Clinical snapshot

ベンザリン錠2

ニトラゼパム

添付文書改訂 2025年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  3. 2.3重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

  • 不眠症

  • 麻酔前投薬

  • 異型小発作群

  • 点頭てんかん、ミオクロヌス発作、失立発作等 焦点性発作 焦点性痙攣発作、精神運動発作、自律神経発作等

用法・用量

  • 〈不眠症〉

通常、成人にはニトラゼパムとして1回5~10mgを就寝前に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈麻酔前投薬〉

通常、成人にはニトラゼパムとして1回5~10mgを就寝前又は手術前に経口投与する。 なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。

  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉

通常、成人・小児ともニトラゼパムとして1日5~15mgを適宜分割投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、抗てんかん剤として用いる場合以外は、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。

  1. 9.1.2衰弱患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.3心障害のある患者

心障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれる。

  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉
  1. 9.1.5脳に老年性変化のある患者

作用が強くあらわれる。

9.2 腎機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.3 肝機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.5 妊婦

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  1. 9.5.1妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている1)。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

  4. 9.5.4ラットでの試験〔50、100、200mg/kg強制経口投与、妊娠8~14日(7日間)〕において、50mg/kg投与群で内臓変異(仮性水腎症等)の発現率の増加がみられ、100mg/kg投与群で外形異常(水頭症、小眼症、小耳症、尾の異常等)及び骨格異常(頸椎弓異常等)の発現率の増加がみられた。また、100及び200mg/kg投与群で胎児死亡率の増加がみられた2)。

9.6 授乳婦

*授乳を避けさせること。ヒト母乳中への移行が報告されている3),4)。新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

  • 〈不眠症、麻酔前投薬〉
  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉
  1. 9.7.2乳児、幼児又は小児では、気道分泌過多、嚥下障害(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。 共に中枢神経抑制作用を有する。
MAO阻害剤 中枢神経抑制作用が増強されることがあるので併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。 本剤の代謝が抑制される。
シメチジン 本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。 本剤の代謝が抑制される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感等 頻度不明
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢等 頻度不明
不安 頻度不明
不快感 頻度不明
不機嫌 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感等の筋緊張低下症状 頻度不明
傾眠注2) 頻度不明
口渇 頻度不明
嚥下障害注3) 頻度不明
多幸症等 頻度不明
夜尿・頻尿 頻度不明
大発作の回数増加注4) 頻度不明
徐脈傾向 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
歩行失調 頻度不明
気道分泌過多注3) 頻度不明
発熱等 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気・残眠感 頻度不明
興奮 頻度不明
見当識障害 頻度不明
覚醒遅延傾向注1) 頻度不明
軽度の血圧低下 頻度不明
頭痛・頭重感 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

脳内のベンゾジアゼピン受容体を介してGABA受容体機能を亢進させ神経抑制性に働き、不眠の原因となる外来刺激が視床下部や脳幹網様体を中心とする賦活系に流入し、更には脳全体に広がっていくのを抑制する8)。

18.2 薬理作用

ニトラゼパムの催眠作用(睡眠誘導作用)は、不安、緊張、興奮等の情動障害を抑制し、生理的な自然に近い睡眠をもたらすとされている。

薬理作用の種類 効力比注5)
鎮静催眠作用 クロルプロチキセン睡眠増強作用 10.2
チオペンタール麻酔増強作用 1.9
抗痙攣作用 抗ペンテトラゾール痙攣作用 5.8
抗電撃痙攣作用 0.7
抗不安作用 抗コンフリクト作用 4.2
抗闘争作用 2.9
筋弛緩作用 回転棒法 3.3
傾斜板法 8.6

注5)ジアゼパムの作用を1とした効力比

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人にニトラゼパム錠5mgを空腹時単回経口投与したときのニトラゼパムの血清中濃度及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す5)。

図16-1 経口投与時の血清中濃度

投与量
(mg)
n Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
5 8 75.8±28.9 1.6±1.2 929.3±263.6 27.1±6.1

(測定法:HPLC)(mean±S.D.)

16.3 分布

血漿蛋白結合率:86~87%(外国人データ)4)

16.4 代謝

ニトラゼパムの主代謝経路は、ニトロ基の還元(7-アミノ体)とそれに続くアセチル化(7-アセトアミド体)である。また、生体内での代謝部位の大部分は肝臓であるが、一部は腸管壁で薬物代謝酵素により代謝される4),6)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人にニトラゼパム10mgを経口投与したときの尿中排泄率を測定した。尿中には主に代謝物の7-アセトアミド体と7-アミノ体として排泄され、投与24時間後の排泄率は13~20%であった7)。

  2. 16.5.2トータルクリアランス:0.86±0.12mL/min/kg(mean±S.D.)(外国人データ)4)