前立腺癌、閉経後の末期乳癌(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 〈効能共通〉
- 2.1エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者(治療の目的で投与する場合を除く)
[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
- 2.2血栓性静脈炎、肺塞栓症又はその既往歴のある患者
[血液凝固能の亢進により、これらの症状が増悪することがある。]
- 〈閉経後の末期乳癌(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)〉
- 2.3未治療の子宮内膜増殖症のある患者
[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。]
効能・効果
用法・用量
前立腺癌、乳癌には、通常1回1~2錠を1日3回経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。 なお、原体の再評価結果の用法及び用量は、前立腺癌、乳癌にはエチニルエストラジオールとして、通常成人1回0.05~1.0mgを1日3回経口投与である。
使用上の注意
- 〈閉経後の末期乳癌(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)〉
女性に投与する場合には、投与前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 〈効能共通〉
- 9.1.1心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
- 9.1.2てんかん患者
体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
- 9.1.3糖尿病患者
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
- 〈閉経後の末期乳癌(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)〉
- 9.1.4子宮筋腫のある患者
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
- 9.1.5子宮内膜症のある患者
症状が増悪するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1腎疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪するおそれがある。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 副腎皮質ホルモン• プレドニゾロン等 • 三環系抗うつ剤• イミプラミン等 • セレギリン塩酸塩 • シクロスポリン • テオフィリン • オメプラゾール |
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。 |
| • リファンピシン • バルビツール酸系製剤• フェノバルビタール等 • ヒダントイン系製剤• フェニトインナトリウム等 • カルバマゼピン • ボセンタン • モダフィニル • トピラマート |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 | これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
| • テトラサイクリン系抗生物質• テトラサイクリン等 • ペニシリン系抗生物質• アンピシリン水和物等 |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 | これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。 |
| • テルビナフィン塩酸塩 | 黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。 | 機序不明 |
| • Gn-RH誘導体• ブセレリン酢酸塩等 | これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。 | これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。 |
| • 血糖降下剤• インスリン製剤、 スルフォニル尿素系製剤、 スルフォンアミド系製剤、 ビグアナイド系製剤等 |
血糖降下剤の作用が減弱するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。 | 本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。 |
| • ラモトリギン モルヒネ サリチル酸 |
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
| • HIVプロテアーゼ阻害剤• ネルフィナビルメシル酸塩、 リトナビル、 ダルナビル、 ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)、 ロピナビル・リトナビル配合剤等 • 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤• ネビラピン |
本剤の作用が減弱するおそれがある。 | エチニルエストラジオールのAUCが減少する。 |
| • HIVプロテアーゼ阻害剤• アタザナビル | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | アタザナビルは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
| • 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤• エトラビリン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。 |
| • フルコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
| • ボリコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 ボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。 |
ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 本剤がボリコナゾールの代謝酵素(CYP2C19)を阻害すると考えられる。 |
| • アセトアミノフェン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。 |
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。 本剤が肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
| • セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ナトリウムや体液の貯留 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 下腹部痛等 | 頻度不明 |
| 不正出血 | 頻度不明 |
| 乳房痛等 | 頻度不明 |
| 乳房緊満感 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 大量継続投与により高カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 発疹等 | 頻度不明 |
| 精神障害の再発 | 頻度不明 |
| 経血量変化 | 頻度不明 |
| 肝機能異常等 | 頻度不明 |
| 胃痛 | 頻度不明 |
| 腹痛等 | 頻度不明 |
| 血圧上昇等 | 頻度不明 |
| 陰萎 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
前立腺及び精嚢重量を減少させ、血中テストステロン値を低下させる(正常成熟及び老齢ラット、経口)6) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 〈前立腺癌〉
前立腺癌患者4例に5mg注1) を経口投与した結果、血中濃度は投与後2~4時間後に最高となり、平均5.7ng/mLであった4) 。
注1)本剤の承認された1回用量は0.5~1mgである。
16.2 吸収
経口投与後、吸収は速いが小腸で抱合を受け、バイオアベイラビリティは40~50%程度である5) 。
16.3 分布
分布容積は3.5L/kg、消失半減期は10時間、全身クリアランスは5.4mL/min/kgであり、血漿中たん白結合率は95~98%である5) 。
16.5 排泄
尿中(投与量の約30%)及び糞中(投与量の約22%)に排泄されるといわれている5) 。