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ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg「日新」

ビソプロロールフマル酸塩

添付文書改訂 2024年04月01日

【警告】

  • 〈慢性心不全〉
  1. 1.1慢性心不全治療の経験が十分にある医師のもとで使用すること。

  2. 1.2投与初期及び増量時に症状が悪化することに注意し、慎重に用量調節を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある。]

  3. 2.3心原性ショックのある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。]

  4. 2.4肺高血圧による右心不全のある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。]

  5. 2.5強心薬又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]

  6. 2.6非代償性の心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]

  7. 2.7重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

  8. 2.8未治療の褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者

  9. 2.9*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

○本態性高血圧症(軽症~中等症) ○狭心症 ○心室性期外収縮 ○次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全 ○頻脈性心房細動

効能又は効果 錠0.625mg 錠2.5mg 錠5mg
本態性高血圧症(軽症~中等症)
狭心症
心室性期外収縮
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
頻脈性心房細動

○:効能あり -:効能なし

用法・用量

  • 〈本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮〉

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、5mgを1日1回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全〉

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回0.625mg経口投与から開始する。1日1回0.625mgの用量で2週間以上経口投与し、忍容性がある場合には、1日1回1.25mgに増量する。その後忍容性がある場合には、4週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。用量の増減は1回投与量を0.625、1.25、2.5、3.75又は5mgとして必ず段階的に行い、いずれの用量においても、1日1回経口投与とする。通常、維持量として1日1回1.25~5mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により、開始用量は更に低用量に、増量幅は更に小さくしてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。

  • 〈頻脈性心房細動〉

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回2.5mg経口投与から開始し、効果が不十分な場合には1日1回5mgに増量する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。また、必要に応じアトロピンを使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

  2. 8.2類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること。

  3. 8.3手術前48時間は投与しないことが望ましい。

  4. 8.4めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  • 〈慢性心不全〉
  1. 8.5慢性心不全患者に投与する場合には、本剤の投与初期及び増量時は、入院下で投与することが望ましい。

  2. 8.6重症慢性心不全患者に対する本剤の投与では特に慎重な管理を要するので、投与初期及び増量時は入院下で投与すること。

  3. 8.7本剤の投与初期及び増量時は、心不全の悪化、浮腫、体重増加、めまい、低血圧、徐脈、血糖値の変動及び腎機能の悪化が起こりやすいので、観察を十分に行い、忍容性を確認すること。

  4. 8.8本剤の投与初期又は増量時における心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)を防ぐため、本剤の投与前に体液貯留の治療を十分に行うこと。心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)がみられ、利尿薬増量で改善がみられない場合には本剤を減量又は中止すること。低血圧、めまいなどの症状がみられ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬や利尿薬の減量により改善しない場合には本剤を減量すること。高度な徐脈を来たした場合には、本剤を減量すること。また、これら症状が安定化するまで本剤を増量しないこと。

  5. 8.9本剤の投与を急に中止した場合、心不全が一過性に悪化するおそれがあるので、本剤を中止する場合には、急に投与を中止せず、原則として徐々に減量し中止すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1気管支喘息、気管支痙れんのおそれのある患者

気管支を収縮させ、症状を発現させるおそれがある。

  1. 9.1.2特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者

血糖値に注意すること。低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい。

  1. 9.1.3甲状腺中毒症の患者

  2. (1)休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。

  3. (2)頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。

  4. 9.1.4末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)

末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.5徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者

心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.6過度に血圧の低い患者

血圧を更に低下させるおそれがある。

  1. 9.1.7異型狭心症の患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.8乾癬の患者又は乾癬の既往のある患者

症状を悪化又は誘発させるおそれがある。

  1. 9.1.9褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者

本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。

  • 〈頻脈性心房細動〉
  1. 9.1.10心不全を合併する患者

心機能検査を行う等、観察を十分に行うこと。心不全の症状を悪化させる可能性がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

薬物の排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察すること。また、出生後も新生児の状態を十分に観察し、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

*妊婦にβ遮断薬を投与した場合に、胎児の発育不全、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等が認められたとの報告がある。また、動物実験(ラット、ウサギ)で胎児毒性(致死、発育抑制)及び新生児毒性(発育毒性等)が報告されている(安全域注1) :ラット胎児で58倍、ウサギ胎児で39倍、ラット新生児で19倍)。

