、喫煙が類薬(経口避妊薬)による重篤な副作用(血栓症等)の危険性を増大させ、また、この危険性は年齢及び喫煙量により増大すると報告されている。
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8.3投与により、血栓症を引き起こすおそれがあるので、下肢の疼痛・浮腫、激しい頭痛、嘔吐、吐き気、めまい等の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。また、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
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8.4投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍、子宮筋腫等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。
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8.5乳腺症における本剤の投与に際しては、月経前又は月経中を避けて診断を行い、症状(自発痛、圧痛、腫瘤・硬結)が持続性であることを確認すること。また症状が消失した場合は投与を中止すること。
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8.6定期的に肝機能検査を実施することが望ましい。
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8.7長期投与により肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が発生したとの報告があるので定期的に肝超音波検査等の画像診断を実施することが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1心疾患のある患者又はその既往歴のある患者(重篤な心疾患のある患者を除く)
浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。
- 9.1.2てんかん患者、片頭痛のある患者
浮腫等により症状が強くあらわれるおそれがある。
- 9.1.3糖尿病患者
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能の異常がみられるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎疾患のある患者
投与しないこと。浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。
- 9.2.2腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者(重篤な腎疾患のある患者を除く)
浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者
投与しないこと。原疾患が悪化するおそれがある。
- 9.3.2肝機能障害、肝疾患のある患者(重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者を除く)
原疾患が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。女性胎児の男性化を起こすことが報告されている。
9.6 授乳婦
*投与しないこと。動物実験(ラット)で、母乳中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
減量(例えば1日100mg)するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
- 本剤は、CYP3A4に対する阻害作用を有する。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ワルファリンカリウム | 出血傾向(血尿・吐血等)を増強することが考えられる。 | 肝細胞でクマリンのレセプター部位への親和性増加と、ビタミンK依存性因子の産生阻害・異化促進によりワルファリンカリウムの作用が増強するためと考えられる。また、ダナゾールが抗凝血性を高めるとの報告もある。 |
| カルバマゼピン | カルバマゼピンの作用を増強することが考えられる。 | カルバマゼピンの代謝を抑制するためと考えられる。 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの作用を増強することが考えられる。 | 機序は明らかにされていないがシクロスポリンの血中濃度が上昇すると報告されている。 |
| タクロリムス水和物 | タクロリムスの作用を増強することが考えられる。 | タクロリムスの脱メチル及び水酸化による代謝を抑制するためと考えられる。 |
| インスリン製剤 (ヒトインスリン等) |
高血糖症状があらわれることがある。 | インスリン抵抗性を増強するおそれがある。 |
| アルファカルシドール | 血中カルシウム値が上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| シンバスタチン アトルバスタチンカルシウム水和物 |
ミオパシー、横紋筋融解症が発現したとの報告がある。 | 本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、これらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇(13.53%) | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| コレステロール上昇 | 頻度不明 |
| ざ瘡(16.25%) | 頻度不明 |
| しびれ | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| はだあれ | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 乳房変化(乳房縮小 | 頻度不明 |
| 乳頭痛等) | 頻度不明 |
| 乾燥感 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 光線過敏症 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 嗄声 | 頻度不明 |
| 四肢の感覚異常 | 頻度不明 |
| 多毛 | 頻度不明 |
| 帯下の増加 | 頻度不明 |
| 心悸亢進 | 頻度不明 |
| 性器出血 | 頻度不明 |
| 性欲亢進 | 頻度不明 |
| 性欲減退 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 手根管症候群 | 頻度不明 |
| 抑うつ | 頻度不明 |
| 浮腫(10.31%) | 頻度不明 |
| 点状出血 | 頻度不明 |
| 無月経 | 頻度不明 |
| 熱感 | 頻度不明 |
| 痙攣 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球増多 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 皮脂の分泌増加 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 眼精疲労 | 頻度不明 |
| 神経過敏 | 頻度不明 |
| 立ちくらみ | 頻度不明 |
| 筋拘縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 精神不安 | 頻度不明 |
| 紅斑(多形滲出性紅斑等) | 頻度不明 |
| 耐糖能の異常 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 肩こり | 頻度不明 |
| 胃不快感 | 頻度不明 |
| 胃痛 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 腟炎 | 頻度不明 |
| 良性頭蓋内圧亢進注2) | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 血小板増多 | 頻度不明 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 赤血球増多 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 陰核肥大 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 食欲亢進 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
子宮内膜症に対し、下垂体に作用してゴナドトロピン分泌を抑制するとともに、卵巣、子宮内膜症組織に直接作用して、異所性子宮内膜組織を萎縮・壊死させる。乳腺症に対しても子宮内膜症と同様、中枢への作用とエストロゲン産生臓器である卵巣への直接作用、更に血中SHBG(性ホルモン結合グロブリン)との結合による遊離テストステロンの増加等により、乳腺細胞の増殖を抑制する。
18.2 抗ゴナドトロピン作用
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18.2.1健康成人女性にダナゾールを200mg/日投与すると、血中FSH、LHのmid-cycle surgeを抑制した8)。
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18.2.2一側性卵巣摘除ラットを用いた実験で、ダナゾールは代償性の卵巣肥大を抑制し、腟発情日数を減少させた9)。
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18.2.3幼若去勢ラットを用いたin vivo実験で、ダナゾールは去勢による血中FSH、LHの上昇を有意に(p<0.01)抑制した10)。
18.3 卵巣におけるステロイドホルモン産生酵素活性抑制作用
ヒト黄体及びハムスター卵巣のミクロソーム分画を用いたin vitro実験で、ダナゾールは17α-hydroxylase、17,20-lyase、3β-hydroxysteroid dehydrogenaseを抑制した。また、aromataseは阻害しなかった11),12)。
18.4 ステロイドレセプターとの相互作用
ヒト子宮内膜を用いたin vitro実験で、ダナゾールはアンドロゲンレセプター及びプロゲステロンレセプターに結合することが認められた13)。
18.5 子宮内膜への直接作用
ヒト子宮内膜細胞培養系を用いたin vitro実験で、ダナゾールは3H-thymidine取込みでみたDNA合成を抑制した14)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人女性6例にダナゾールを1回100mgあるいは200mg経口投与したところ、血漿中濃度は、それぞれ投与後2.5±0.5及び2.7±0.8時間で最高に達し、その後緩やかに減少した1)。(カプセル剤の成績)
- 16.1.2反復投与
健康成人女性9例にダナゾールを1回100mgあるいは200mgを1日2回、14日間経口投与したところ、投与量と血漿中濃度には相関がみられ、7~14日でほぼ定常状態に達した2)(外国人でのデータ)。(カプセル剤の成績)
16.2 吸収
本剤の吸収部位は消化管である。
16.3 分布
雌性ラットに14C-ダナゾール10mg/kgを単回経口投与したとき、大脳、下垂体、肝臓、腎臓、副腎及び子宮等ほとんどの組織で1.5時間後に最高濃度を示し、肝臓及び副腎で高濃度であった。以後、血中濃度に対応して減少した3)。
16.4 代謝
本剤の主な代謝は肝臓で行われている。
16.5 排泄
雌性ラットに14C-ダナゾール10mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間の尿、糞及び呼気中の排泄率はそれぞれ投与量の17.8%、81.3%及び0.6%であった3)。