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ヒドロキシクロロキン硫酸塩錠200mg「DSEP」

ヒドロキシクロロキン硫酸塩錠

添付文書改訂 2026年04月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の投与は、本剤の安全性及び有効性についての十分な知識とエリテマトーデスの治療経験をもつ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者についてのみ実施すること。

  2. 1.2本剤の投与により、網膜症等の重篤な眼障害が発現することがある。網膜障害に関するリスクは用量に依存して大きくなり、また長期に服用される場合にも網膜障害発現の可能性が高くなる。このため、本剤の投与に際しては、網膜障害に対して十分に対応できる眼科医と連携のもとに使用し、本剤投与開始時並びに本剤投与中は定期的に眼科検査を実施すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2網膜症(ただし、SLE網膜症を除く)あるいは黄斑症の患者又はそれらの既往歴のある患者[副作用として網膜症、黄斑症、黄斑変性が報告されており、このような患者に投与するとこれらの症状が増悪することがある。]

  3. 2.3低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児

効能・効果

皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス

用法・用量

通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投与する。 ただし、1日の投与量はブローカ式桂変法により求められる以下の理想体重に基づく用量とする。 女性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.85 男性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.9

  • 理想体重が31kg以上46kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)を経口投与する。

  • 理想体重が46kg以上62kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)と1日1回2錠(400mg)を1日おきに経口投与する。

  • 理想体重が62kg以上の場合、1日1回2錠(400mg)を経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与に際しては、事前に両眼の視力、中心視野、色覚等を、視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、眼底検査(眼底カメラ撮影、OCT(光干渉断層計)検査を含む)、視野テスト、色覚検査の眼科検査により慎重に観察すること。本剤の投与により、眼障害があらわれることがあるので、定期的に眼科検査を行うこと。長期にわたって投与する場合には、少なくとも年に1回これらの眼科検査を実施すること。また、以下の患者に対しては、より頻回に検査を実施すること。
  • 累積投与量が200gを超えた患者

  • 肝機能障害患者又は腎機能障害患者

  • 視力障害のある患者

  • 高齢者

  1. 8.2視野異常等の機能的な異常は伴わないが、眼科検査(OCT検査等)で異常が認められる患者に対しては、より頻回に眼科検査を実施するとともに、投与継続の可否を慎重に判断すること。

  2. 8.3視力低下や色覚異常等の視覚障害が認められた場合は、直ちに投与を中止すること。網膜の変化や視覚障害は投与中止後も進行する場合があるので、投与を中止した後も注意深く観察すること。

  3. 8.4本剤を服用する患者に対し、低血糖のリスク、低血糖の臨床徴候・症状及び対処方法について十分に説明した後、患者が理解したことを確認すること。

  4. 8.5長期投与する場合には定期的に骨格筋検査、腱反射検査、血中クレアチンキナーゼ測定を行うこと。

  5. 8.6長期投与する場合には定期的に患者の血液学的検査を行うこと。

  6. 8.7視調節障害、霧視等の視覚異常や低血糖症状があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作や高所での作業等には注意させること。

  7. 8.8リン脂質の蓄積に関連する症状が心臓、腎臓、筋肉、神経系等の臓器・組織にあらわれることがある。観察を十分に行い、リン脂質の蓄積に関連する副作用が疑われる場合は、本剤の投与中止を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1キニーネに過敏症を有する患者

