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ブロナンセリン錠8mg「サワイ」

ブロナンセリン

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]

  3. 2.3アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  4. **2.4イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ポサコナゾール、リトナビルを含む製剤、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、エンシトレルビル、コビシスタットを含む製剤、ロナファルニブ、セリチニブを投与中の患者

  5. 2.5本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

統合失調症

用法・用量

*通常、成人にはブロナンセリンとして1回4mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量する。維持量として1日8~16mgを2回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は24mgを超えないこと。 通常、小児にはブロナンセリンとして1回2mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量する。維持量として1日8~16mgを2回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は16mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

  2. 8.2眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  3. 8.3興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

  4. 8.4本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤の投与に際しては、あらかじめこれらの副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者

一過性の血圧降下があらわれることがある。

  1. 9.1.2パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者

錐体外路症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させるおそれがある。

  1. 9.1.4自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

血糖値が上昇することがある。

  1. 9.1.6脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

  1. 9.1.7不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

*低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しているので、血中濃度が上昇する可能性があり、錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。

相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。
CYP3A4を強く阻害する薬剤
• イトラコナゾール(イトリゾール)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)(フロリード、オラビ)
フルコナゾール(ジフルカン)
ホスフルコナゾール(プロジフ)
• ポサコナゾール(ノクサフィル)
リトナビルを含む製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)
ダルナビル(プリジスタ)
アタザナビル(レイアタッツ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
• エンシトレルビル(ゾコーバ)
• コビシスタットを含む製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
• ロナファルニブ(ゾキンヴィ)
• セリチニブ(ジカディア)
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。外国において、ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用により本剤のAUCが17倍、Cmaxが13倍に増加したとの報告がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。
中枢神経抑制剤
アルコール
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤及びこれらの薬剤等の中枢神経抑制作用による。
ドパミン作動薬
• レボドパ製剤
ブロモクリプチン 等
相互に作用が減弱することがある。 本剤はドパミン受容体遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
降圧薬 降圧作用が増強することがある。 本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。
エリスロマイシン 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。エリスロマイシンとの併用により本剤のAUCが2.7倍、Cmaxが2.4倍に増加したとの報告がある。
グレープフルーツジュース 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。グレープフルーツジュースとの併用により本剤のAUC、Cmaxが1.8倍に増加したとの報告がある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
 クラリスロマイシン
 シクロスポリン
 ジルチアゼム 等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
• フェニトイン
カルバマゼピン
バルビツール酸誘導体
リファンピシン 等
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を誘導するため、経口クリアランスが増加する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
BUN減少 頻度不明
CK上昇 頻度不明
LDH 頻度不明
T波の変化等) 頻度不明
γ-GTP 頻度不明
アカシジア(静坐不能)(24.7%) 5%以上
ジスキネジア(構音障害 5%以上
ジストニア(痙攣性斜頚 5%以上
しびれ感 頻度不明
そう痒 頻度不明
トリグリセリド上昇 頻度不明
パーキンソン症候群(振戦 5%以上
ビリルビンの上昇 頻度不明
プロラクチン上昇(21.3%) 5%以上
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
めまい・ふらつき 5%以上
リンパ球減少 頻度不明
上室性期外収縮 頻度不明
上気道感染 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
不安・焦燥感・易刺激性 5%以上
不整脈 頻度不明
不眠(19.6%) 5%以上
乳汁分泌 頻度不明
仮面様顔貌等)(33.5%) 5%以上
会話障害 頻度不明
低体温 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 5%以上
倦怠感 5%以上
勃起不全 頻度不明
動悸 頻度不明
口周部・四肢等の不随意運動等)(12.9%) 5%以上
口唇炎 頻度不明
口渇 5%以上
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下性肺炎 頻度不明
嚥下障害 5%以上
四肢痛 頻度不明
多動 頻度不明
多弁 頻度不明
多飲 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好中球増加 頻度不明
妄想 頻度不明
寡動 5%以上
射精障害 頻度不明
尿中ウロビリン陽性 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿失禁 頻度不明
尿潜血陽性 頻度不明
尿糖陽性 頻度不明
尿閉 頻度不明
幻覚・幻聴 頻度不明
後弓反張等) 5%以上
徐脈 頻度不明
心室性期外収縮 頻度不明
心拍数増加 頻度不明
心拍数減少 頻度不明
心電図異常(QT間隔の延長 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪心 5%以上
意識障害 頻度不明
抑うつ 頻度不明
排尿困難 頻度不明
攻撃性 頻度不明
月経異常 頻度不明
歩行障害 5%以上
水中毒 頻度不明
流涎過多 5%以上
浮腫 頻度不明
湿疹 頻度不明
異型リンパ球出現 頻度不明
異常感 頻度不明
痙攣 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球増加 頻度不明
白血球減少 頻度不明
眠気(12.4%) 5%以上
眼の乾燥 頻度不明
眼球上転発作 5%以上
睡眠障害 頻度不明
筋強剛 5%以上
糖尿病 頻度不明
統合失調症の悪化 頻度不明
緊張 頻度不明
羞明 頻度不明
肝機能異常 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胸痛 頻度不明
脂肪肝 頻度不明
脱力感 5%以上
脱抑制 頻度不明
脱毛 頻度不明
脳波異常 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
自殺企図 頻度不明
興奮 5%以上
血中インスリン上昇 頻度不明
血中カリウム上昇 頻度不明
血中カリウム減少 頻度不明
血中コレステロール上昇 頻度不明
血中ナトリウム減少 頻度不明
血中リン脂質増加 頻度不明
血中総蛋白減少 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血小板増加 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血糖上昇 頻度不明
血糖低下 頻度不明
行動異常 頻度不明
被害妄想 頻度不明
調節障害 頻度不明
貧血 頻度不明
赤血球増加 頻度不明
赤血球減少 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
躁状態 頻度不明
運動緩慢 5%以上
過換気 頻度不明
過鎮静 頻度不明
霧視 頻度不明
頭重・頭痛 5%以上
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面・喉頭・頚部の攣縮 5%以上
顔面浮腫 頻度不明
食欲不振 5%以上
食欲亢進 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻咽頭炎 頻度不明
鼻漏 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

