Clinical snapshot

ペルマックス錠250μg

ペルゴリドメシル酸塩

添付文書改訂 2021年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1麦角製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

パーキンソン病

用法・用量

本剤は通常、L-dopa製剤と併用する。 通常、ペルゴリドとして1日1回50μgを夕食直後2日間投与する。以後、2ないし3日ごと、1日用量として50μgずつ増量し、第1週末には1日用量として150μgを投与する。 第2週目は1日用量として300μgより開始し、2ないし3日ごと1日用量として150μgずつ増量する。第2週末には1日用量として600μgを投与する。1日用量100μgの場合は朝食及び夕食直後に、1日用量150μg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。 第3週目は1日用量750μgより開始し、以後有効性及び安全性を考慮しつつ増量し、維持量(標準1日750〜1250μg)を定める。 なお、上に定める投与量増量速度は随伴症状、年齢等により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1非麦角製剤と比較して、本剤を含む麦角製剤投与中の心臓弁膜症、線維症の報告が多いので、パーキンソン病に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与を開始するとともに、投与継続中はリスクとベネフィットを考慮すること。

  2. 8.2本剤の投与は、少量から開始し、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。

  3. 8.3本剤の長期投与において心臓弁膜症があらわれることがあるので、投与前・投与中に以下の検査を行い、十分な観察を行うこと。なお、投与中止により改善がみられたとの報告例もある。

  • 本剤投与開始に際しては、聴診等の身体所見の観察、心エコー検査により潜在する心臓弁膜症の有無を確認すること。

  • 本剤投与中は、投与開始後3〜6ヵ月以内に、それ以降は少なくとも6〜12ヵ月ごとに心エコー検査を行うこと。また、十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、CT等)を定期的に行うこと。

  1. 8.4線維症があらわれることがあるので、本剤投与中は十分な観察(身体所見、X線、心エコー、CT等)を適宜行うこと。

  2. 8.5間質性肺炎があらわれることがあるので、患者に対し、本剤の投与中に発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう指導すること。

  3. 8.6体位性ないし持続性の低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行い、慎重に投与すること。

  4. 8.7前兆のない突発的睡眠、傾眠がみられることがあるので、自動車の運転、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意すること。

  5. 8.8レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

  6. 8.9本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)があらわれることがある。

  7. 8.10中止する際には漸減すること。本剤を長期にわたり服用している患者で、投与を突然中止すると幻覚を誘発するおそれがある。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1精神病又はその既往のある患者

ドパミン受容体作動性のため統合失調症の症状である幻覚、妄想等を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.2不整脈又はその既往のある患者

心房性期外収縮、洞性頻脈発症例の増加が報告されている。

  1. 9.1.3胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心膜滲出液、後腹膜線維症又はその既往のある患者

特に、麦角製剤投与中にこれらの疾患・症状を発現したことのある患者では、これらを悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.4レイノー病の患者

