Clinical snapshot

ファダプス錠10mg

アミファンプリジンリン酸塩

添付文書改訂 2025年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 てんかん等の痙攣性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2本剤の成分(アミファンプリジン)又は他のアミノピリジン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善

用法・用量

通常、成人にはアミファンプリジンとして初期用量1回5mgを1日3回経口投与する。患者の状態に応じて、1回投与量として5~30mgの範囲で適宜増減し、1日3~5回経口投与するが、増量は3日以上の間隔をあけて1日用量として5mgずつ行うこと。なお、1日用量は100mgを超えないこと。

使用上の注意

浮動性めまい、疲労、霧視、痙攣発作等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1痙攣発作の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

本剤の血中濃度が上昇することがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤の血中濃度が上昇することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で母体毒性による二次的な影響と考えられる死産の増加が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は主にN-アセチル転移酵素(NAT)2により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 痙攣発作の閾値を低下させる薬剤• 三環系抗うつ薬• イミプラミン塩酸塩等
• フェノチアジン系及びブチロフェノン系抗精神病薬• クロルプロマジン、ハロペリドール等
• 非定型抗精神病薬• リスペリドン等
痙攣発作のリスクが高まる可能性がある。 本剤と併用することにより、痙攣発作の閾値を低下させる。
• コリン作動薬• アセチルコリン塩化物等 本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
• コリンエステラーゼ阻害薬• ピリドスチグミン、リバスチグミン等 本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬では痙攣発作のリスクが高まる可能性があることに注意すること。
本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬は痙攣発作の閾値を低下させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 頻度不明
アカシジア 頻度不明
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 頻度不明
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 頻度不明
うつ病 頻度不明
コリン作動性症候群 頻度不明
ストレス 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ブレインフォグ 頻度不明
ほてり 頻度不明
レイノー現象 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不眠症 頻度不明
不随意性筋収縮 頻度不明
会話障害 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
健忘 頻度不明
傾眠 頻度不明
全身健康状態悪化 頻度不明
冷感 頻度不明
動悸 頻度不明
口の感覚鈍麻 頻度不明
口の錯感覚 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口腔内潰瘍形成 頻度不明
口腔内痛 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽喉刺激感 頻度不明
嗜眠 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
四肢不快感 頻度不明
四肢痛 頻度不明
多汗症 頻度不明
失語症 頻度不明
平衡障害 頻度不明
心房細動 頻度不明
心拍数増加 頻度不明
怠惰 頻度不明
急性呼吸不全 頻度不明
急性腎障害 頻度不明
息詰まり 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
意識消失 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
感覚障害 頻度不明
慢性閉塞性肺疾患 頻度不明
挫傷 頻度不明
振戦 頻度不明
排便回数増加 頻度不明
接触性皮膚炎 頻度不明
末梢冷感 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢腫脹 頻度不明
構語障害 頻度不明
歩行不能 頻度不明
歩行障害 頻度不明
気分変化 頻度不明
注意力障害 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
消化不良 頻度不明
湿性咳嗽 頻度不明
灼熱感 頻度不明
無力症 頻度不明
片頭痛 頻度不明
状態悪化 頻度不明
異常感 頻度不明
異常感覚 頻度不明
疲労 頻度不明
発声障害 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白内障 頻度不明
眼痛 頻度不明
眼瞼下垂 頻度不明
眼瞼痙攣 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肋骨骨折 頻度不明
肝酵素上昇 頻度不明
肺塞栓症 頻度不明
肺腫瘤 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃腸障害 頻度不明
胃食道逆流性疾患 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸水 頻度不明
胸痛 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脱水 頻度不明
腎結石症 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中カリウム減少 頻度不明
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
複視 頻度不明
視力障害 頻度不明
記憶障害 頻度不明
譫妄 頻度不明
貧血 頻度不明
転倒 頻度不明
運動性低下 頻度不明
運動障害 頻度不明
酸素飽和度低下 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節損傷 頻度不明
関節痛 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭部損傷 頻度不明
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
鼻漏 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アミファンプリジンは電位依存性K+チャネルを遮断することで、神経筋接合部におけるシナプス前終末の脱分極時間を延長し、シナプス間隙へのアセチルコリン放出の亢進を介して神経筋伝達を増強することにより、ランバート・イートン筋無力症候群患者における筋力低下を改善すると考えられている12),13) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に本剤5、10、20、30mgを食後に単回経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。