In vitro受容体結合試験において、ブロナンセリンはドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体に対して親和性を示し、完全拮抗薬として作用した。主要代謝物であるN-脱エチル体もドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体に対して親和性を示したが、ドパミンD2受容体への親和性はブロナンセリンの約1/10であった。N-脱エチル体はセロトニン5-HT2C受容体及び5-HT6受容体に対しても親和性が認められた。また、ブロナンセリンはアドレナリンα1、ヒスタミンH1、ムスカリンM1及びM3等の受容体に対して主作用であるドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体への親和性に比べて低い親和性を示し、N-脱エチル体もアドレナリンα1、ヒスタミンH1、ムスカリンM1等の受容体に対する親和性は低かった37),38),39),40)。

18.2 薬理作用

動物実験において、次の薬理作用が認められている。

作用の種類
(動物種、投与経路)
EDあるいはED50(mg/kg) 備考
ブロナンセリン ハロペリドール
条件回避反応抑制作用
単回投与(ラット、経口)37)
反復投与(ラット、経口)37)
ED50:0.55
耐性なし
ED50:0.62
耐性なし
抗精神病効果と相関
側坐核内ドパミン投与による運動過多の抑制作用(ラット、経口)41) ED:0.3~3 ED:1、3 ドパミン仮説に基づく統合失調症の病態モデルへの作用
メタンフェタミン誘発前頭前皮質自発発火障害の改善作用(ラット、静脈内)41) ED:1 ドパミン仮説に基づく統合失調症の病態モデルへの作用
メタンフェタミン誘発運動過多抑制作用(ラット、経口)42) ED50:0.446 ED50:0.287 陽性症状改善作用の指標
フェンシクリジン誘発無動改善作用(マウス、経口)37) ED:0.3、1 陰性症状改善作用の指標
アポモルヒネ誘発プレパルス抑制障害改善作用(ラット、経口)37) ED:0.3~3 ED:1、3 認知障害改善作用の指標
カタレプシー惹起作用(ラット、経口)37) ED50:16.4 ED50:5.63 急性期錐体外路系副作用の指標
SKF38393 誘発異常口唇運動増強作用(ラット、経口)37) 10mg/kg/day
で作用なし
ED:3 慢性期錐体外路系副作用の指標

