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プリミドン細粒99.5%「日医工」

プリミドン

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者

  2. 2.2急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]

  3. 2.3*ミフェプリストン・ミソプロストールを投与中の患者

効能・効果

  • てんかんのけいれん発作

強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)

焦点発作(ジャクソン型発作を含む)

  • 精神運動発作

  • 小型(運動)発作〔ミオクロニー発作、失立(無動)発作、点頭てんかん(幼児けい縮発作、BNSけいれん等)〕

用法・用量

プリミドンとして、通常成人は治療初期3日間は1日0.25gを就寝前に経口投与する。以後3日間毎に0.25gずつ増量して、症状によっては発作の消長を考慮して、1日量1.5gまで漸増し、2~3回に分割経口投与する。 なお、必要によっては1日量2.0gまで増量することができる。 小児に対しては、治療初期3日間は1日0.125gを就寝前に経口投与する。以後3~4日間毎に0.125gずつ増量して、次の標準投与量まで漸増し2~3回に分割経口投与する。

2歳まで   0.25~0.50g

3~5歳まで  0.50~0.75g

6~15歳まで 0.75~1.00g

症状によっては発作の消長を考慮して、さらに増量してもよい。

使用上の注意

  1. 8.1連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  2. 8.2眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺等の症状は過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること。

  3. 8.3連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  4. 8.4眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  5. 8.5複視、眼振があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい。

  6. 8.6連用により、血清アルカリホスファターゼ値の上昇、血清カルシウム・無機リンの低下等があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与など適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

呼吸抑制を起こすおそれがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

  1. 9.1.2呼吸機能の低下している患者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.3頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症のある患者

本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.4心障害のある患者

血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

症状の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

症状の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。妊娠中に他の抗てんかん剤(特にフェニトイン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。

  3. 9.5.3妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。

  4. 9.5.4分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

  5. 9.5.5妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。母乳中に移行し、乳児に過度の眠気を起こすおそれがある。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。呼吸抑制を起こすことがある。

  2. 9.8.2連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*ミフェプリストン・ミソプロストール
• メフィーゴ
*ミフェプリストンの血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 *本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルバマゼピン 相互に血中濃度が低下することがある。 本剤又はカルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、代謝が促進される。
ラモトリギン ラモトリギンの血中濃度が低下することがある。 本剤がラモトリギンのグルクロン酸抱合を促進する。
*ルフィナミド *ルフィナミドの血中濃度が低下する可能性がある。 *機序は不明である。
*スチリペントール *本剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、必要に応じて本剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。 *スチリペントールは本剤の肝代謝酵素を阻害する。また、本剤とスチリペントールは共に中枢神経抑制作用を有する。
ドキシサイクリン ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、ドキシサイクリンの代謝が促進される。
エンシトレルビル フマル酸
ベルモスジルメシル酸塩
*レボノルゲストレル
*これら薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 *本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、これら薬剤の代謝が促進されるおそれがある。
*ワルファリンカリウム *ワルファリンの作用を減弱することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。 *本剤がワルファリンの肝薬物代謝酵素を誘導する。
メチルフェニデート 本剤の作用が増強されることがあるので、このような場合には、減量するなど慎重に投与すること。 メチルフェニデートにより本剤の肝代謝が抑制されると考えられている。
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
• バルビツール酸誘導体等三環系抗うつ剤
抗ヒスタミン剤
アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、このような場合には、減量するなど慎重に投与すること。 本剤とこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
モノアミン酸化酵素阻害剤 相互に作用が増強されることがあるので、このような場合には、減量するなど慎重に投与すること。 機序は不明である。
チアジド系降圧利尿剤 起立性低血圧が増強されることがあるので、このような場合には、減量するなど慎重に投与すること。 機序は不明であるが、高用量のフェノバルビタールは血圧を低下させると考えられている。
アセタゾラミド クル病、骨軟化症があらわれやすい。 本剤によるビタミンD分解促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている。
アセトアミノフェン
トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤
本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。
また、トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱する可能性がある。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
また、本剤の肝代謝酵素誘導作用により、トラマドールの代謝が促進される。
*コール酸 *肝毒性のある胆汁酸異常代謝産物が増加することで、肝トランスアミナーゼの上昇が認められることがあるので、コール酸との併用は治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 *本剤の活性代謝物であるフェノバルビタールは、コレステロールから胆汁異常代謝産物の合成を促進する作用を有していると考えられることから、原疾患を悪化させるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
クル病 頻度不明
ヘマトポルフィリン尿 頻度不明
倦怠感 頻度不明
妄想 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
性格変化 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
情動変化 頻度不明
構音障害 頻度不明
歯牙の形成不全 頻度不明
注意力・集中力・反射運動能力等の低下 頻度不明
流涎 頻度不明
猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹 頻度不明
甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常 頻度不明
白血球減少 頻度不明
眠気 頻度不明
眩暈 頻度不明
眼振 頻度不明
神経過敏 頻度不明
肝機能検査値の異常 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 頻度不明
血小板減少 頻度不明
複視 頻度不明
記憶障害 頻度不明
運動失調 頻度不明
酩酊状態 頻度不明
錯乱 頻度不明
頭痛 頻度不明
骨軟化症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プリミドンは、一部、体内で酸化を受けてフェノバルビタールとフェニルエチルマロンアミドに変化するが、この二つの代謝物も抗けいれん作用を有することから、プリミドンの臨床効果には代謝物の作用も寄与していると考えられている8),9)。