投与量
(mg)
NAT2
遺伝子型
例数 Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
5 RA 6 3.98±1.71 0.63
(0.50, 1.50)
0.603±0.304 3.57±0.585
SA 6 17.9±4.43 0.75
(0.50, 1.50)
2.22±0.855 32.1±7.34
10 RA 6 9.91±5.28 0.75
(0.33, 1.50)
1.21±0.279 11.1±1.90
SA 6 34.4±21.6 1.38
(0.33, 1.50)
2.60±0.688 68.9±12.8
20 RA 6 16.2±4.56 0.88
(0.75, 1.50)
1.23±0.309 26.2±2.62
SA 6 56.7±16.1 1.25
(0.17, 1.50)
2.93±0.588 146±31.4
30 RA 6 25.5±7.17 0.75
(0.33, 1.50)
1.65±0.634 45.2±6.44
SA 6 89.6±9.05 1.25
(0.75, 2.00)
3.11±0.572 234±44.7

平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値) RA:rapid acetylator、SA:slow acetylator

図1 健康成人に本剤20mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの血漿中濃度推移

  1. 16.1.2反復投与

  2. (1)健康成人

健康成人に本剤20mgを1日4回4時間間隔で食後に反復経口投与したときの投与4日目の1回目投与後のNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった2) (外国人データ)。

NAT2
遺伝子型
例数 Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
RA 5 13.6±6.6 0.75
(0.50, 1.50)
1.95±0.723 31.9±10.1
SA 5 72.5±43.9 1.25
(0.50, 2.00)
3.24±1.03 190±33.4

平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値)

  1. (2)ランバート・イートン筋無力症候群患者

ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤20mgを1日3又は4回食事とともに反復経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった3) (外国人データ)。

NAT2
遺伝子型
例数 Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
AUC0-4h
(ng・h/mL)
RA 3 26.6±19.3 0.50
(0.50, 1.50)
58.2±43.6
IM 7 54.5±29.6 0.50
(0.25, 4.00)
92.7±71.1
SA 18 108±67.1 1.50
(0.25, 4.00)
197±69.4

平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値, 最大値) IM:intermediate acetylator

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人47例に本剤20mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下投与時と比較して、Cmaxは43.7%低下し、tmaxは約0.5時間遅延し、AUC0-∞は17.7%低下した4) (外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿タンパク結合率

血漿タンパク結合率(in vitro、ヒト血漿、アミファンプリジン濃度0.3~10μmol/L)は8~12%であった5) 。

16.4 代謝

アミファンプリジンは主にNAT2により、N-(4-aminopyridin-3-yl)acetamide(3-N-アセチル体)に代謝される6) 。なお、NAT2には遺伝子多型(rapid acetylator(RA)、intermediate acetylator(IM)又はslow acetylator(SA))が存在し、日本人でのSAの割合は10%程度である7) 。

16.5 排泄

健康な被験者に本剤を経口投与したとき、24時間以内に投与量の93~100%がアミファンプリジン又は3-N-アセチル体として尿中に排泄された4) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害を有する被験者(軽度(CLcr50~80mL/min)、中等度(CLcr30~50mL/min)及び重度(CLcr30mL/min未満)、各群8例)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるAUC0-∞は、腎機能が正常な被験者(CLcrが80mL/min超)と比較してSAの被験者ではそれぞれ1.3、2.1及び1.9倍、RAの被験者ではそれぞれ1.5、1.4及び3.0倍に上昇した8) (外国人データ)。

NAT2
遺伝子型
腎機能 例数 Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
RA 正常 4 7.65±3.23 1.63±0.75 10.73±0.20a)
軽度 4 11.08±4.69 1.86±0.25 16.05±3.46a)
中等度 4 8.33±2.74 1.72±0.63 14.34±6.80a)
重度 4 9.48±5.30 1.64±1.17a) 11.9, 53.6b)
SA 正常 4 38.63±9.16 2.71±1.26 59.07±10.28
軽度 4 33.48±13.10 2.95±0.32 81.29±33.37
中等度 4 52.53±5.16 3.89±0.32 126.06±17.51
重度 4 44.05±12.88 3.17±1.07 118.60±37.12

平均値±標準偏差 a)3例、b)個別値

  1. 16.6.2肝機能障害患者

中等度の肝機能障害を有する被験者(Child-Pugh分類B)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、肝機能が正常な被験者と比較して、中等度の肝機能障害を有するIMの被験者では、Cmaxは1.4倍、AUC0-∞は1.7倍に上昇した9) (外国人データ)。

NAT2
遺伝子型
肝機能 例数 Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
IM 正常 4 19.72±9.34 1.97±0.53 33.63±24.20
中等度 3 29.92±18.94 1.78±0.85 51.46±29.59
SA 正常 5 33.43±12.11 2.78±1.12 61.66±21.20
中等度 4 37.96±18.43 3.05±0.87a) 67.85±28.68a)

平均値±標準偏差 a)3例