Clinical snapshot

ボンアルファ軟膏2μg/g

タカルシトール水和物

添付文書改訂 2024年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

乾癬、魚鱗癬、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹

用法・用量

通常1日2回適量を患部に塗布する。

使用上の注意

本剤は活性型ビタミンD3製剤であり、類薬(活性型ビタミンD3外用剤)との併用又は大量投与により血清カルシウム値が上昇する可能性がある。また、高カルシウム血症に伴い、腎機能が低下する可能性があるので、類薬との併用又は大量投与に際しては、血清カルシウムや尿中カルシウム及び腎機能(クレアチニン、BUN等)に注意し、観察を十分に行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

使用が過度にならないよう注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビタミンD及びその誘導体
• アルファカルシドール
• カルシトリオール
• カルシポトリオール
• マキサカルシトール等
血清カルシウム値が上昇する可能性がある。その場合には直ちに本剤及び併用薬の使用を中止し、経過を観察すること。 相加作用

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 1〜5%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
LDH上昇 1〜5%未満
そう痒 1〜5%未満
ヒリヒリ感 1〜5%未満
刺激感 1〜5%未満
尿たん白陽性 1〜5%未満
接触皮膚炎 1〜5%未満
発赤 1〜5%未満
白血球の増多 1〜5%未満
腫脹 1%未満
血清リンの低下 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

表皮細胞の1α,25-(OH)2D3に特異的なたん白受容体(レセプター)を介し、表皮細胞に対する増殖抑制作用・分化誘導作用により効果を発揮する。

18.2 表皮細胞に対する増殖抑制作用

マウス培養表皮細胞及び正常あるいは乾癬病巣部由来のヒト培養表皮細胞において、タカルシトールはDNA合成及び細胞増殖を抑制した18),19)。 TPA(12-O-テトラデカノイルフォルボール-13-アセテート)塗布により細胞増殖を刺激したヘアレスマウスの表皮において、タカルシトールは細胞増殖の指標であるオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)活性を抑制した。なお、ODC活性の抑制効果において軟膏とクリーム及び軟膏とローションは同等であった20),21)。 また、乾癬患者に軟膏を4週間塗布することにより、DNA合成及び細胞分裂が抑制され、S期細胞が減少し表皮細胞の増殖が抑制された22)。

18.3 表皮細胞に対する分化誘導作用

マウス培養表皮細胞において、タカルシトールは細胞内不溶性膜(コーニファイドエンベロウプ)の形成を促進し、トランスグルタミナーゼ(TGase)活性を上昇させた18)。 ヘアレスマウスの表皮において、TGase活性を上昇させた。なお、TGase活性の上昇作用において、軟膏とクリーム及び軟膏とローションは同等であった20),21)。 正常ヒト培養表皮細胞において、タカルシトールは細胞内不溶性膜の前駆たん白質インボルクリンの合成を促進した23)。 また、乾癬患者に軟膏を塗布後の病巣部皮膚の電子顕微鏡所見において、角質層のケラチンパターンの形成及びケラトヒヤリンを有する顆粒層の形成など正常な角化傾向が認められた24)。

18.4 表皮細胞の1α,25-(OH)2D3に特異的なたん白受容体(レセプター)に対する親和性

マウス及び正常ヒト表皮細胞中のレセプターに対して、タカルシトールは強い親和性を示した18),19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  • 〈軟膏〉

健康成人男子及び乾癬患者に、軟膏をタカルシトールとして20μg~80μg単回あるいは40μg~80μg/日を7日間経皮投与したとき、健康成人男子における未変化体の血清中濃度は、12例中3例で26~33pg/mLを示し、乾癬患者(n=17)においては、全例検出限界(25pg/mL)以下であった1),2)。

  • 〈クリーム〉

健康成人男子に、クリームをタカルシトールとして40μg単回(n=3)又は1日2回(n=3)、あるいは80μg/日を7日間(n=5)経皮投与したとき、未変化体の血清中濃度はすべて検出限界(25pg/mL)以下であった3)。

  • 〈ローション〉

健康成人男子に、ローションをタカルシトールとして40μg単回(n=6)、あるいは80μg/日を5日間(n=6)経皮投与したとき、未変化体の血清中濃度はすべて定量限界(15pg/mL)未満であった4)。

16.2 吸収

  • 〈軟膏、クリーム〉

ヘアレスマウスに主薬を3H標識した軟膏及びクリームを経皮投与(24時間塗布)したとき、両剤の血漿中放射能濃度推移は同様であると考えられた。塗布後24時間以降の血漿中放射能濃度の見かけの半減期は、軟膏で1.34日、クリームで1.18日であった5)。

  • 〈軟膏、ローション〉

ヘアレスマウスに主薬を3H標識した軟膏及びローションを経皮投与(24時間塗布)したとき、ローション塗布群の血漿中放射能濃度は軟膏塗布群に比して低い傾向を示した。塗布後2日以降の見かけの半減期は軟膏で1.20日、ローションで1.46日であった6)。

16.3 分布

ラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、投与部位の皮膚中に未変化体が高濃度に認められた。また、肝臓、小腸組織に比較的高い放射能濃度が認められた7)。

16.4 代謝

ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与、又はラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、血漿中には未変化体及び代謝物1α,24(R),25-(OH)3D3が認められた7),8),9)。

16.5 排泄

ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与したとき、それぞれ10日及び11日までに約15%は尿中に、約80%は糞中に排泄された8),9)。 また、ラットに主薬を3H標識した軟膏を単回(24時間塗布)及び7日間反復経皮投与したとき、それぞれ単回塗布後11日及び最終塗布終了後6日までの尿糞中への排泄は約30%であり、皮下投与と同様に糞中排泄が主であった7)。