Clinical snapshot

ボナロン錠5mg

アレンドロン酸ナトリウム水和物

添付文書改訂 2023年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]

  2. 2.230分以上上体を起こしていることや立っていることのできない患者

  3. 2.3本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4低カルシウム血症の患者

効能・効果

骨粗鬆症

用法・用量

通常、成人にはアレンドロン酸として5mgを1日1回、毎朝起床時に水約180mLとともに経口投与する。 なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は咽喉頭、食道等の粘膜に対し局所刺激症状を引き起こすおそれがある。特に適切に服用しない患者では、食道、口腔内に重度の副作用が発現する可能性があるので、服用法について患者を十分指導し、理解させること。

  2. 8.2本剤の投与により、上部消化管に関する副作用が報告されているので、観察を十分に行い、副作用の徴候又は症状(嚥下困難、嚥下痛又は胸骨下痛の発現又は胸やけの発現・悪化等)に注意し、患者に対して、これらの症状があらわれた場合は、本剤の服用を中止して診察を受けるよう指導すること。

  3. 8.3患者には、食事等から十分なカルシウムを摂取させること。

  4. 8.4低カルシウム血症がある場合には、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。また、ビタミンD欠乏症又はビタミンD代謝異常のようなミネラル代謝障害がある場合には、あらかじめ治療を行うこと。

  5. 8.5ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。 また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。

  6. 8.6ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。

  7. 8.7*ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎、又は潰瘍等の上部消化管障害がある患者

上部消化管粘膜に対し、刺激作用を示すことがあるので基礎疾患を悪化させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者**

  2. (1)重篤な腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  3. (2)国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある1)。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 動物実験(ラット)でアレンドロン酸が乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等の骨粗鬆症を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルシウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤:
• カルシウム補給剤制酸剤
マグネシウム製剤等
本剤の服用後少なくとも30分経ってから服用すること。 本剤は多価の陽イオン(Ca、Mg等)とキレートを形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
CK上昇 1%未満
LDH上昇 1%未満
γ-GTP上昇等) 1〜5%未満
おくび 1%未満
かゆみ 1%未満
ぶどう膜炎 頻度不明
ヘモグロビン低下等) 1%未満
ほてり(顔面紅潮 頻度不明
上強膜炎 頻度不明
下痢 1%未満
下肢痛 1%未満
不眠(症) 1%未満
便秘 1%未満
倦怠(感) 1%未満
動悸 1%未満
口内乾燥 1%未満
口内炎 1%未満
味覚倒錯 1%未満
咽喉頭不快感 1%未満
咽喉頭痛 1%未満
嘔吐 1%未満
嘔気 1〜5%未満
嚥下困難 1%未満
回転性めまい 1%未満
強膜炎 頻度不明
排尿困難 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
歯肉腫脹 頻度不明
気分不良 1%未満
浮動性めまい 1%未満
消化不良 1%未満
湿疹 1%未満
熱感等) 頻度不明
異和感等) 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白血球数減少 1%未満
眼症状(かすみ 頻度不明
知覚減退 1%未満
筋痙攣 1%未満
筋肉痛注1) 1%未満
紅斑 頻度不明
総コレステロール値上昇 1%未満
肝機能異常(AST上昇 1〜5%未満
胃不快感・胃重感・腹部不快感 1〜5%未満
胃炎 1%未満
胃痛・心窩部痛 1〜5%未満
胃酸逆流 1%未満
背(部)痛注1) 1%未満
胸痛 1%未満
脱力(感) 1%未満
脱毛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 1%未満
血小板数減少 1%未満
血清アルブミン低下 1%未満
血清カリウム上昇 1%未満
血清リン低下 1%未満
血管浮腫 頻度不明
貧血(赤血球数減少 1%未満
関節痛注1) 1%未満
頭痛 1%未満
頻尿 1%未満
顔面浮腫 1%未満
食欲不振 1%未満
骨痛注1) 1%未満
鼓腸放屁 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アレンドロン酸は骨のハイドロキシアパタイトに強い親和性を持ち、ラットでは破骨細胞が存在する骨表面に選択的に分布した。アレンドロン酸は破骨細胞に取り込まれた後その活性を抑制することにより、骨吸収を減少させる13),14)。