皮膚反応のリスクが高くなることがある。

  1. 9.1.2グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のある患者

溶血を起こすおそれがある。

  1. 9.1.3ポルフィリン症の患者

症状が増悪することがある。

  1. 9.1.4乾癬の患者

皮膚症状が増悪することがある。

  1. 9.1.5胃腸障害、神経系障害、血液障害のある患者

これらの症状が増悪することがある。

  1. 9.1.6SLE網膜症を有する患者

本剤投与による有益性と危険性を慎重に評価した上で、使用の可否を判断し、投与する場合は、より頻回に眼科検査を実施すること。

  1. 9.1.7眼障害のリスク因子を有する患者

9.2 腎機能障害患者

本剤は尿中に未変化体が排泄されることから、腎機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。

9.3 肝機能障害患者

本剤は代謝を受けることから、肝機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があること、及びそのために避妊を行うことが望ましいことを十分に説明し理解を得た上で投与すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があることを十分に説明し理解を得た上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤と化学構造及び薬理学的作用が類似しているクロロキンでは、生殖発生毒性が示唆されており、本剤においても催奇形性・胎児毒性(出生児の発育遅延等)が発現する可能性は否定できない。また、分布試験において、妊娠有色マウスにクロロキンの標識体を静脈内投与したとき、クロロキンは胎盤を速やかに通過し、マウス胎児の網膜に選択的に放射能が認められた。また、放射能は5ヵ月間残存した。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒドロキシクロロキンはヒト乳汁中へ移行することが報告されている。4-アミノキノリン化合物の毒性作用は乳児に対して極めて感受性が高いことが知られている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児

投与しないこと。4-アミノキノリン化合物の毒性作用に感受性が高い。

9.8 高齢者

眼科検査を頻回に実施すること。腎機能等の生理機能が低下していることが多く、ヒドロキシクロロキンの排泄遅延により網膜障害があらわれるおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ジゴキシン 本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度を上昇させるとの報告がある。併用する場合には血中ジゴキシン濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 in vitro試験で本剤のP糖蛋白阻害作用が報告されている。
• シクロスポリン 本剤との併用により、シクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 in vitro試験で本剤のP糖蛋白阻害作用が報告されている。
• インスリン
• 糖尿病用薬
本剤との併用により、これらの糖尿病用薬の血糖降下作用が強くあらわれる可能性があるため、必要に応じインスリン又は糖尿病用薬の投与量の減量を考慮すること。 糖尿病用薬の併用の有無を問わず、本剤の投与により重度の低血糖を起こすことがある。
• QT延長を起こすことが知られている薬剤• アミオダロン
• モキシフロキサシン等
心室性不整脈のリスクが増大するおそれがある。 共にQT延長を引き起こすおそれがあるため。
• シメチジン 併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 本剤と類似の構造を有するクロロキンと、CYP2C8、CYP3A4等のCYP分子種の阻害作用を有するシメチジンを併用したとき、クロロキンの血中濃度が2倍になったとの報告がある。
• 抗マラリア薬• メフロキン等 痙攣閾値を低下させる抗マラリア薬を併用すると痙攣のリスクが上昇することがある。 本剤は痙攣閾値を低下させるとの報告がある。
• 抗てんかん薬• フェニトイン
• カルバマゼピン等
本剤との併用により、抗てんかん薬の作用が減弱する可能性がある。 機序不明
• プラジカンテル 本剤と類似の構造を有するクロロキンとの併用により、プラジカンテルの生物学的利用率が低下するとの報告がある。このため、本剤との併用においても同様にプラジカンテルの生物学的利用率を低下させる可能性がある。 機序不明
• アガルシダーゼ 本剤との併用により、α-ガラクトシダーゼの作用が減弱する可能性がある。 機序不明
• タモキシフェン
• ビガバトリン
併用により網膜障害のリスクが増大するおそれがある。 共に網膜障害を引き起こす可能性があるため。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ジストニア・ジスキネジア・振戦等の錐体外路障害 頻度不明
そう痒症 頻度不明
下痢 5%以上
中毒性皮疹 頻度不明
伝導障害 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
光輪視 頻度不明
全身性皮疹 頻度不明
口唇炎 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
帯状疱疹 頻度不明
心室肥大 頻度不明
感情不安定 頻度不明
感覚運動障害 頻度不明
房室ブロック 頻度不明
毛髪の変色 頻度不明
気管支炎 頻度不明
気管支痙攣 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
爪囲炎 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
眼乾燥 頻度不明
硝子体浮遊物 頻度不明
神経伝導検査異常 頻度不明
神経痛 頻度不明
神経過敏 頻度不明
精神症状 頻度不明
結膜炎 頻度不明
網脈絡膜萎縮 頻度不明
網膜色素沈着 頻度不明
羞明 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肋間神経痛 頻度不明
肝機能検査異常 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胃食道逆流性疾患 頻度不明
脚ブロック 頻度不明
脱毛症 頻度不明
腎盂腎炎 頻度不明
腱反射減退 頻度不明
腹痛 頻度不明
色素沈着障害 頻度不明
色覚異常 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
薬疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
蜂巣炎 頻度不明
血尿 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
視野欠損 頻度不明
角膜浮腫 頻度不明
角膜混濁 頻度不明
限局性感染 頻度不明
難聴 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ヒドロキシクロロキンの皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスに対する薬効には、主にリソソーム内へのヒドロキシクロロキンの蓄積によるpHの変化とそれに伴うリソソーム内の種々の機能の抑制が関与しているものと推察される12)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1ヒドロキシクロロキンは全身性エリテマトーデスモデルであるMRL/lprマウスの皮膚症状を抑制した13)。

