Clinical snapshot

ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」

ボグリボース口腔内崩壊錠

添付文書改訂 2025年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

  2. 2.2重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

  3. 2.3本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 〈ボグリボースOD錠0.2mg、0.3mg「ケミファ」〉

  • 糖尿病の食後過血糖の改善 (ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)

  • 〈ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」〉

  • 耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(OD錠0.2mgのみ) (ただし、食事療法・運動療法を十分に行っても改善されない場合に限る)

用法・用量

  • 〈糖尿病の食後過血糖の改善〉

通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。

  • 〈耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(OD錠0.2mgのみ)〉

通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤は低血糖症状を起こすことがあるので、糖尿病患者又は耐糖能異常を有する者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。

  2. 8.2高所作業、自動車の運転等に従事している糖尿病患者又は耐糖能異常を有する者に投与するときには注意すること。

  • 〈糖尿病の食後過血糖の改善〉
  1. 8.3本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2~3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。 なお、食後血糖の十分なコントロール(静脈血漿で食後血糖2時間値が160mg/dL以下)が得られ、食事療法・運動療法又はこれらに加えて経口血糖降下剤若しくはインスリンを使用するのみで十分と判断される場合には、本剤の投与を中止して経過観察を行うこと。
  • 〈耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(OD錠0.2mgのみ)〉
  1. 8.4本剤の投与開始後は、1~3ヵ月毎を目安に空腹時血糖、随時血糖、HbA1c等の糖代謝関連検査及び体重測定を実施するとともに、6~12ヵ月毎を目安に75g経口ブドウ糖負荷試験を実施して十分に経過観察し、常に投与継続の必要性に留意すること。 また、血糖高値(空腹時血糖、75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値)や糖負荷後初期インスリン分泌低下等を有する場合には、糖尿病発症リスクが高くなるとの報告があるので、十分な観察を行うこと。なお、2型糖尿病と診断された場合には、適切と考えられる治療への変更を考慮すること。また、本剤投与開始後に耐糖能異常が改善し、食事療法・運動療法のみで十分と判断される場合には、本剤の投与を中止して糖代謝関連検査等による経過観察を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者

腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現しやすい。

  1. 9.1.2消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の患者

本剤の作用により病態が悪化することがある。

  1. 9.1.3ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等の患者

腸内ガス等の増加により症状が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害のある患者

代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。また、重篤な肝硬変例で、高アンモニア血症が増悪し意識障害を伴うことがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で、母動物の糖質吸収の抑制に起因する乳汁産生の抑制によると考えられる出生児の体重の増加抑制が認められている1),2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に高齢者では生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬
• スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系薬剤
ビグアナイド系薬剤
インスリン製剤
インスリン抵抗性改善剤
インスリン及びスルホニルウレア系薬剤と併用した際に、低血糖発現の報告があるので、左記薬剤との併用時には、低血糖発現の可能性を考慮し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。 左記糖尿病用薬の血糖降下作用に本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強又は減弱する薬剤を併用している場合
• 糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤• β-遮断剤
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
フィブラート系の高脂血症治療剤
ワルファリン等
• 糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤• アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン等
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。 左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が増強又は減弱されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
HDLコレステロール低下 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
しびれ 1〜5%未満
そう痒 1%未満
ふらつき 1%未満
ほてり 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 5%以上
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
光線過敏症 1%未満
口内炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
放屁 5%以上
発汗 1〜5%未満
発疹 1%未満
眠気 1%未満
眼のかすみ 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
脱毛 1〜5%未満
腸管嚢胞様気腫症 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 5%以上
腹鳴 1〜5%未満
血小板減少 1%未満
血清アミラーゼ上昇 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
軟便 1〜5%未満
頭痛 1%未満
顆粒球減少 頻度不明
顔面等の浮腫 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満
高カリウム血症 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1本剤は、腸管において二糖類から単糖への分解を担う二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害し、糖質の消化・吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善する23),24),25),26),27),28),29),30)。

