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プロポフォール静注1%50mL「マルイシ」

プロポフォール注射剤

添付文書改訂 2024年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉
  1. 2.2小児等

効能・効果

  • 全身麻酔の導入及び維持

  • 集中治療における人工呼吸中の鎮静

用法・用量

  • 〈全身麻酔の導入及び維持〉
  1. 6.1導入

通常、成人には本剤を0.05mL/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速度で、患者の全身状態を観察しながら、就眠が得られるまで静脈内に投与する。なお、ASAⅢ及びⅣの患者には、より緩徐に投与する。 通常、成人には本剤0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして2.0~2.5mg/kg)で就眠が得られる。高齢者においては、より少量で就眠が得られる場合がある。就眠後は必要に応じて適宜追加投与する。

  1. 6.2維持

通常、酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスと併用し、本剤を静脈内に投与する。適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。 通常、成人には、本剤0.4~1.0mL/kg/時(プロポフォールとして4~10mg/kg/時)の投与速度で適切な麻酔深度が得られる。 また、鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤、局所麻酔剤等)を併用すること。 なお、局所麻酔剤併用時には通常より低用量で適切な麻酔深度が得られる。

  • 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉

成人(高齢者を含む)には本剤を0.03mL/kg/時(プロポフォールとして0.3mg/kg/時)の投与速度で、持続注入にて静脈内に投与を開始し、適切な鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。 通常、成人には本剤0.03~0.30mL/kg/時(プロポフォールとして0.3~3.0mg/kg/時)の投与速度で適切な鎮静深度が得られる。 なお、疾患の種類、症状の程度を考慮し、必要とする鎮静深度に応じて投与速度を増減すること。また、必要に応じて鎮痛剤を併用すること。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤投与にあたっては、原則としてあらかじめ絶食させておくこと。

  2. 8.2本剤投与にあたっては、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備しておくこと。

  3. 8.3本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、麻酔技術に熟練した医師が、専任で患者の全身状態を注意深く監視すること。集中治療の鎮静に利用する場合においても、集中治療に熟練した医師が本剤を取り扱うこと。

  4. 8.4本剤投与中は気道を確保し、血圧の変動に注意して呼吸・循環に対する観察・対応を怠らないこと。

  5. 8.5本剤投与中は、適切な麻酔又は鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節すること。

  6. 8.6本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事しないよう、患者に注意すること。

  • 〈全身麻酔の導入及び維持〉
  1. 8.7麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
  • 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉
  1. 8.8本剤投与中は、鎮静レベル及び中枢神経系機能の評価を必要に応じて行い、鎮静に必要な最低投与速度を定めること。

  2. 8.9本剤投与中は、気管挿管による気道確保を行うこと。

  3. 8.10人工呼吸からの離脱の過程では、患者の観察を継続し、必要に応じて人工呼吸を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1ASAⅢ、Ⅳの患者及び衰弱患者

投与速度を減速(例えば、導入時の投与速度を約1/2、すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速)すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制が起こるおそれがある。

  1. 9.1.2循環器障害、呼吸器障害及び循環血液量減少のある患者

患者の全身状態を慎重に観察しながら、投与量や投与速度に注意すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制や覚醒遅延が起こるおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん発作の既往歴のある患者

痙攣があらわれることがある。

  1. 9.1.4薬物依存の既往歴のある患者

  2. 9.1.5薬物過敏症の既往歴のある患者(本剤又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)

  3. 9.1.6脂質代謝障害の患者又は脂肪乳剤投与中の患者

血中脂質が過剰になるおそれのある患者については、血中脂質をモニターし本剤又は併用中の脂肪乳剤の投与量を調節すること。本剤1.0mLあたり約0.1gの脂質を含有するため、血中脂質濃度が上昇する可能性がある。

9.2 腎機能障害患者

患者の全身状態を慎重に観察しながら、投与量や投与速度に注意すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制や覚醒遅延が起こるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

患者の全身状態を慎重に観察しながら、投与量や投与速度に注意すること。無呼吸、低血圧等の呼吸循環抑制や覚醒遅延が起こるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は胎児へ移行するため、新生児の呼吸抑制等があらわれることがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2集中治療における人工呼吸中の鎮静においては、小児等には投与しないこと。因果関係は不明であるが、外国において集中治療中の鎮静に使用し、小児等で死亡例が報告されている1)。