ED:作用用量、ED50:50%作用用量

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与(空腹時投与)
投与量
(mg)
Tmax
(h)a)
Cmax
(ng/mL)b)
t1/2
(h)b)
AUClast
(ng・h/mL)b)
4 1.5(1-3) 0.14±0.04 10.7±9.4 0.91±0.34
8 1.5(0.5-2) 0.45±0.22 12.0±4.4 2.82±1.38
12 1.5(1-3) 0.76±0.44 16.2±4.9 6.34±6.34

a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差

  1. 16.1.2単回投与(食後投与)

食後単回経口投与におけるCmax及びAUC0-12は、空腹時投与と比較して、それぞれ2.68倍及び2.69倍上昇した。また、食後投与時のTmax及び平均滞留時間(MRT)は、空腹時投与に比べて有意に延長したが、消失速度定数(kel)に差は認められなかった2)。

投与時期 Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-12
(ng・h/mL)
MRT
(h)
kel
(l/h)
空腹時 1.8±0.2 0.06±0.01 0.36±0.05 7.19±0.36 0.16±0.01
食後 3.8±0.5 0.14±0.02 0.83±0.11 9.63±1.17 0.15±0.01

平均値±標準誤差

  1. 16.1.3反復投与(食後投与)
Tmax
(h)a)
Cmax
(ng/mL)b)
t1/2
(h)b)
AUC0-12
(ng・h/mL)b)
2(2-2) 0.57±0.19 67.9±27.6 3.22±1.10

a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差

  1. 16.1.4*小児
採血直前の
1回投与量
採血時点 血漿中ブロナンセリン濃度(ng/mL)
6週 28週 52週
4mg 2-4時間付近 0.46±0.26
(14)
トラフ付近 0.25±0.12
(38)
0.29±0.13
(6)
0.19±0.13
(21)
8mg 2-4時間付近 0.79±0.30
(7)
トラフ付近 0.45±0.19
(36)
0.41±0.48
(5)
0.51±0.27
(12)

平均値±標準偏差(例数)

小児統合失調症患者(12~18歳)にブロナンセリン4~24mgを1日2回に分けて朝食後及び夕食後に投与時の血漿中濃度(解析対象:132例、濃度データ数:347データ)を用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、1日投与量が8mg又は16mgの患者のAUC24,SS推定値(平均値±標準偏差)はそれぞれ9.04±3.48ng·h/mL(42例)、17.7±9.46ng·h/mL(30例)であった。また、15歳未満と小児患者全例で薬物動態は類似していた7)。

  1. 16.1.5生物学的同等性試験
  • 〈ブロナンセリン錠4mg「サワイ」〉

ブロナンセリン錠4mg「サワイ」とロナセン錠4mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ブロナンセリンとして4mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロナンセリン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、AUCは対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、また、Cmaxは対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であり、かつ、溶出試験で溶出挙動が類似していることから、両剤の生物学的同等性が確認された8)。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-48hr
(pg・hr/mL)
ブロナンセリン錠4mg「サワイ」 238±120 1.8±0.7 16.8±2.9 1531±720
ロナセン錠4mg 222±137 1.7±0.8 17.3±3.1 1532±969

(Mean±S.D., n=33)

  • 〈ブロナンセリン錠8mg「サワイ」〉

ブロナンセリン錠8mg「サワイ」とロナセン錠8mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ブロナンセリンとして8mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロナンセリン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された8)。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-48hr
(pg・hr/mL)
ブロナンセリン錠8mg「サワイ」 653±626 1.5±0.6 16.0±2.2 4495±5747
ロナセン錠8mg 747±707 1.5±0.8 15.8±1.9 4896±5599

