Clinical snapshot

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」

ブロムペリドール

添付文書改訂 2024年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]

  3. 2.3重症の心不全の患者[心筋に対する障害作用や血圧降下のおそれがある。]

  4. 2.4パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]

  5. 2.5本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者

  6. 2.6アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  7. 2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

統合失調症

用法・用量

ブロムペリドールとして、通常成人1日3~18mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日36mgまで増量することができる。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  2. 8.2制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者

一過性の血圧低下があらわれることがある。

  1. 9.1.2QT延長を起こしやすい患者

低カリウム血症のある患者等では、QT延長が発現するおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させることがある。

  1. 9.1.4甲状腺機能亢進状態にある患者

錐体外路症状が起こりやすい。

  1. 9.1.5薬物過敏症の患者

  2. 9.1.6脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。

  1. 9.1.7高温環境下にある患者

高熱反応が起こるおそれがある。体温調節中枢を抑制するため。

  1. 9.1.8不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎児吸収の増加等の胎児毒性が報告されており、類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例及び動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数の減少、胎児吸収の増加(マウス)、流産率の上昇(ラット)等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験で乳汁中への移行がみられており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。

相互作用

  • 本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
• (アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧低下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• (バルビツール酸誘導体等)
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。 本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
アルコール
• (飲酒)
相互に作用を増強することがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
リチウム 類似化合物(ハロペリドール)でリチウムとの併用により心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。
抗コリン作用を有する薬剤
• (抗コリン作動性抗パーキンソン剤、フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等)
腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがある。また、精神症状が悪化したとの報告がある。 併用により抗コリン作用が強くあらわれる。
メトクロプラミド、ドンペリドン 内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある。 これらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
タンドスピロンクエン酸塩 錐体外路症状を増強するおそれがある。 タンドスピロンクエン酸塩は弱い抗ドパミン(D2)作用を有する。
ドパミン作動薬
• (レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩等)
これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある。 ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
薬物代謝酵素誘導作用を有する薬剤
• (カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン)
本剤の作用が減弱することがある。 これらの薬剤の薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する。
イトラコナゾール 本剤の血中濃度が上昇することがある。 イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長があらわれるおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧低下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
T波の変化等) 頻度不明
アカシジア(静坐不能) 5%以上
アキネジア 1%未満
ジスキネジア(口周部 1〜5%未満
ジストニア(痙攣性斜頸 1〜5%未満
しびれ感 1%未満
パーキンソン症候群(振戦 5%以上
めまい・ふらつき 1〜5%未満
もの忘れ 1%未満
下痢 1〜5%未満
乳汁分泌 1%未満
仮面様顔貌 5%以上
体重増加 1〜5%未満
体重減少 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
傾眠 1%未満
動悸 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
嚥下障害 5%以上
四肢等の不随意運動 1〜5%未満
女性化乳房 1%未満
寡動 5%以上
尿閉 1〜5%未満
後弓反張 1〜5%未満
心電図変化(QT間隔の延長 頻度不明
性欲異常 1%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
意識障害 1%未満
抑うつ 1〜5%未満
排尿障害 1〜5%未満
月経異常 1〜5%未満
構音障害等) 5%以上
歩行障害 5%以上
流涎 5%以上
浮腫 1%未満
潮紅 1%未満
無力症 頻度不明
焦燥感 1〜5%未満
疲労 頻度不明
痙攣発作 1%未満
発汗 1〜5%未満
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
白血球減少 頻度不明
眠気 1〜5%未満
眼の調節障害 1%未満
眼球上転発作等) 1〜5%未満
睡眠障害 1〜5%未満
知覚異常 1%未満
立ちくらみ 1〜5%未満
筋強剛 5%以上
肝障害 頻度不明
胃不快感 1%未満
胸やけ 1〜5%未満
胸内苦悶感 1%未満
脱力・倦怠感 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌のもつれ等) 1〜5%未満
血圧低下 1〜5%未満
角膜・水晶体の混濁 頻度不明
角膜等の色素沈着 頻度不明
貧血 1%未満
運動失調 1%未満
霧視 1〜5%未満
頭痛・頭重 1%未満
頻脈 1〜5%未満
顔面・喉頭・頸部の攣縮 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満
高プロラクチン血症 頻度不明
鼻閉 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

抗精神病薬の作用機序は、中枢ドパミン受容体遮断作用と密接に関連していると推定されているが、ブロムペリドールは行動薬理学的方法及び神経化学的方法によって、強力な中枢性抗ドパミン作用を示すことが確認されている9)。

18.2 中枢ドパミン受容体遮断作用

  1. 18.2.1動物(イヌ)での抗アポモルフィン作用は、ハロペリドールより持続性である10)。

  2. 18.2.2動物(マウス、ラット)での抗アポモルヒネ・抗アンフェタミン・条件回避反応抑制作用はハロペリドールと同等である11)。

  3. 18.2.3動物(ラット)で脳内ドパミンの代謝回転を亢進させ、作用は線条体より側坐核で強い11)。

18.3 ドパミン受容体親和性

動物(ラット、in vitro)で脳内ドパミン受容体に高い親和性を示す11)。

18.4 カタレプシー惹起作用

動物(ラット)でのカタレプシー惹起作用はハロペリドールより弱い11)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与・反復投与

健康成人男性(5例)にブロムペリドール3mgを経口投与した場合、比較的速やかに吸収され、血中濃度は4~6時間後に最高に達する。血中濃度の半減期は20.2~31.0時間であった4)。

tmax(h) Cmax(ng/mL) t1/2(h)
4~6 0.36~0.91 20.2~31.0

ブロムペリドールを健康成人に1回又は繰り返し経口投与したときの血中濃度

  1. 16.1.2生物学的同等性試験
  • 〈ブロムペリドール錠3mg「サワイ」〉

ブロムペリドール錠3mg「サワイ」とインプロメン錠3mgを健康成人男子にそれぞれ2錠(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール錠3mg「サワイ」 2.38±0.76 5.3±0.8 38.7±21.5 54.69±19.58
インプロメン錠3mg 2.45±0.76 5.0±0.7 30.6±11.8 55.38±22.07

(Mean±S.D.)

  • 〈ブロムペリドール錠6mg「サワイ」〉

ブロムペリドール錠6mg「サワイ」とインプロメン錠6mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された6)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール錠6mg「サワイ」 2.42±0.71 4.7±0.5 30.5±16.4 58.47±17.59
インプロメン錠6mg 2.45±0.50 4.8±0.6 30.3±10.9 60.33±13.76

(Mean±S.D.)

  • 〈ブロムペリドール細粒1%「サワイ」〉

ブロムペリドール細粒1%「サワイ」とインプロメン細粒1%を健康成人男子にそれぞれ0.6g(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された7)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール細粒1%「サワイ」 1.71±0.67 4.4±1.0 40.6±11.9 49.39±18.81
インプロメン細粒1% 1.60±0.70 4.6±1.1 45.8±17.3 53.63±20.60

(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.8 その他

  • 〈ブロムペリドール錠1mg「サワイ」〉

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、ブロムペリドール錠6mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた8)。