末梢血管障害を悪化させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎障害又はその既往歴のある患者

腎障害等の症状が悪化することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害又はその既往歴のある患者

国内臨床試験では除外されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。外国で本剤の投与を受けた女性の一部が妊娠し、33妊娠例で健児を出産したが、6妊娠例では先天異常(重度3例、軽度3例)が認められたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁移行の有無は不明であるが、薬理作用より乳汁分泌を抑制する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤 血圧低下がみられることがある。 本剤は降圧作用を有するため、血圧降下剤の作用を増強する可能性が考えられる1)。
ドパミン拮抗剤
• (フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド等)
本剤の作用が減弱することがある。 本剤はドパミン作動薬である。
蛋白結合に影響することが判明している薬剤 本剤の作用が増強することがある。 本剤は90%以上が血漿蛋白と結合するため、非結合型の血中濃度が上昇する可能性がある2)。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
BUN上昇 頻度不明
CK上昇 頻度不明
LDH 1〜5%未満
γ-GTP 1〜5%未満
うつ 頻度不明
うつ状態 1〜5%未満
クレアチニン上昇 頻度不明
ジスキネジア 5%以上
ジストニア 1〜5%未満
しゃっくり 頻度不明
すくみ足 1〜5%未満
ビリルビン) 1〜5%未満
めまい・ふらつき 5%以上
レイノー現象 頻度不明
下痢等 1〜5%未満
不安 頻度不明
不安・興奮・焦燥感 5%以上
不整脈 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
傾眠・ねむけ 1〜5%未満
全身けん怠感 1〜5%未満
前胸部圧迫感 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
口内炎・口中のあれ 1〜5%未満
口内異和感 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
味覚障害 1〜5%未満
呼吸困難感・息切れ 1〜5%未満
嘔吐 5%以上
嚥下性肺炎 頻度不明
四肢のしびれ 1〜5%未満
夜間驚愕・夜間発声 1〜5%未満
尿失禁 1%未満
尿潜血 1〜5%未満
尿蛋白 1〜5%未満
尿閉 1%未満
強剛 頻度不明
徐脈 1〜5%未満
徘徊 1〜5%未満
性欲亢進等の精神症状 1〜5%未満
悪心 5%以上
振戦 1〜5%未満
排尿障害 1〜5%未満
摂食異常 1〜5%未満
月経停止 1〜5%未満
浮腫 1〜5%未満
消化性潰瘍 1%未満
無動 1〜5%未満
熱感 1〜5%未満
疲労感 頻度不明
疼痛 頻度不明
疼痛など)a) 頻度不明
発汗 頻度不明
発汗・冷汗 1〜5%未満
発熱 頻度不明
発疹 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
眼瞼痙攣 1〜5%未満
硬直感等の神経症状 1〜5%未満
立ちくらみ・起立性低血圧 1〜5%未満
紅斑等 1〜5%未満
紅痛症(四肢の熱感・発赤・痛みを伴う腫れ) 頻度不明
耳痛 1〜5%未満
肝機能異常(AST 1〜5%未満
胃痛・心窩部痛 1〜5%未満
胃部不快感・胸やけ 5%以上
脱力感 1〜5%未満
脱毛 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
薬剤離脱症候群(無感情 頻度不明
血圧上昇 1〜5%未満
血圧低下 1〜5%未満
視覚異常 1%未満
貧血 1〜5%未満
錯乱 1%未満
頭がボーッとする 1〜5%未満
頭痛・頭重感 1〜5%未満
食欲不振 5%以上
鼻閉 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1本剤は線条体におけるシナプス後ドパミン受容体を直接刺激することによりパーキンソン病に対する治療効果を発現すると考えられている7)。

  2. 18.1.2ウシ脳より抽出した脳線条体膜において、脳内ドパミンD1及びD2両受容体に親和性を有する7)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1常同行動の誘発作用

ラットにおいて用量依存的に常同行動の誘発作用を示した8)。

  1. 18.2.2回転運動の誘発作用

黒質線条体片側破壊ラット(Ungerstedtモデル)において強い持続性の反側回転運動の誘発運動を示した9)。 また、同処置ラットにおいてα-methyl-paratyrosineの前処置を行っても、本薬による反側回転運動は軽度しか抑制されなかった10)。

  1. 18.2.3抗振戦作用

腹内側被蓋野(VMT)を障害したサルにおいて生じる体位性振戦に対し、強い抗振戦作用を示した11)。

  1. 18.2.4自発運動量に及ぼす影響

ラットへの低用量投与では、総自発運動量を低下させ、高用量で運動促進作用を示した。

  1. 18.2.5黒質線条体ドパミン神経に及ぼす影響

ラットへの長期投与(2年間)により、黒質線条体ドパミン神経の加齢に伴う変性の防止作用を示した12)。

  1. 18.2.6ドパミン代謝回転率に及ぼす影響

ラットの脳内3,4-dihydroxyphenyl acetic acid(DOPAC)含量を減少させ、ドパミン代謝回転率を減少させたが、セロトニン、ノルアドレナリンの代謝に対する影響は弱かった13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

外国人健康成人男性3例に14C-ペルゴリドメシル酸塩138μgを単回経口投与したときの血漿中放射能濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。

健康成人男性に単回経口投与したときの血漿中放射能濃度推移(平均値、n=3)

投与量
(μg/人)
tmax
(h)
Cmax
(ng eq/mL)
t1/2,β
(h)
138 1〜3 1.8a) 15〜42

n=3 a)平均値

16.3 分布

  1. 16.3.1血液-胎盤関門通過性

妊娠12日目のラットに14C-ペルゴリドメシル酸塩2mg/kgを投与したときの胎児内の放射能濃度は、投与後2時間で最高濃度を示し、母体血漿中濃度の50%であった3)。

  1. 16.3.2乳汁への移行性

授乳期ラットに14C-ペルゴリドメシル酸塩2mg/kgを投与したときの乳汁中放射能濃度は、最高値でその時の血漿中濃度の14倍を示し、乳汁中移行性は高かった3)。

  1. 16.3.3血漿蛋白結合率

ヒト血漿蛋白結合率は97.1%であった。また、L-dopa存在下でのペルゴリドメシル酸塩のヒト血漿蛋白結合率は98.6±0.3%と変化は認められなかった3)(in vitro)。

16.5 排泄

外国人健康成人男性3例に14C-ペルゴリドメシル酸塩138μgを単回経口投与したときの放射能の排泄率は、尿中55%、糞中40%及び呼気5%であった2)。