(Mean±S.D., n=33)

  • 〈ブロナンセリン散2%「サワイ」〉

ブロナンセリン散2%「サワイ」とロナセン散2%を健康成人男子にそれぞれ0.2g(ブロナンセリンとして4mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロナンセリン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された9)。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-36hr
(pg・hr/mL)
ブロナンセリン散2%「サワイ」 176±148 2.2±1.0 10.9±1.3 1665±1320
ロナセン散2% 153±117 2.3±0.9 10.7±1.8 1471±984

(Mean±S.D., n=40)

  • 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1吸収率

84%(ラット)10)

16.3 分布

  1. 16.3.1血清蛋白結合率

99.7%以上(in vitro、ヒト血清、10ng/mL~2μg/mL、平衡透析法)11),12),13)

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物

N-脱エチル体(in vivo薬理活性:未変化体の1/4.4~1/25)14) 7,8位の各水酸化体及びこれらのグルクロン酸抱合体15) 脳内では、主として未変化体及びN-脱エチル体が認められた(ラット、イヌ、サル)16)。

  1. 16.4.2代謝経路

ブロナンセリンは、ピペラジン環のN-脱エチル化及びN-オキシド化、シクロオクタン環の酸化、これに続く抱合反応あるいはピペラジン環の開環など広範に代謝される15)。

  1. 16.4.3代謝酵素

ブロナンセリンは、主としてCYP3A4で代謝されると考えられる17)(in vitro)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1排泄経路

尿中及び糞便中18)

  1. 16.5.2排泄率

健康成人6例に14C-ブロナンセリン4mgを朝食2時間後単回投与したとき、尿中及び糞便中には、それぞれ投与放射能量の約59%及び約30%が排泄された。尿中に未変化体は認められず、主代謝物として数種類のグルクロン酸抱合体が存在した。また、糞便中には未変化体が少量(糞便中放射能量の5%未満)認められた15),18)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1エリスロマイシン併用時の薬物動態
Tmax
(h)a)
Cmax
(ng/mL)b)
t1/2
(h)b)
AUClast
(ng・h/mL)b)
単独投与時 2(1-3) 0.26±0.11 14.9±8.5 1.94±1.03
併用投与時c) 3(2-3) 0.63±0.24 27.0±11.0 4.93±1.65

a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差 c)ブロナンセリン投与7日前より投与前日までエリスロマイシン1,200mg/日(分4)を反復経口投与し、ブロナンセリン投与時はエリスロマイシン300mgを併用

  1. 16.7.2グレープフルーツジュース併用時の薬物動態
Tmax
(h)a)
Cmax
(ng/mL)b)
t1/2
(h)b)
AUClast
(ng・h/mL)b)
単独投与時 2(1-3) 0.22±0.13 12.3±11.7 1.73±0.96
併用投与時c) 2.5(1-6) 0.39±0.25 15.7±8.7 3.17±1.71

a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差 c)ブロナンセリン投与60分前及び投与時にグレープフルーツジュース200mLを摂取

  1. 16.7.3ケトコナゾール併用時の薬物動態
Tmax
(h)a)
Cmax
(ng/mL)b)
t1/2
(h)b)
AUClast
(ng・h/mL)b)
単独投与時 3(1-5) 0.32±0.13 20.9±9.0 2.60±1.39
併用投与時c) 4.3(2-5) 4.22±2.05 18.2±5.5 45.17±22.82

a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差 c)ブロナンセリン投与7日前より投与当日までケトコナゾール400mg/日反復経口投与

16.8 その他

  • 〈ブロナンセリン錠2mg「サワイ」〉

  • ブロナンセリン錠2mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、ブロナンセリン錠4mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた24)。

注3)本剤の承認された用法・用量は、成人は1日8~24mgを2回に分けて、小児は1日4mgより開始し8~16mgを2回に分けて食後経口投与である。