- 〈適応菌種〉
アモキシシリン、クラリスロマイシンに感性のヘリコバクター・ピロリ
- 〈適応症〉
*胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・免疫性血小板減少症・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
ボノプラザンフマル酸アモキシシリン水和物クラリスロマイシン
2.1本製品に包装されている各製剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
*2.2アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩、ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、スボレキサント、ダリドレキサント塩酸塩、ボルノレキサント水和物、ロミタピドメシル酸塩、タダラフィル〔アドシルカ〕、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、イブルチニブ、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期)、ルラシドン塩酸塩、アナモレリン塩酸塩、フィネレノン、イサブコナゾニウム硫酸塩、ボクロスポリン、マバカムテン、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロナファルニブを投与中の患者
2.3肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者
2.4伝染性単核症のある患者[アモキシシリン水和物で紅斑性丘疹の発現頻度が高いとの報告がある。]
2.5高度の腎障害のある患者
アモキシシリン、クラリスロマイシンに感性のヘリコバクター・ピロリ
*胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・免疫性血小板減少症・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
通常、成人にはボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
8.2ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群、薬剤により誘発される胃腸炎症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前に当該事象の既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.3急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
8.4顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
9.1.1ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、アモキシシリン水和物に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
9.1.4他のマクロライド系薬剤に対する過敏症の既往歴のある患者
9.1.5心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動を起こすことがある。
ボノプラザンの排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。また、クラリスロマイシンの血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。クラリスロマイシンとの併用によるコルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。
投与しないこと。アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できない。
ボノプラザンの代謝、排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。また、クラリスロマイシンにより肝機能障害を悪化させることがある。
投与しないこと。クラリスロマイシンとの併用によるコルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に肝機能、腎機能等の生理機能が低下している。アモキシシリン水和物による副作用が発現しやすく、クラリスロマイシンの高い血中濃度が持続するおそれがある。また、アモキシシリン水和物によるビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝される。また、ボノプラザンは弱いCYP3A4阻害作用を有する。 ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制する可能性がある。
主としてCYP3Aにより代謝され3)、CYP3A、P-糖蛋白質(P-gp)を阻害する4)。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ) | アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。 | ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある。 |
| リルピビリン塩酸塩(エジュラント) | リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 | ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ピモジド5) | QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の心血管系副作用が報告されている。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン • 〔クリアミン〕ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 |
血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| スボレキサント • 〔ベルソムラ〕ダリドレキサント塩酸塩 • 〔クービビック〕ボルノレキサント水和物 • 〔ボルズィ〕 |
左記薬剤の血漿中濃度が顕著に上昇し、その作用が著しく増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ロミタピドメシル酸塩 • 〔ジャクスタピッド〕 |
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| タダラフィル • 〔アドシルカ〕**マシテンタン・タダラフィル • 〔ユバンシ〕 |
左記薬剤のクリアランスが高度に減少し、その作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| チカグレロル • 〔ブリリンタ〕 |
チカグレロルの血漿中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イブルチニブ • 〔イムブルビカ〕 |
イブルチニブの作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イバブラジン塩酸塩 • 〔コララン〕 |
過度の徐脈があらわれることがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ***ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期) • 〔ベネクレクスタ〕 |
腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ルラシドン塩酸塩 • 〔ラツーダ〕 |
ルラシドンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| アナモレリン塩酸塩 • 〔エドルミズ〕 |
アナモレリンの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| フィネレノン • 〔ケレンディア〕 |
フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イサブコナゾニウム硫酸塩 • 〔クレセンバ〕 |
イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| *ボクロスポリン • 〔ルプキネス〕 |
ボクロスポリンの血中濃度が上昇し、その作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| *マバカムテン • 〔カムザイオス〕 |
マバカムテンの血中濃度が上昇し、副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| アゼルニジピン • 〔カルブロック〕オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン • 〔レザルタス〕 |
アゼルニジピンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3A に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| **ロナファルニブ • 〔ゾキンヴィ〕 |
ロナファルニブの血中濃度が著しく上昇し、副作用が増強するおそれがある。 | クラリスロマイシンのCYP3A に対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3A4阻害剤 • クラリスロマイシン等 |
ボノプラザンの血中濃度が上昇する可能性がある。 | クラリスロマイシンとの併用によりボノプラザンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 |
| ジゴキシン メチルジゴキシン |
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 | ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イトラコナゾール チロシンキナーゼ阻害剤 • ゲフィチニブ ニロチニブ エルロチニブネルフィナビルメシル酸塩 |
左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。 | ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| CYP3A4で代謝される薬剤 • ミダゾラム等 |
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 | ボノプラザンのCYP3A4に対する弱い阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| 強い又は中程度のCYP3A4誘導剤 • リファンピシン • エファビレンツ等 |
ボノプラザンの血中濃度が低下する可能性がある。 | 左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、ボノプラザンの代謝が促進される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ワルファリンカリウム | ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。 | 腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。 |
| 経口避妊薬 | 経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。 | 腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。 |
| プロベネシド | アモキシシリン水和物の血中濃度を増加させる。 | アモキシシリン水和物の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。 |
| *メトトレキサート | メトトレキサートの副作用を増強させるおそれがある。 | メトトレキサートの尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジゴキシン | 嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。 | クラリスロマイシンの腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-gpを介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。 |
| スルホニル尿素系血糖降下剤 • グリベンクラミド グリクラジド グリメピリド等 |
低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。 | 機序は不明である。左記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| カルバマゼピン テオフィリン6),7) アミノフィリン水和物 シクロスポリン タクロリムス水和物 エベロリムス |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、左記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| アトルバスタチンカルシウム水和物8) シンバスタチン8) ロバスタチン(国内未承認) |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 腎機能障害のある患者には特に注意すること。 |
クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| コルヒチン |
コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| ベンゾジアゼピン系薬剤 • CYP3Aで代謝される薬剤• トリアゾラム9)、ミダゾラム10)等非定型抗精神病薬 • CYP3Aで代謝される薬剤• クエチアピンフマル酸塩 アリピプラゾール ブロナンセリン等ジソピラミド トルバプタン エプレレノン エレトリプタン臭化水素酸塩 カルシウム拮抗剤 • アゼルニジピンを除くCYP3Aで代謝される薬剤• ニフェジピン、ベラパミル塩酸塩等リオシグアト ジエノゲスト ホスホジエステラーゼ5阻害剤 • シルデナフィルクエン酸塩11)、タダラフィル〔シアリス、ザルティア〕等クマリン系抗凝血剤 • ワルファリンカリウム等ドセタキセル水和物 アベマシクリブ12) オキシコドン塩酸塩水和物13) フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩 |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 なお、トルバプタンにおいては、クラリスロマイシンとの併用は避けることが望ましいとされており、やむを得ず併用する場合においては、トルバプタンの用量調節を特に考慮すること。 |
クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| ***ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の維持投与期、急性骨髄性白血病) | ベネトクラクスの副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| 抗凝固剤 • CYP3Aで代謝され、P-gpで排出される薬剤• アピキサバン、リバーロキサバン |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | クラリスロマイシンのCYP3A及びP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝及び排出が阻害される。 |
| 抗凝固剤 • P-gpで排出される薬剤• ダビガトランエテキシラート、エドキサバントシル酸塩水和物 |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | クラリスロマイシンのP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の排出が阻害される。 |
| イトラコナゾール14) HIVプロテアーゼ阻害剤 • リトナビル15) ロピナビル・リトナビル ダルナビル エタノール付加物等 |
クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。 また、イトラコナゾールの併用においては、イトラコナゾールの血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 |
クラリスロマイシンと左記薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。 |
| リファブチン16) エトラビリン17) |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。 また、クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、クラリスロマイシンの作用が減弱する可能性がある。 異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 |
クラリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。また、左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、クラリスロマイシンの代謝が促進される。 |
| リファンピシン18) エファビレンツ ネビラピン |
クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。クラリスロマイシンの作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、クラリスロマイシンの代謝が促進される。 |
