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フルコナゾール静注200mg「トーワ」

フルコナゾール注射液

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジド、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロミタピド、ブロナンセリン、ルラシドン

  2. 2.2本剤に対して過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症 真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎

  • 造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

用法・用量

成人 • 〈カンジダ症〉通常、成人にはフルコナゾールとして50~100mgを1日1回静脈内に投与する。
• 〈クリプトコッカス症〉
通常、成人にはフルコナゾールとして50~200mgを1日1回静脈内に投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
• 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉**成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回静脈内に投与する。
小児 • 〈カンジダ症〉通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
• 〈クリプトコッカス症〉
通常、小児にはフルコナゾールとして3~6mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。
• 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉**小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
ただし、1日量として400mgを超えないこと。
新生児 生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。

  2. 8.2血液障害、急性腎障害、肝障害、高カリウム血症、心室頻拍、QT延長、不整脈があらわれるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査、心電図検査等を行うこと。

  3. 8.3本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者(本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2心疾患又は電解質異常のある患者

心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。血中フルコナゾール濃度が持続する。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例報告がある2),3),4)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が認められている5)。

9.7 小児等

新生児においては、投与間隔に留意すること。腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長する。

9.8 高齢者

用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中フルコナゾール濃度が持続するおそれがある。

相互作用

  • 本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する6)。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
トリアゾラム(ハルシオン等) トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある7)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
*キニジン(キニジン硫酸塩)
ピモジド
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsade de pointesを発現するおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル(ジメンシー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アゼルニジピン(カルブロック)
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)
イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロミタピド(ジャクスタピッド) ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ブロナンセリン(ロナセン)
ルラシドン(ラツーダ)
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ワルファリン プロトロンビン時間の延長8)、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある9),10),11),12)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
セレコキシブ セレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロサルタン ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある13)。 本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
• フルバスタチン
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14),15),16)。 本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。
• アトルバスタチン
シンバスタチン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14),15),16)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピン カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある17),18)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ミダゾラム
エプレレノン
メサドン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある19),20)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルシウム拮抗薬
• ニフェジピン等ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬
• ビンクリスチン
ビンブラスチンエリスロマイシン
これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある21)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
タクロリムス22)、シクロスポリン23) これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファブチン リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある24)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リトナビル
ニルマトレルビル・リトナビル
リトナビルのAUC上昇の報告がある。
ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇のおそれがある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
オキシコドン オキシコドンのAUC上昇の報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トルバプタン トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
**リメゲパント **リメゲパントのAUC上昇の報告があり、リメゲパントの副作用が増強されるおそれがある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
イブルチニブ これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ラロトレクチニブ これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
レンボレキサント レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5㎎とすること。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
*バレメトスタット *バレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェンタニル フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある25)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
リバーロキサバン リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
テオフィリン テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊薬
• エチニルエストラジオール
レボノルゲストレル等
エチニルエストラジオール26)、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
スルホニル尿素系血糖降下薬
• クロルプロパミド
グリベンクラミド等
スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある27)。
また、併用により低血糖の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ナテグリニド ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある28)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トレチノイン 中枢神経系の副作用が発現するおそれがある29)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジアゼパム ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある30)。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トファシチニブ トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。 本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
シクロホスファミド ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある31)。 本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。
**エトラシモド **エトラシモドのAUCが84%増加したとの報告がある。 **本剤はエトラシモドの主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりエトラシモドの血中濃度が上昇することがある。
アブロシチニブ アブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。 本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある32),33),34),35)。 本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジドブジン ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある36)。 本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファンピシン 本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある37)。 リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。
三酸化二ヒ素 QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。 本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
BUNの上昇 頻度不明
LDH 頻度不明
クレアチニンの上昇 1%未満
しゃっくり 頻度不明
ビリルビンの上昇 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 1%未満
乏尿 1%未満
低カリウム血症 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 頻度不明
剥脱性皮膚炎 頻度不明
副腎機能不全 頻度不明
口渇 頻度不明
味覚倒錯 頻度不明
嘔吐 1%未満
嘔気 1%未満
好中球減少 1%未満
好酸球増多 1%未満
手指のこわばり 頻度不明
振戦 頻度不明
浮腫 1%未満
消化不良 頻度不明
熱感 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 1%未満
脱毛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部不快感 頻度不明
血管痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 1%未満
高コレステロール血症 頻度不明
高トリグリセリド血症 頻度不明
高血糖 頻度不明
黄疸 1%未満
鼓腸放屁 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

フルコナゾールは真菌細胞において、膜成分のエルゴステロール生合成を抑制することにより抗真菌作用を示す。また、真菌の酵母型発育相及び菌糸型発育相のいずれに対しても発育抑制を示す。フルコナゾールのエルゴステロール生合成阻害作用は真菌に選択的で、ラット肝細胞でのステロール生合成に対する影響は少ない。49),50)

18.2 抗真菌作用

  1. 18.2.1フルコナゾールは、カンジダ属及びクリプトコッカス属に対しin vitro抗真菌活性を示す。カンジダ属及びクリプトコッカス属に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった。50),51)
菌種(株数) MIC(μg/mL)
範囲 50% 90%
Candida albicans(333) ≦0.031~16 0.25 1
Candida glabrata(107) 0.25~>64 16 32
Candida tropicalis(46) 0.5~>64 4 8
Candida parapsilosis(27) 0.25~4 1 2
Candida krusei(14) 32~>64 64 >64
Cryptococcus neoformans(3) 4 - -

MIC測定は、0.165M MOPS及び10N NaOHにてpH7.0に調整したRPIMI1640培地を用いた微量液体希釈法による。

  1. 18.2.2カンジダ属及びクリプトコッカス属の病原真菌を用いたマウス感染防御実験において、フルコナゾールは従来のイミダゾール系抗真菌剤よりも強い効果を示した。52),53)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健常成人

健常成人にフルコナゾール注射剤25mg又は50mgを単回静脈内投与した場合、血漿中濃度は用量に比例し、それぞれ0.76μg/mL、1.33μg/mLであり(投与後6分の値)、血漿中濃度半減期はいずれの用量でも約30時間であった。また、健常成人にフルコナゾール注射剤25mg又は50mgを1日1回7日間静脈内投与したときの血漿中濃度は、初回投与時の約2倍であったと報告している。41),42)

16.3 分布

  1. 16.3.1組織内移行

フルコナゾール注射剤の静脈内投与により患者の髄液中への良好な移行が認められた。また、髄液中のフルコナゾール濃度は血清中濃度の52~62%であったと報告されている。43),44)

  1. 16.3.2蛋白結合率

フルコナゾールのヒト血漿蛋白に対する結合率は、類似化合物に比較して低く、約10%であった。42)

16.4 代謝

フルコナゾール100mgをヒトに経口投与した場合、尿中代謝物として1、2、4-トリアゾールがわずかに認められた。投与量の約77%がフルコナゾール未変化体として尿中に排泄された。42)

16.5 排泄

フルコナゾール注射剤25mg又は50mgを健常成人に単回静脈内投与したとき、尿中フルコナゾール濃度は用量に対応して増加し、いずれの用量においても投与5日目までの未変化体の尿中排泄率は投与量のほぼ70%であった。41)