18.2 骨量減少に対する作用

動物種 方法 結果
卵巣摘出ラット15) アレンドロン酸として0.04~5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から2ヵ月間経口投与 卵巣摘出による骨量減少をアレンドロン酸として1mg/kg/日以上の投与量で骨石灰化に障害を与えずに抑制した。
卵巣摘出ラット アレンドロン酸として0.1、0.5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から12ヵ月間経口投与 アレンドロン酸として0.5mg/kg/日の1年間の経口投与により、卵巣摘出による腰椎の骨量の減少を抑制し、卵巣非摘出ラットと同様の骨強度を維持した。
卵巣摘出ヒヒ16) アレンドロン酸として0.04、0.19mg/kgを、卵巣摘出後2週に1回、2年間静脈内投与 アレンドロン酸として0.04mg/kg以上で骨代謝回転亢進が卵巣非摘出群レベルまで抑制されることが、生化学的マーカー及び骨形態により示された。また、海綿骨量を骨石灰化を障害せずに増加させ、皮質骨の粗鬆性の亢進を防止した。腰椎の海綿骨の強度はアレンドロン酸ナトリウム水和物投与により増加し、骨量と骨強度には正の相関が認められた。

18.3 骨石灰化に対する影響

アレンドロン酸ナトリウム水和物は、上記の骨量減少モデルにおいて1年以上の投与(ラット: 1年、ヒヒ: 2年)を行ったとき、骨量減少を抑制する投与量では骨石灰化障害を示唆する結果が得られていない16)。成長過程のラット(Schenk評価系)において、骨吸収を抑制する投与量は骨石灰化を障害する投与量の約1/6000であり、広い安全域が示されている。

18.4 骨強度、骨折治癒過程に対する影響

動物種 方法 結果
正常イヌ17),18) アレンドロン酸として0.25~1mg/kgを1日1回、3年間経口投与 正常イヌに臨床用量の約10倍量に相当するアレンドロン酸ナトリウム水和物を3年間経口投与したところ、骨強度に対する影響、微小骨折、骨軟化症を示す所見は認められなかった。
骨折イヌ19) アレンドロン酸として2mg/kgを1日1回、骨折前9週間、骨折後16週間経口投与 臨床用量の約20倍量に相当する投与によっても、骨折修復部位の骨強度に変化は認められず、骨折の治癒過程に対し影響を与えないことが示された。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5~6)の血清中アレンドロン酸濃度は、5及び10mg投与群では全例で定量限界(11.5ng/mL)未満であった。20mgでは6例中2例(13.1、18.3ng/mL)で、40mgでは6例中4例(13.8~79.3ng/mL)で投与2時間後にわずかに検出された2)。

  2. 16.1.2健康成人男子(n=6)に、アレンドロン酸として20mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に1日1回7日間反復経口投与したとき、血清中アレンドロン酸濃度は6例中の1例で投与4日目(27.0ng/mL)と7日目(19.0ng/mL)に、別の1例で7日目(11.7ng/mL)に、それぞれわずかに検出された他、すべて定量限界(11.5ng/mL)未満であった2)。

16.2 吸収

経口投与後のアレンドロン酸は血清中濃度が低く、薬物吸収の評価ができないため、唯一の消失経路である尿中排泄を吸収の指標とした。 生物学的利用率の幾何平均値は、非高齢者及び高齢者でそれぞれ2.49%及び2.83%であった3)。

16.4 代謝

アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5~6)の投与後48時間までの尿中排泄率は0.65~1.41%(幾何平均値)であり、投与量による有意な差は認められなかった。そのほとんどは投与後6時間までに排泄された。

  2. 16.5.2非高齢女性(閉経後60歳未満、n=8)及び高齢女性(閉経後65歳以上、n=8)に2期クロスオーバー法でアレンドロン酸ナトリウム水和物を経口(アレンドロン酸として5mg)及び静脈内点滴(アレンドロン酸として0.1mg)投与し、投与後48時間までの尿中排泄量を測定したとき、下記の結果が得られている3)。

対象 尿中排泄率注2)(%)
静脈内投与 経口投与
非高齢者 44.7 1.11
高齢者 44.1 1.25

注2)幾何平均

  1. 16.5.3海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、単回経口投与(朝食の2、1、0.5時間前、直後及び2時間後の5期クロスオーバー法)したとき(n=49)の投与後36時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、朝食2、1及び0.5時間前の投与ではそれぞれ12.68μg、8.88μg及び6.78μgであり、朝食2時間前に投与した場合が最も多かった。一方、朝食直後及び2時間後の投与では多くが定量限界(1ng/mL)未満であった。

  2. 16.5.4海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、水、コーヒー又はオレンジジュースと同時に単回経口投与(3期クロスオーバー法)したとき(n=40)の投与後24時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、水(19.20μg)を同時に摂取した場合と比べ、コーヒー(7.43μg)、オレンジジュース(6.77μg)では約60%減少した4)。

(注)本剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として1日1回5mgである。