Clinical snapshot

ベスレミ皮下注250μgシリンジ

ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年02月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

  2. 1.2本剤の投与により間質性肺炎、自殺企図があらわれることがあるので、十分留意し、患者に対し副作用発現の可能性について十分説明すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分、他のインターフェロン製剤又はワクチン等生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2小柴胡湯を投与中の患者

  3. 2.3自己免疫性肝炎の患者[肝炎が悪化することがある。]

  4. 2.4非代償性肝疾患の患者[症状が悪化することがある。]

効能・効果

真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)

用法・用量

**以下のA法又はB法により皮下投与する。 A法:通常、成人には、ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え))として1回100μg(他の細胞減少療法薬を投与中の場合は50μg)を開始用量とし、2週に1回投与する。患者の状態により適宜増減するが、増量は50μgずつ行い、1回500μgを超えないこと。 B法:通常、成人には、ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え))として1回250μgを開始用量とし、忍容性が良好であれば2週後に1回350μg、さらに2週後に1回500μg、以降は2週に1回500μgを投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1過量投与を防ぐため、あらかじめプレフィルドシリンジ内の過量の薬液を廃棄して、シリンジ内に残った必要投与量を投与すること。

  2. 8.2抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するように注意を与えること。

  3. 8.3意識障害、失神、昏睡、錯乱等を発現することがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転、機械の操作になるべく従事させないよう注意すること。

  4. 8.4骨髄機能抑制、肝機能障害、急性腎障害、甲状腺機能障害等があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、甲状腺機能検査等)を行うこと。

  5. 8.5糖尿病が増悪又は発症することがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行うこと。

  6. 8.6心臓障害があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  7. 8.7間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意すること。間質性肺炎の既往歴のある患者に使用するにあたっては、特に定期的に聴診、胸部X線等の検査を行うなど、十分に注意すること。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。

  8. 8.8網膜症等の眼障害があらわれることがあるので、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。

  9. 8.9溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  10. 8.10過敏症等の反応を予測するため十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験又は皮内反応試験を行うことが望ましい。

  11. 8.11本剤の投与初期において、一般に発熱がみられる。その程度は個人差が著しいが、高熱を呈する場合もあるので、電解質を含む水分補給等、発熱に対してあらかじめ十分に配慮すること。

  12. 8.12*本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。 自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。 使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1中枢・精神神経障害のある患者又はその既往歴のある患者

中枢・精神神経障害が増悪することがある。

  1. 9.1.2痙攣発作のある患者

症状が増悪することがある。

  1. 9.1.3甲状腺機能障害又はその既往歴のある患者

甲状腺機能障害が悪化することがある。

  1. 9.1.4骨髄機能抑制のある患者

重度の白血球減少、血小板減少を起こすことがあり、感染症や出血傾向を合併しやすい。

  1. 9.1.5糖尿病の患者又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者

糖尿病が増悪又は発症するおそれがある。

  1. 9.1.6心疾患のある患者又はその既往歴のある患者

心疾患が増悪することがある。

  1. 9.1.7間質性肺炎のある患者又はその既往歴のある患者

間質性肺炎が増悪又は再発することがある。

  1. 9.1.8自己免疫疾患(ただし自己免疫性肝炎を除く)又はその素因のある患者

定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、慎重に投与すること。疾患が増悪又は顕性化することがある。

  1. 9.1.9高血圧症の患者

脳出血等の脳血管障害があらわれることがある。

  1. 9.1.10アレルギー素因のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害のある患者

腎障害が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害のある患者(ただし非代償性肝疾患の患者又は自己免疫性肝炎の患者を除く)