18.2 けいれん抑制作用

プリミドンはフェノバルビタールに類似した抗けいれん作用を示す。マウス及びラットを用いた実験で、最大電撃けいれんの抑制、電撃けいれん閾値の上昇、ペンテトラゾールけいれんの抑制等の抗けいれん作用を示すが、最大電撃けいれん抑制作用が強いのが特徴で、この作用についてはフェノバルビタールやフェニトインよりもすぐれている14),15)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人3例、空腹時600mg 1回投与1)

測定対象 Tmax
(h)
Cmax
(μg/mL)
t1/2
(h)
プリミドン 12±0 8.99±1.18 19.4±2.2
フェノバルビタール 52±11 0.30±0.05 125±20
フェニルエチルマロンアミド 36±0 0.35±0.06 26.5±1.0

平均値±標準誤差

16.3 分布

  1. 16.3.1血液-脳関門通過性

ラットにプリミドン投与後の肝、血漿、脳内におけるプリミドン、フェノバルビタール濃度を測定した報告では、肝と脳において組織と血漿中濃度に相関関係が認められた2)。

  1. 16.3.2血液-胎盤関門通過性

出産時の女性10人にプリミドン250mgを投与したときの母体の血中濃度は0.3~7.2μg/mLで、その臍帯血中濃度は0~8.3μg/mLである3)(外国人データ)。また、母体血清中濃度が4.8、5.5μg/mLのとき、新生児の血清中濃度はそれぞれ5.4、5.5μg/mLであり、母体に対する比はそれぞれ112.5%、100.0%(母体血清中濃度を100とする)である4)。

  1. 16.3.3乳汁への移行性

母乳中濃度が母体血清中濃度の約80%であったとの報告がある5)。

  1. 16.3.4髄液への移行性

髄液/血清中濃度比が0.94±0.04であるとの報告がある6)。

  1. 16.3.5血漿蛋白結合率

血漿蛋白結合率は約20%であった7)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物

フェノバルビタール及びフェニルエチルマロンアミドであり、いずれも薬理活性を有する8),9)。

  1. 16.4.2代謝経路

主として肝臓で一部が酸化を受けてフェノバルビタールとフェニルエチルマロンアミドになる8),9)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1排泄経路

主として尿中に排泄される10)。

  1. 16.5.2排泄率

投与後81時間における尿中排泄率はプリミドンとして20%、フェノバルビタールとして4%、フェニルエチルマロンアミドとして48%であった10)(ウサギ、400mg/kg 1回投与)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

血液透析を4時間受けている慢性腎不全患者4人で、透析2時間前にプリミドン250mg又は500mgを1回投与した時、血漿クリアランスは97.7mL/分、半減期は5.1時間であった11)。

16.8 その他

  1. 16.8.1有効血中濃度

てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般にプリミドンは3~12μg/mLが、フェノバルビタールは10~30μg/mLが目安として示されている12),13)。