*

注1)本剤の最大臨床用量の5mgと動物試験における体表面積換算した無毒性量(体表面積換算に基づくヒト等価用量)との比較による。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等がおこるおそれがある。

  • 徐脈等の心拍数・心リズム障害があらわれやすいので、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。

  • 休薬を要する場合は、徐々に減量する。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤
• レセルピン等
過剰の交感神経抑制作用(徐脈、血圧低下等)があらわれることがある。
異常が認められた場合には両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
血糖降下剤
• インスリン製剤等
血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがある。
血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。
β2遮断により肝臓でのグリコーゲン分解が抑制される。また、低血糖時に分泌されるアドレナリンにより生じる低血糖症状をマスクする。
Ca拮抗剤
• ベラパミル塩酸塩
• ジルチアゼム塩酸塩等
徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。
定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ジギタリス製剤
• ジゴキシン
• メチルジゴキシン
徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。
定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させる。特にCa拮抗剤との3剤併用時には注意を要する。
クロニジン塩酸塩
グアナベンズ酢酸塩
クロニジン、グアナベンズ投与中止後のリバウンド現象(急激な血圧上昇)が増強することがある。
クロニジンを中止する場合は、あらかじめ本剤の投与中止等適切な処置を行う。
クロニジンを中止した場合、血中ノルアドレナリンが上昇する。β遮断剤と併用している場合、クロニジンの中止により、α作用が強調され、より急激な血圧上昇を起こす。グアナベンズも作用機序から同様な反応が予測される。
クラスⅠ抗不整脈剤
• リン酸ジソピラミド
• プロカインアミド塩酸塩等クラスⅢ抗不整脈剤
• アミオダロン塩酸塩
過度の心機能抑制(徐脈、低血圧等)があらわれることがある。
臨床症状を観察し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
非ステロイド性抗炎症剤
• インドメタシン等
本剤の降圧作用が減弱することがある。 非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
降圧作用を有する薬剤
• 降圧剤
• 硝酸剤
降圧作用が増強することがある。
定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する。
相加的に作用(降圧作用)を増強させる。
フィンゴリモド塩酸塩 フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。 共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUNの上昇 1〜5%未満
CKの上昇 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTPの上昇 1〜5%未満
クレアチニン 1〜5%未満
しびれ感 1〜5%未満
ビリルビン 1〜5%未満
ふらつき 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 頻度不明
不眠 1〜5%未満
低血圧 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
呼吸困難 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
四肢冷感 1〜5%未満
尿糖 1〜5%未満
尿酸 1〜5%未満
徐脈 1〜5%未満
心室性期外収縮 1〜5%未満
心房細動 頻度不明
心胸比増大 1〜5%未満
悪夢 頻度不明
悪寒 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
房室ブロック 頻度不明
気分不快感 1〜5%未満
気管支痙れん 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
涙液分泌減少 頻度不明
疲労感 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
皮膚そう痒感 頻度不明
眠気 1〜5%未満
立ちくらみ 1〜5%未満
糖尿病増悪 頻度不明
肝腫大 頻度不明
胃部不快感 1〜5%未満
胸痛 頻度不明
脱力感 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
血清脂質の上昇 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛・頭重感 1〜5%未満
頻尿 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ビソプロロールフマル酸塩はβ1受容体選択性遮断薬である。内因性交感神経刺激作用(ISA)や膜安定化作用(局所麻酔作用、Na+チャネル抑制作用)はない。現在の同効薬のなかで、β1受容体に対する選択性は最も高いものの1つである5) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験
  • 〈ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「日新」〉

ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「日新」とメインテート錠2.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ビソプロロールフマル酸塩として5mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された2) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0‒36
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「日新」 260.84±44.40 23.10±4.64 3.1±0.7 8.1±1.6
    メインテート錠2.5mg 264.62±58.74 22.70±4.32 2.9±0.7 8.0±1.9

(Mean±S.D., n=20)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈ビソプロロールフマル酸塩錠5mg「日新」〉

ビソプロロールフマル酸塩錠5mg「日新」とメインテート錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ビソプロロールフマル酸塩として5mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された3) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0‒32
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    ビソプロロールフマル酸塩錠5mg「日新」 347.33±46.87 28.32±5.59 2.00±0.93 8.97±0.77
    メインテート錠5mg 353.19±58.26 26.73±4.46 1.80±0.56 8.98±0.92

(Mean±S.D., n=15)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.8 その他

  • 〈ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg「日新」〉

ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg「日新」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「日新」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた4) 。