肝障害が悪化するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるように指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤のカニクイザルを用いた胚・胎児発生に関する実験において、AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から流産及び胚死亡が認められている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。他のインターフェロン製剤においてラットで乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)はCYP1A2及び2D6の阻害作用を有する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
小柴胡湯(ツムラ小柴胡湯、クラシエ小柴胡湯、テイコク小柴胡湯エキス等) 他のインターフェロン製剤で、間質性肺炎があらわれることが報告されている。 作用機序は不明であるが、間質性肺炎の発現例には小柴胡湯との併用例が多い。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP1A2の基質
テオフィリン
チザニジン
イミプラミン等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。 ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)はCYP1A2の阻害作用を有することから、本剤の併用によりこれらの薬剤の代謝が抑制され、これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2D6の基質
メトプロロール
アミトリプチリン
メトクロプラミド等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。 ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)はCYP2D6の阻害作用を有することから、本剤の併用によりこれらの薬剤の代謝が抑制され、これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
アンチピリン
ワルファリン
他のインターフェロン製剤との併用で左記薬剤の血中濃度が高まることが報告されている。 肝臓での各種医薬品の代謝を抑制することがある。
ジドブジン 他のインターフェロン製剤との併用で骨髄機能抑制作用が増強され、白血球減少等の血球減少が増悪することがある。 作用機序は不明であるが、ともに骨髄機能抑制作用を有するためと考えられている。
免疫抑制療法 他のインターフェロン製剤との併用で移植患者(腎・骨髄移植等)における免疫抑制療法の効果が弱まることがある。 移植片に対する拒絶反応が誘発されると考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加(10.2%) 5%以上
AST増加(9.6%) 5%以上
γ-GTP上昇(9.6%) 5%以上
インフルエンザ様疾患(9.6%) 5%以上
そう痒症(6.2%) 5%以上
ドライアイ 1%未満
上腹部痛 1%未満
下痢(5.6%) 5%以上
乾皮症 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
傾眠 1〜5%未満
光線過敏性反応 1%未満
全身性そう痒症 1%未満
労作性呼吸困難 1%未満
動悸 1%未満
口内乾燥 1%未満
口内炎 1〜5%未満
咳嗽 1%未満
咽喉刺激感 1%未満
四肢痛 1〜5%未満
多汗症 1%未満
尿中β2ミクログロブリン増加(32.0%) 5%以上
心室壁運動低下 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 1〜5%未満
感情的苦悩 1%未満
抗甲状腺抗体陽性 1〜5%未満
気分動揺 1〜5%未満
気分変化 1%未満
注射部位そう痒感 1%未満
注射部位反応 1〜5%未満
注射部位疼痛 1%未満
浮動性めまい 1〜5%未満
湿疹 1〜5%未満
無痛性甲状腺炎 1%未満
甲状腺機能検査異常 1〜5%未満
疲労(11.3%) 5%以上
疼痛 1%未満
発熱(6.8%) 5%以上
発疹 1〜5%未満
皮膚出血 1%未満
神経根障害 1%未満
筋肉痛(7.9%) 5%以上
筋骨格痛 1〜5%未満
筋骨格系胸痛 1%未満
紅斑 1〜5%未満
背部痛 1〜5%未満
脱毛症(18.1%) 5%以上
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 1〜5%未満
蕁麻疹 1%未満
蛋白尿 1%未満
血中アルカリフォスファターゼ上昇 1%未満
血中乳酸脱水素酵素増加 1%未満
血中尿酸増加 1%未満
血中甲状腺刺激ホルモン増加 1〜5%未満
血中甲状腺刺激ホルモン減少 1%未満
軟便 1%未満
関節炎 1%未満
関節痛(5.6%) 5%以上
霧視 1%未満
頭痛 1〜5%未満
骨痛 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ロペグインターフェロン アルファ-2bは、Ⅰ型インターフェロン(IFN)受容体に結合し、ヤヌスキナーゼ(JAK)1及びチロシンキナーゼ(TYK)2の活性化を介して、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を増加し、IFN誘導遺伝子の発現を増加させ、細胞周期の停止及びアポトーシス誘導を引き起こすこと等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと推測されている。しかし、真性多血症(PV)患者での効果の発現機序については不明である。

18.2 腫瘍細胞増殖抑制作用

ロペグインターフェロン アルファ-2bは、in vitroにおいて、変異型JAK2(V617F)を有するヒトPV患者由来造血前駆細胞により産生される赤血球数を減少させた。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人男子18名に本剤100、200及び300μgを単回皮下投与した際の血清中濃度及び薬物動態パラメータ、並びに血清中濃度の推移を以下に示す3)。

投与量 Cmax(ng/mL) AUC0-inf(ng・h/mL) Tmax注3)(h) t1/2(h)
100μg(N=6) 8.421±2.980 1927±1046 110.73(95-170.73) 68.95±44.91
200μg(N=6) 35.21±11.19 6517±2251 108.07(36-168.28) 67.11±51.46
300μg(N=6) 41.40±15.47 7843±1345 108.08(36-239.77) 66.52±48.75

平均±標準偏差

注3)中央値(最小値-最大値)