- 胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌
【警告】
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
-
2.2テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者
効能・効果
用法・用量
通常、1日量としてドキシフルリジン800~1200mgを3~4回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
-
8.1骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
-
8.2感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1骨髄機能抑制のある患者
骨髄機能抑制が増強するおそれがある。
- 9.1.2感染症を合併している患者
骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
- 9.1.3心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.4消化管潰瘍又は出血のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.5水痘患者
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットで、胎児に骨格変異、化骨遅延等(50mg/kg/日以上)が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤 • (ティーエスワン) |
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。 | ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 他の抗悪性腫瘍剤 | 血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 | 副作用が相互に増強される。 |
| フェニトイン | めまい、眼振、運動失調等のフェニトイン中毒があらわれることがある。 | 機序は不明であるが、フェニトインの血中濃度が上昇する。 |
| ワルファリンカリウム | ワルファリンカリウムの作用を増強し出血傾向があらわれることがあるので、凝固能の変動に注意すること。 | 機序は不明である。 |
| トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤 | 副作用が増強するおそれがある。 | フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALPの上昇 | 1%未満 |
| ALT | 1%未満 |
| AST | 1%未満 |
| BUN上昇 | 1%未満 |
| QT延長 | 頻度不明 |
| T波逆転) | 頻度不明 |
| ビリルビンの上昇 | 1〜5%未満 |
| ふらつき | 1%未満 |
| 下痢(25.3%) | 5%以上 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 光線過敏症 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 口唇炎 | 1%未満 |
| 口渇 | 1%未満 |
| 口角炎 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 咽頭異和感 | 1%未満 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 心悸亢進 | 頻度不明 |
| 心窩部痛 | 1%未満 |
| 心電図異常(ST上昇 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐(12.6%) | 5%以上 |
| 掻痒感 | 1%未満 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化管出血 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 爪異常 | 頻度不明 |
| 発熱 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 皮膚炎 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 眼精疲労 | 1%未満 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 胃潰瘍 | 頻度不明 |
| 胸やけ | 頻度不明 |
| 胸部圧迫感 | 1%未満 |
| 脱毛 | 1%未満 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満感 | 1%未満 |
| 舌しびれ | 頻度不明 |
| 舌炎 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 1%未満 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 食欲不振(11.4%) | 5%以上 |
| 麻痺性イレウス | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本薬は腫瘍組織で高い活性を有する酵素、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNPase)により5-FUに変換され、抗腫瘍効果を発揮する。5-FUはFdUMPに代謝され、ウラシル由来のdUMPと拮抗し、チミジル酸合成酵素によるDNA合成経路を阻害する。また、5-FUはFUTPに変換され、ウラシルと同じくRNAにも取り込まれてF-RNAを生成し、RNAの機能を障害すると考えられている6),11),12),13),14)。
18.2 抗腫瘍効果
マウス可移植性腫瘍(Sarcoma180、Ehrlich癌、Lewis肺癌、結腸癌26等)、及びヌードマウス移植ヒト腫瘍(胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌)に対し抗腫瘍効果が認められた6),15),16),17),18)。
18.3 免疫機能に及ぼす影響
体液性免疫能、細胞性免疫能、及び骨髄機能に対する影響を検討したところ、本薬は他のフッ化ピリミジン誘導体よりも、免疫抑制作用は少ないと考えられた19),20)。
薬物動態
16.1 血中濃度
悪性腫瘍患者4例にドキシフルリジンとして800mgを単回経口投与※したとき、未変化体の血清中濃度は1~2時間後に最高値約1μg/mLに達し、以後速やかに低下した。また、5-FU濃度も1時間後に最高値に達したが、その濃度は未変化体の約1/10と低値であった1)。 ※承認された用法・用量は1日800~1200mg、分3~4である。
図 単回投与後の血清中濃度
16.3 分布
胃癌、大腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌患者にドキシフルリジンとして1200mgを1日3回に分けて3~7日間連日経口投与し、腫瘍組織、隣接正常組織及び血中の5-FU濃度を測定した。腫瘍組織内5-FU濃度は、隣接正常組織及び血中に比べ、高い値を示した2),3),4),5)。
16.4 代謝
ドキシフルリジンは腫瘍組織で高い活性を有する酵素、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼにより5-FUと5-デオキシ-D-リボース-1-リン酸に分解される6)。
16.5 排泄
悪性腫瘍患者6例にドキシフルリジンとして800mgを単回経口投与※したとき、投与後12時間までの主な尿中排泄物は、未変化体、5-FU及びその代謝物、5-デオキシ-D-リビトールであった7)。 ※承認された用法・用量は1日800~1200mg、分3~4である。