Clinical snapshot

ブスコパン錠10mg

ブチルスコポラミン臭化物製剤

添付文書改訂 2023年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1出血性大腸炎の患者

[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]

  1. 2.2閉塞隅角緑内障の患者

[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  1. 2.3前立腺肥大による排尿障害のある患者

[更に尿を出にくくすることがある。]

  1. 2.4重篤な心疾患のある患者

[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]

  1. 2.5麻痺性イレウスの患者

[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

  1. 2.6本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進

  • 胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症

用法・用量

通常成人には、1回1~2錠(ブチルスコポラミン臭化物として10~20mg)を1日3~5回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

眼の調節障害等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1細菌性下痢患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。

  1. 9.1.2前立腺肥大のある患者(排尿障害のある患者を除く)

尿を出にくくすることがある。

  1. 9.1.3うっ血性心不全のある患者

心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4不整脈のある患者

心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5潰瘍性大腸炎の患者

中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。

  1. 9.1.6甲状腺機能亢進症の患者

心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.7高温環境にある患者

汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。

  1. 9.1.8開放隅角緑内障の患者

抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

慎重に投与すること。前立腺肥大を伴っている場合が多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 抗コリン作用を有する薬剤• 三環系抗うつ剤
• フェノチアジン系薬剤
• モノアミン酸化酵素阻害剤
• 抗ヒスタミン剤等
抗コリン作用(口渇、便秘、眼の調節障害等)が増強することがある。 併用により本剤の作用が増強されることがある。
• ドパミン拮抗剤• メトクロプラミド等 相互に消化管における作用を減弱するおそれがある。 本剤は消化管運動を抑制するため、ドパミン拮抗剤の消化管運動亢進作用と拮抗する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 頻度不明
便秘 1〜5%未満
口渇 5%以上
心悸亢進 1〜5%未満
排尿障害 1〜5%未満
散瞳 頻度不明
発疹 1〜5%未満
紅斑 頻度不明
腹部膨満感 1〜5%未満
蕁麻疹 頻度不明
調節障害 1〜5%未満
閉塞隅角緑内障 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頭重感 1〜5%未満
鼓腸 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

副交感神経支配の腹部中空臓器の壁内神経節に作用し、神経刺激伝達を抑制して胃腸管、胆道、泌尿器及び女性生殖器の痙攣を緩解する。

18.2 鎮痙作用

摘出腸管におけるピロカルピン誘発痙攣をアトロピンとほぼ同量で抑制する1) (モルモット)。

18.3 消化管運動抑制作用

  1. 18.3.1静脈内投与により空腸の自動運動をアトロピンと同等に抑制することが、バルーン法を用いて認められている1) (イヌ)。

  2. 18.3.2健康成人に胃、十二指腸及び直腸内投与すると胃、小腸における自動運動及びメトクロプラミド投与による運動亢進を抑制することが、バルーン法を用いて認められている2),3),4) 。

18.4 胃液分泌抑制作用

  1. 18.4.1皮下及び静脈内投与により、基礎及び刺激時の胃液分泌量、酸分泌量、ペプシン分泌量を抑制する5) (ラット)。

  2. 18.4.2ヒトに皮下及び静脈内投与すると、基礎及び刺激時の胃液分泌量、酸分泌量、ペプシン分泌量を抑制することが認められている6) 。

18.5 膀胱内圧上昇抑制作用

  1. 18.5.1静脈内投与により、カルバミルコリンによる膀胱内圧の上昇を抑制し、緊張を低下させる7) (ウサギ)。

  2. 18.5.2健康成人に静脈内投与すると、カルバミルコリンによる膀胱内圧の上昇を抑制し、緊張を低下させる7) 。

18.6 胆のう収縮抑制作用

健康成人に静脈内投与すると、卵黄反射による胆のう収縮を抑制することがX線撮影により認められている8),9) 。