Clinical snapshot

ビミジム点滴静注液5mg

エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)点滴静注用製剤

添付文書改訂 2026年03月01日

【警告】

  1. 1.1Infusion reactionのうち重篤なアナフィラキシー反応が発現する可能性があるので、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与中及び投与終了後は十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2急性熱性又は呼吸器疾患のある患者に投与した場合、過敏症反応により症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対してアナフィラキシーショックの既往歴のある患者

効能・効果

ムコ多糖症IVA型

用法・用量

通常、エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり2mgを週1回、点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤はたん白質製剤であり、重篤なアナフィラキシー反応が発現する可能性があるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。

  2. 8.2Infusion reactionが、本剤の投与中又は投与終了翌日までに発現することがある。臨床試験で認められた主な症状は頭痛、悪心、嘔吐、発熱、悪寒及び腹痛であった。Infusion reactionが発現した場合には、その重症度により、投与速度を下げるか、投与を一旦中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は副腎皮質ホルモン剤の投与)や緊急処置を行うこと。また、重度のinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、本剤投与の再開については、有益性と危険性を考慮し決定すること。

  3. 8.3脊髄/頚髄圧迫はムコ多糖症IVA型患者に認められる重度の合併症であるため、脊髄/頚髄圧迫の徴候や症状(背部痛、圧迫レベル以下の四肢麻痺、尿失禁、便失禁等)を観察し、適切な処置を行うこと。

  4. 8.4本剤の投与により抗体産生が予測されるため、定期的にエロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する抗体検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1急性熱性又は呼吸器疾患のある患者

過敏症反応によって症状の急性増悪が起こる可能性がある。投与前及び投与中は患者の状態を観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。また、投与日を遅らせることを考慮すること。

  1. 9.1.2本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.3遺伝性果糖不耐症の患者

本剤の添加剤ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能に高度な障害のある患者

当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝機能に高度な障害のある患者

当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中への移行が報告されているが、ヒト母乳中への移行は不明である。

9.7 小児等

5歳未満の小児を対象とした安全性及び有効性を検討した国内臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意すること。生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 頻度不明
上部腹痛 頻度不明
下痢 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
腹痛 頻度不明
過敏症 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ムコ多糖症IVA型はライソゾーム酵素であるN-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ(GALNS)の遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。GALNS活性が低下することにより、グリコサミノグリカン(ケラタン硫酸及びコンドロイチン-6-硫酸等)が蓄積し、骨格形成不全、筋骨格障害又は呼吸機能不全を呈する。本剤はGALNSに高マンノース型糖鎖及びリン酸化高マンノース型糖鎖を付加させた糖タンパク質であり、カチオン非依存性マンノース-6-リン酸受容体を介してライソゾーム内に取り込まれ、ライソゾーム内に蓄積したグリコサミノグリカンの異化を亢進し、蓄積を減少させる5)。

薬物動態

16.1 血中濃度

5~41歳のムコ多糖症IVA型患者23例(日本人:2例)に本剤2mg/kg/週を約4時間かけて静注したときの投与開始日及び第22週における薬物動態パラメータは下表のとおりであった1)。

薬物動態パラメータ 投与開始日 第22週
AUC0-t(min・μg/mL) 238±100
(n=22)
577±416
(n=22)
Cmax(μg/mL) 1.49±0.534
(n=22)
4.04±3.24
(n=22)
Tmax(min) 172±75.3
(n=22)
202±90.8
(n=22)
CL(mL/min/kg) 10.0±3.73
(n=15)
7.08±13.0
(n=20)
Vdss(mL/kg) 396±316
(n=14)
650±1842
(n=20)
t1/2(min) 7.52±5.48
(n=15)
35.9±21.5
(n=20)

平均値±標準偏差

16.3 分布

マウスに蛍光標識したエロスルファーゼ アルファ(10mg/kg)を反復静脈内投与したとき、大腿骨の成長板、心臓の僧帽弁、肝臓の類洞細胞及びクッパー細胞等において蛍光が認められた。僧帽弁では蛍光はライソゾーム区画中に認められた2)。