  2. 18.1.2ブタ小腸由来マルターゼとスクラーゼに対してアカルボースよりそれぞれ約20倍及び30倍強い阻害作用を示し、ラット小腸由来マルターゼ及びスクラーゼ阻害活性はそれぞれアカルボースの約270倍及び190倍である(in vitro)。一方ブタ及びラット膵α-アミラーゼに対する阻害作用はアカルボースの約1/3,000であり、β-グルコシダーゼに対しては阻害活性を示さない23)(in vitro)。

  3. 18.1.3ラット小腸由来のスクラーゼ-イソマルターゼの複合体の二糖類水解酵素に対する阻害様式は競合拮抗的である23)(in vitro)。

18.2 血糖上昇抑制作用

  1. 18.2.1正常ラットに経口投与した場合、でん粉、マルトース及びスクロース負荷後の血糖上昇を抑制するが、グルコース、フルクトース及びラクトース負荷後の血糖上昇に対しては無効である23)(in vivo)。

  2. 18.2.2健康成人にスクロース負荷を行い呼気水素ガスを測定したところ、本剤の臨床用量における血糖上昇抑制作用は二糖類の部分的な分解抑制に基づく糖質の軽度な吸収阻害と、その結果としての吸収遅延によるものと推定される24)。

18.3 生物学的同等性試験

  • 〈ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」:水なし投与〉

ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」とベイスンOD錠0.2を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボグリボースとして0.2mg)健康成人男性に毎食直前に水なしで3回連続投与後、3回目のみショ糖75g(水200mLに溶解)を負荷し、血清中グルコース濃度を測定し、得られたパラメータ(AUC)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された31)。

判定パラメータ
AUC0→120
(mg・min/dL)
プラセボ 13821±1559
ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」 12602±1121
ベイスンOD錠0.2 12794±787

(Mean±S.D., n=9)

  • 〈ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」:水あり投与〉

ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」とベイスンOD錠0.2を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボグリボースとして0.2mg)健康成人男性に毎食直前に水150mLとともに3回連続投与後、3回目のみショ糖75g(水200mLに溶解)を負荷し、血清中グルコース濃度を測定し、得られたパラメータ(AUC)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された31)。

判定パラメータ
AUC0→120
(mg・min/dL)
プラセボ 13783±1661
ボグリボースOD錠0.2mg「ケミファ」 12057±1092
ベイスンOD錠0.2 12053±604

(Mean±S.D., n=10)

  • 〈ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」:水なし投与〉

ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」とベイスンOD錠0.3を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボグリボースとして0.3mg)健康成人男性に毎食直前に水なしで3回連続投与後、3回目のみショ糖75g(水200mLに溶解)を負荷し、血清中グルコース濃度を測定し、得られたパラメータ(AUC)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された31)。

判定パラメータ
AUC0→120
(mg・min/dL)
プラセボ 13785±1688
ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」 11542±795
ベイスンOD錠0.3 11821±1059

(Mean±S.D., n=10)

  • 〈ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」:水あり投与〉

ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」とベイスンOD錠0.3を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボグリボースとして0.3mg)健康成人男性に毎食直前に水150mLとともに3回連続投与後、3回目のみショ糖75g(水200mLに溶解)を負荷し、血清中グルコース濃度を測定し、得られたパラメータ(AUC)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された31)。

判定パラメータ
AUC0→120
(mg・min/dL)
プラセボ 13703±1556
ボグリボースOD錠0.3mg「ケミファ」 11901±887
ベイスンOD錠0.3 12118±1651

(Mean±S.D., n=10)

被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって、パラメータは異なる可能性がある。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子(10名)に2mg注)を単回投与した場合、血漿中にボグリボースは検出されない3)。

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男子(6名)にボグリボース錠を1回0.2mg1日3回、7日間反復投与した場合、血漿中にボグリボースは検出されない3)。

16.3 分布

ラットに[14C]ボグリボース1mg/kg単回投与した試験で胎児及び乳汁中への移行が認められている4)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人男子(6名)に1回0.2mg1日3回、7日間反復投与した場合、尿中にボグリボースは検出されない3)。

  2. 16.5.2ラットに[14C]ボグリボース1mg/kg単回投与した試験で尿、糞への排泄率はそれぞれ約5%、98%である4)。

注)承認されている本剤の用法及び用量は「1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。糖尿病の食後過血糖の改善では1回量を0.3mgまで増量することができる。」である。