9.8 高齢者

投与速度を減速(例えば、導入時の投与速度を約1/2すなわち本剤約0.025mL/kg/10秒に減速)するなど患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主に肝臓で代謝され、尿中に排泄される。一般に、肝、腎機能及び圧受容体反射機能が低下していることが多く、循環器系等への副作用があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ベンゾジアゼピン系薬物
• ジアゼパム、ミダゾラム等バルビツール酸系薬物
全身麻酔剤
• 亜酸化窒素等局所麻酔剤
中枢神経系抑制剤
• 麻薬性鎮痛剤等アルコール
降圧剤
抗不整脈剤(β1遮断剤)
• エスモロール塩酸塩、ランジオロール塩酸塩等
麻酔・鎮静作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧、心拍出量及び心拍数が低下することがあるので、併用する場合には、投与速度を減速するなど慎重に投与すること。 相互に作用(麻酔・鎮静作用、血圧低下作用、徐脈化)を増強させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
LDH上昇 1〜5%未満
ST低下 1〜5%未満
γ-GTP上昇 1〜5%未満
しびれ感 1%未満
ビリルビン上昇 1〜5%未満
低アルブミン血症 1〜5%未満
低蛋白血症 頻度不明
口腔内分泌物増加 1%未満
吃逆 1〜5%未満
咳嗽 1%未満
嘔吐 1%未満
変色尿(白濁 1%未満
多幸症 1%未満
徐脈 1〜5%未満
性欲抑制不能 頻度不明
悪心 1%未満
戦慄 頻度不明
振戦 1〜5%未満
注射時疼痛(血管痛) 5%以上
発赤 1〜5%未満
白血球増加 1〜5%未満
紅斑 1〜5%未満
緑尿等) 1%未満
腎機能障害 頻度不明
膵炎 頻度不明
術後発熱 1%未満
譫妄 頻度不明
静脈炎・血栓症 1〜5%未満
頭痛 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プロポフォールの作用は脳において発揮される21)。 プロポフォールの投与によって麻酔状態が得られるが、この作用がどのような機序によって起こるかは解明されていない21)。

18.2 麻酔作用

  1. 18.2.1静脈内投与における50%催眠量(HD50)は12.9mg/kg、50%致死量(LD50)は57.9mg/kgで治療指数(LD50/HD50)は4.5であった(マウス)22)。

  2. 18.2.2プロポフォールは速やかに麻酔を導入し、HD50値の約2倍量を投与した場合の麻酔時間は約5分であり、麻酔後の回復時間も約3分と速やかな回復性が認められた(マウス)23)。

  3. 18.2.3麻酔維持中の呼吸・循環器系や維持麻酔後の回復性に特に異常はみられず、プロポフォールの麻酔維持への適応性が認められた(ネコ・ラット)23)。

  4. 18.2.4プロポフォールの反復投与による麻酔時間の延長はチオペンタールより明らかに軽微であった(マウス)23)。

18.3 中枢神経作用

プロポフォールは用量依存的に脳波を低振幅速波から、平坦脳波へ変化させた(ネコ)24)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人健康成人男子6例に1.0、2.0及び2.5mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、プロポフォールの体内動態は3-コンパートメントモデルに適合し、全血中濃度は3相性に減衰した。各相の半減期は2.6分(t1/2α)、51.0分(t1/2β)及び365分(t1/2γ)であった。中央コンパートメントにおける分布容積(V1)及び定常状態時の分布容積はそれぞれ26L及び317Lであった。全身クリアランス(CLTB)値は1.62L/分であった3)。1~2.5mg/kgの用量範囲で、血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)が用量に比例して増加することが示された。 また、薬物動態パラメータに明らかな性差はみられなかった4)(外国人データ)。

16.3 分布

患者にプロポフォールを2.5mg/kg用量で単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後10及び120分後の蛋白結合率は約97~99%であった5)(外国人データ)。

16.4 代謝

成人患者8例に平均2.6mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後24時間までに尿中に認められた代謝物及びその割合は、プロポフォールのグルクロン酸抱合体が75%、1,4キノール体の1-キノールグルクロン酸抱合体が12%、4-キノールグルクロン酸抱合体が8%、4キノール体の硫酸抱合体が5%であった6)。

16.5 排泄

成人患者8例に平均2.6mg/kgを単回静脈内ボーラス投与したとき、投与後24時間までにプロポフォール及び1,4キノール体のグルクロン酸抱合体ならびに1,4キノール体の硫酸抱合体として投与量の68.3%が尿中に排泄された6)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1心血管機能の影響

プロポフォールのクリアランスは肝血流量に依存するため、心疾患や開心術等により心拍出量が減少した場合には、肝血流量が減少し、プロポフォールのCLTBが影響を受ける可能性がある7)(外国人データ)。

  1. 16.6.2腎機能障害患者

腎障害患者群及び正常な腎機能を有す患者群にプロポフォールを単回静脈内ボーラス投与あるいは静脈内持続投与したとき、薬物動態パラメータに統計的有意差は認められなかった8),9)(外国人データ)。

  1. 16.6.3肝機能障害患者

肝硬変患者群及び正常な肝機能を有す患者群にプロポフォールを単回静脈内ボーラス投与あるいは静脈内持続投与したとき、薬物動態パラメータに両群間で統計的有意差は認められなかった10),11)(外国人データ)。

  1. 16.6.4高齢者

プロポフォールの体内動態について、高齢者のV1及びCLTBが若齢者に比して僅かに(20~25%)低くなることが報告されている。一方、高齢者では薬力学的な変化よりもむしろ、上記の体内動態の差により、必要とされる用量が低くなることが報告されている5),12)(外国人データ)。