| 天然ケイ酸アルミニウム19) | クラリスロマイシンの吸収が低下するとの報告がある。 | 左記薬剤の吸着作用によるものと考えられる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALTの上昇 | 1〜5%未満 |
| AST | 1〜5%未満 |
| 下痢(10.6%) | 5%以上 |
| 口内炎 | 1〜5%未満 |
| 味覚異常 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 腹部不快感 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満感 | 1〜5%未満 |
アモキシシリン水和物は細菌の細胞壁合成を阻害することにより効果を発揮し、また、クラリスロマイシンは細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し蛋白合成を阻害することにより効果を発揮する30),31)。 ボノプラザンは酸による活性化を必要とせず、可逆的でカリウムイオンに競合的な様式でH+, K+-ATPaseを阻害する。ボノプラザンは塩基性が強く胃壁細胞の酸生成部位に長時間残存して胃酸生成を抑制する。ボノプラザンは抗ヘリコバクター・ピロリ活性及びヘリコバクター・ピロリウレアーゼ阻害活性は示さない32)。アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンとの3剤療法におけるボノプラザンの役割は胃内pHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの抗菌活性を高めることにあると考えられる。
18.2.1抗菌作用
(1)アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンはヘリコバクター・ピロリに対し殺菌的な抗菌作用を示す。
(2)クラリスロマイシンの抗菌力はpHの影響を受け、酸性では中性に比べて減弱する。一方、アモキシシリン水和物はクラリスロマイシンと比べてpHの影響は少ない。
(3)アモキシシリン水和物とクラリスロマイシンとの併用における抗菌力には、相乗又は相加作用が認められ、いずれの菌株においても拮抗作用は認められていない。
健康成人男子を対象にボノプラザンとして20mg、アモキシシリン水和物として750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして400mg(力価)を1日2回朝食後及び夕食後に7日間投与(投与最終日は朝食後1回)した時、投与7日目の薬物動態学的パラメータは下表のとおりである21)。
| Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | AUC0-12(ng・h/mL) | T1/2(h) |
|---|---|---|---|
| 70.2±17.3 | 3.0(1.0,4.0) | 538.8±134.1 | 9.8±1.8 |
n=11、平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値、最大値)
| Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-12(μg・h/mL) | T1/2(h) |
|---|---|---|---|
| 10.1±2.3 | 3.0(2.0,4.0) | 34.9±5.7 | 1.3±0.1 |
n=11、平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値、最大値)
| Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-12(μg・h/mL) | T1/2(h) | |
|---|---|---|---|---|
| 未変化体 | 2.9±0.9 | 2.0(1.0,6.0) | 18.3±4.9 | 4.6±0.5 |
| 代謝物 | 0.9±0.2 | 2.0(1.0,4.0) | 7.5±0.1 | 8.0±1.2 |
n=11、平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値、最大値)
16.6.1腎機能障害患者
(1)ボノプラザン単独投与時
腎機能正常者(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)、軽度(eGFR:60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR:30~59mL/min/1.73m2)及び高度腎機能障害者(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)、並びに末期腎不全(ESRD)(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)患者を対象にボノプラザンの薬物動態に及ぼす腎機能障害の影響を検討した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度腎機能障害者では腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3~2.4倍及び1.2~1.8倍高く、腎機能の低下に伴い増加し、また、ESRD患者におけるAUC(0-inf)及びCmaxは、腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3倍及び1.2倍高かった22)(外国人データ)。
腎機能正常者と種々な程度の腎機能障害者に200mg(力価)を空腹時単回経口投与したときのクラリスロマイシン(未変化体)の血中濃度パラメータは下表のとおりであった23)(測定法:Bioassay)。
| クレアチニンクリアランス(mL/min) | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) | AUC(μg・h/mL) |
|---|---|---|---|---|
| Ccr≒100(n=5) | 2.02 | 1.24 | 2.38 | 8.89 |
| Ccr≒50(n=5) | 2.15 | 1.89 | 5.74 | 21.69 |
| Ccr≒30(n=5) | 2.55 | 0.96 | 4.69 | 18.73 |
| Ccr≒5(n=5) | 3.54 | 1.48 | 6.13 | 36.89 |
16.6.2肝機能障害患者
(1)ボノプラザン単独投与時
肝機能正常者、並びに軽度(Child-Pugh分類スコアA)、中等度(Child-Pugh分類スコアB)及び高度肝機能障害者(Child-Pugh分類スコアC)を対象にボノプラザンの薬物動態に及ぼす肝機能障害の影響を検討した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度肝機能障害のある患者では肝機能正常者と比較してそれぞれ1.2~2.6倍及び1.2~1.8倍高かった24)(外国人データ)。
16.6.3高齢者
(1)クラリスロマイシン単独投与時
重篤な基礎疾患のない66~82歳(平均72.2歳)の女性3名に200mg(力価)を空腹時単回経口投与したときのクラリスロマイシン(未変化体)の血中濃度パラメータは下表のとおりであった25)(測定法:Bioassay)。
| Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) | AUC(μg・h/mL) | |
|---|---|---|---|---|
| n=3 | 3.72 | 2.3 | 4.2 | 19.20 |
外国健康成人男子を対象に1日目及び8日目にボノプラザンとして40mgを朝食30分後に単回投与し、3~9日目にクラリスロマイシンとして500mg(力価)を1日2回、朝夕食30分前に反復投与したとき、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してクラリスロマイシンとの併用投与時に1.6倍及び1.4倍増加した26)。
外国健康成人を対象に1日目及び9日目にミダゾラム2mgを単回経口投与し、2~10日目にボノプラザンとして20mgを1日2回反復経口投与した試験の結果、ミダゾラムのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してボノプラザンとの併用時にいずれも1.9倍増加する27)。
ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、リファンピシン600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは78~81%低下、Cmaxは71%又は72%低下することが推定された。ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、エファビレンツ600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは54%低下、Cmaxは44~46%低下することが推定された28)。