  2. 18.2.2ヒドロキシクロロキンは全身性エリテマトーデスモデルであるNZB/W F1マウスにおいて血管内皮及び腎保護作用を示した14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

外国人健康成人5例にヒドロキシクロロキン155mg注1)を単回経口投与したとき、終末相の消失半減期は全血及び血漿で、それぞれ約50日及び32日であった1)。

注1)本剤の承認された用法及び用量は通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投与である。

  1. 16.1.2反復投与

皮膚エリテマトーデスと診断された日本人患者90例(全身性エリテマトーデスの合併の有無を問わない)にヒドロキシクロロキン硫酸塩錠を1日1回200~400mg(理想体重当たり6.5mg/kgを超えない)反復経口投与したときの定常状態における全血中ヒドロキシクロロキン濃度を用い、母集団薬物動態解析により求めた薬物動態パラメータを以下に示す2),3)。

投与量(mg/day)
(理想体重の範囲)
200mg
(31kg以上46kg未満)
200mgと400mgを1日おき
(46kg以上62kg未満)
400mg
(62kg以上)
Cmax(μg/mL) 0.63±0.22 0.94±0.19 0.85±0.17
Tmax(hr) 4.0±0.1 4.0±0.1 4.0±0.1
AUC(μg・hr/mL) 13.2±5.3 16.6±4.8 16.5±4.2
Ctrough(μg/mL) 0.46±0.22 0.50±0.19 0.52±0.17
t1/2(hr) 41.4±16.6 34.7±10.0 25.9±6.6
CL/F(L/hr) 17.5±7.9 19.8±6.9 25.6±6.1

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ

健康成人にヒドロキシクロロキンを経口投与したときの全血中ヒドロキシクロロキンに基づく絶対的バイオアベイラビリティは約70%であった4),5)(外国人データ)。

  1. 16.2.2食事の影響

健康成人にヒドロキシクロロキンを空腹時及び食後に単回経口投与したとき、全血中ヒドロキシクロロキンのCmaxはそれぞれ223.5及び214.4ng/mL、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ0.67及び0.64であった5)(外国人データ)。

16.3 分布

健康成人におけるヒドロキシクロロキンのヒト血漿タンパク結合率及びヒト血清アルブミン結合率はそれぞれ、約52%及び約40%であった6)(外国人データ)。

16.4 代謝

ヒドロキシクロロキンはデスエチルヒドロキシクロロキン及びデスエチルクロロキンに代謝され、さらにビスデスエチルクロロキンに代謝された。これらの代謝にはクロロキンの代謝よりCYP2C8及びCYP3A4の関与が示唆された7),8)。

16.5 排泄

健康成人にヒドロキシクロロキンを単回静脈内投与したときの未変化体の累積尿中排泄率は23~25%であった1),9)(外国人データ)。