Clinical snapshot

フロリードゲル経口用2%

ミコナゾール

添付文書改訂 2022年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2ワルファリンカリウム、ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル、ロミタピドメシル酸塩、ルラシドン塩酸塩を投与中の患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • カンジダ属による下記感染症

  • 口腔カンジダ症、食道カンジダ症

用法・用量

  • 〈口腔カンジダ症〉

通常、成人にはミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。

  • 〈食道カンジダ症〉

通常、成人にはミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内に含んだ後、少量ずつ嚥下する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1誤嚥を起こすおそれのある患者(嚥下障害、喘息患者等)

投与する際には注意すること。誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。

  1. 9.1.2経口血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミド等)を投与中の患者

血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。低血糖症状をきたした症例が報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。静脈投与による動物実験(ウサギ)において、流産動物数の増加及び死亡・吸収胚数の増加傾向が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。外国において、6ヵ月未満の乳児で誤嚥により窒息を起こした症例が報告されている。

  2. 9.7.2小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。高齢者において誤嚥により窒息を起こした症例が報告されている。

  2. 9.8.2減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤はCYP3A及びCYP2C9と親和性を有するため、これらで代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ワルファリンカリウム• ワーファリン ワルファリンの作用が増強し、重篤な出血あるいは著しいINR上昇があらわれることがある。また、併用中止後も、ワルファリンの作用が遷延し重篤な出血を来したとの報告もある。患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと。 ミコナゾールがワルファリンの代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• ピモジド• オーラップ ピモジドによるQT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• キニジン硫酸塩水和物• キニジン硫酸塩 キニジンによるQT延長等があらわれるおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• トリアゾラム• ハルシオン トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長があらわれるおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• シンバスタチン• リポバス シンバスタチンによる横紋筋融解症があらわれるおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• アゼルニジピン• カルブロック
• オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン• レザルタス配合錠
• ニソルジピン
• ブロナンセリン• ロナセン
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン• クリアミン配合錠
• ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用があらわれるおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• リバーロキサバン• イグザレルト リバーロキサバンの血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• アスナプレビル• スンベプラ アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝胆道系の副作用が発現又は重症化するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• ロミタピドメシル酸塩• ジャクスタピッド ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• ルラシドン塩酸塩• ラツーダ ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 経口血糖降下剤• グリベンクラミド
• グリクラジド
• アセトヘキサミド 等
これらの薬剤の作用を増強することがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• フェニトイン
• カルバマゼピン
これらの薬剤の作用を増強することがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• ドセタキセル
• パクリタキセル
• イリノテカン塩酸塩水和物
これらの薬剤による骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• シクロスポリン シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• タクロリムス水和物
• アトルバスタチン
• ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤• ビンクリスチン硫酸塩
• ビノレルビン酒石酸塩
• ビンブラスチン硫酸塩 等
• ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤• ニフェジピン
• アムロジピンベシル酸塩
• シルニジピン 等
• ベラパミル塩酸塩
• シルデナフィルクエン酸塩
• アルプラゾラム
• ミダゾラム
• ブロチゾラム
• メチルプレドニゾロン
• セレギリン塩酸塩
• エバスチン
• イマチニブメシル酸塩
• ジソピラミド
• シロスタゾール
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
• HIVプロテアーゼ阻害剤• リトナビル
• ロピナビル・リトナビル
• ダルナビル エタノール付加物 等
ミコナゾール又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 ミコナゾールとこれらの薬剤との、代謝における競合的阻害作用によると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALTの上昇等 1〜5%未満
下痢 1%未満
口唇腫脹 1〜5%未満
口渇等 1%未満
口腔内異常感 1〜5%未満
口腔内疼痛 1〜5%未満
味覚異常 1〜5%未満
嘔気・嘔吐 1〜5%未満
発疹等 1〜5%未満
腹鳴 頻度不明
食欲不振 1〜5%未満
黒毛舌 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ミコナゾールは低濃度では主として真菌の膜系(細胞膜及び細胞壁)に作用して、膜透過性の変化を起こし、高濃度では細胞の壊死性変化をもたらして殺菌的に作用するものと考えられている14),15),16),17)。

18.2 カンジダに対する作用

  1. 18.2.1最小発育阻止濃度

Candida属に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった18)(in vitro)。

菌種 MIC(µg/mL)
Candida albicans ≦0.04~20
glabrata ≦0.04~10
krusei 0.16~10
tropicalis 2.5~10
lusitaniae 0.16~2.5
lipolytica 0.08~0.16
guilliermondii 2.5~10
parapsilosis 0.31

培地:Sabouraud dextrose agar

  1. 18.2.2感染治療実験

ラット実験的口腔カンジダ症において、本剤塗布開始1週目から4週目の口腔内生菌数は対照群に比べ有意に減少した19)。

薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1口腔内残存濃度

健康成人男性20例に本剤5g(ミコナゾールとして100mg)を舌上に塗布し、2時間後、4時間後及び6時間後の舌上付着液中のミコナゾール濃度を測定したところ、それぞれ、平均1,342.2µg/mL、326.2µg/mL及び149.0µg/mLであった1)。

16.4 代謝

雄ラットに14C-ミコナゾールを10mg/kg経口投与したところ、投与2時間以降の血漿中放射能濃度の推移は、同用量を雄ラットに静注したときのそれとほぼ一致していた2)が、血漿中未変化体濃度は経口投与1時間後において静注時の1/16以下であった3)ことから、ミコナゾールは肝における初回通過効果による代謝を受けやすいことが示唆された。