Clinical snapshot

ファブラザイム点滴静注用5mg

アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2022年06月01日

【警告】

本剤投与により重篤なアナフィラキシーが発現する可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はα-ガラクトシダーゼ製剤に対するアナフィラキシーショックの既往歴のある患者

効能・効果

ファブリー病

用法・用量

通常、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを隔週、点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤はたん白質製剤であるため、アナフィラキシーショックが起こる可能性は否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。

  2. 8.2本剤投与によりinfusion reaction(IR)が発現する可能性がある。次回投与に際しては、下表を参考とすること。

IRの重症度及び頻度 軽度~中等度のIRの初回又は再発 重度のIRの初回又は再発
前投薬 投与開始1時間前
・抗ヒスタミン剤
・解熱鎮痛剤/抗炎症剤
投与開始約12時間、6時間及び1時間前
・副腎皮質ホルモン剤
投与開始1時間前
・抗ヒスタミン剤
・解熱鎮痛剤/抗炎症剤
投与速度 0.15mg/分より開始し、異常が見られなければ徐々に0.25mg/分まで投与速度を上げる。
  1. 8.3Infusion reactionの発現を予測するため定期的にアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。投与により、大部分の患者でIgG抗体産生が予想され、そのような患者はinfusion reactionを発現しやすいと考えられる。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本剤の成分又はα-ガラクトシダーゼ製剤に対する過敏症の既往歴のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒症 頻度不明
低血圧 1%未満
体温変動感 頻度不明
動悸 1%未満
呼吸困難 頻度不明
呼吸窮迫 1%未満
咳嗽 頻度不明
喘鳴 1%未満
嘔吐 頻度不明
好酸球増加症 1%未満
徐脈 1%未満
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
流涙増加 1%未満
潮紅 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
胃腸炎 1%未満
背部痛 1%未満
胸痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
錯感覚 1%未満
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
高血圧 1%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、ファブリー病の主に内皮細胞及び実質細胞中に蓄積する糖脂質(特にGL-3)のリソソーム内加水分解酵素α-ガラクトシダーゼAの遺伝子組換え製剤である。

18.2 薬理作用

α-ガラクトシダーゼ ノックアウトマウスに静脈内投与した結果、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、皮膚の組織中及び血漿中のGL-3の有意な減少が認められた10) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人のファブリー病患者(13名)に、本剤1.0mg/kgを単回点滴静注したときの血中濃度は、投与終了時に最高値1,531±551ng/mLを示し、消失半減期は96.7±24.7分、クリアランスは3.0±0.9mL/分/kg、血中濃度曲線下面積は362,213±107,244分・ng/mLであった3) 。

16.3 分布

本剤3mg/kgをα-ガラクトシダーゼ ノックアウトマウスに静脈内投与したところ、ほとんどのα-ガラクトシダーゼ活性は肝臓で検出され、脾臓、腎臓、肺、心臓でもわずかに検出された4) 。

16.4 代謝

組織内消失半減期は、脾臓5.6日、肝臓3.6日、心臓1.3日、腎臓0.7日であった5) 。