Clinical snapshot

ヒダントールF配合錠

フェニトインフェノバルビタール

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分、ヒダントイン系化合物又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者

  2. 2.2重篤な心障害のある患者[血圧降下や心拍数が減少するおそれがある。]

  3. 2.3重篤な腎機能障害のある患者

  4. 2.4重篤な肝機能障害のある患者

  5. 2.5重篤な肺障害のある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]

  6. 2.6急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]

  7. *2.7ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、イサブコナゾニウム、ルラシドン、エンシトレルビル、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルを投与中の患者

効能・効果

  • ○てんかんのけいれん発作

  • 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む)

  • ○自律神経発作、精神運動発作

用法・用量

通常成人1日6~12錠を分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。

  2. 8.2連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  3. 8.3連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  4. 8.4眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  5. 8.5長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6複視、視覚障害、眼振、白内障があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

呼吸抑制を起こすことがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

  1. 9.1.2呼吸機能の低下している患者

呼吸抑制を起こすことがある。

  1. 9.1.3頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者

本剤の作用が強くあらわれることがある。

  1. 9.1.4心障害のある患者(重篤な心障害のある患者を除く)

血圧降下や心拍数が減少するおそれがある。

  1. 9.1.5血液障害のある患者

血液障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.6消化性潰瘍のある患者

潰瘍が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.7甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。

  1. 9.1.8アルコール中毒のある患者

中枢抑制作用が増強される。

  1. 9.1.9薬物依存の傾向又は既往歴のある患者

精神依存及び身体依存を示すおそれがある。

  1. 9.1.10重篤な神経症の患者

依存を示すおそれがある。

  1. 9.1.11糖尿病の患者

2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

投与しないこと。症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

  1. 9.2.2腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)

症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

投与しないこと。症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)

症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中にフェニトイン、フェノバルビタールを投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り他の抗てんかん剤と併用しないことが望ましい。妊娠中にフェニトインを他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例がフェニトイン単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。

  3. 9.5.3妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。

  4. 9.5.4妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。

  5. 9.5.5分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

  6. 9.5.6妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。フェノバルビタールはヒト乳汁中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。

  2. 9.8.2連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

相互作用

  • フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝され、また、CYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する。フェノバルビタールは、CYP3A等の誘導作用を有する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ボリコナゾール
• (ブイフェンド)
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある。
(2)ボリコナゾールの代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。
(1)ボリコナゾールが肝代謝を抑制する。
(2)フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用による。
タダラフィル
• (肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)マシテンタン
• (オプスミット)*マシテンタン・タダラフィル
• (ユバンシ配合錠)チカグレロル
• (ブリリンタ)アルテメテル・ルメファントリン
• (リアメット配合錠)ダルナビル・コビシスタット
• (プレジコビックス配合錠)ドラビリン
• (ピフェルトロ)
イサブコナゾニウム
• (クレセンバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ルラシドン
• (ラツーダ)*エンシトレルビル
• (ゾコーバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。 フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
*ミフェプリストン・ミソプロストール
• (メフィーゴ)
ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン
• (エジュラント)
リルピビリンの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
*ニルマトレルビル・リトナビル
• (パキロビッド)
ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
• (オデフシィ配合錠)
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• (ビクタルビ配合錠)
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• (シムツーザ配合錠)
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• (ゲンボイヤ配合錠)
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル・ベルパタスビル
• (エプクルーサ配合錠)
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
レジパスビル・ソホスブビル
• (ハーボニー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。 フェニトインのP糖蛋白誘導作用による。
ドルテグラビル・リルピビリン
• (ジャルカ配合錠)
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
*カボテグラビル
• (ボカブリア)
カボテグラビルの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 フェニトイン、フェノバルビタールのUGT1A1誘導作用によると考えられる。
*レナカパビル
• (シュンレンカ)
レナカパビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し耐性発現のおそれがある。 フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用、P糖蛋白誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ゾニサミド
トピラマート
クロラムフェニコール
タクロリムス
テラプレビル
**ブリーバラセタム
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。タクロリムス、テラプレビルの機序は不明である。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用によると考えられている。
ルフィナミド (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)、(2)機序不明
クロバザム (1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)機序不明
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
スチリペントール (1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)スチリペントールが肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
カルバマゼピン (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。
(2)カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ネルフィナビル (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)ネルフィナビルが肝代謝を抑制すると考えられている。
(2)機序不明
(3)機序は不明であるが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用等が考えられている。
*バルプロ酸 (1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(3)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある注2)。
(4)バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある 。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、遊離フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(4)機序不明
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、トランキライザー等抗ヒスタミン剤
• ジフェンヒドラミン等アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 フェノバルビタールとの相加的中枢神経抑制作用による。
MAO阻害剤 相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 機序不明
三環系抗うつ剤
• イミプラミン等四環系抗うつ剤
• マプロチリン等トラゾドン
(1)相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
(2)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。
(1)フェノバルビタールとの相加的中枢神経抑制作用による。
(2)機序不明
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリン
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。
(2)クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある。
(3)クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがある。
通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること。
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。
(2)フェニトインによる蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
メチルフェニデート フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)。 メチルフェニデートが肝代謝を抑制するためと考えられている。
*CYP2C9又はCYP2C19を阻害する薬剤
• アミオダロン
• シメチジン
• スルファメトキサゾール・トリメトプリム
• チクロピジン
• フルコナゾール
• フルボキサミン
• ホスフルコナゾール
• ミコナゾール
• セリチニブ
• アシミニブ
• ニチシノン
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。 これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
アロプリノール
イソニアジド
エトスクシミド
オメプラゾール
ジスルフィラム
ジルチアゼム
スルチアム
パラアミノサリチル酸
エソメプラゾール
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。 これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
フルオロウラシル系薬剤
• テガフール製剤、ドキシフルリジン等
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)。 機序不明
テオフィリン
アミノフィリン水和物
(1)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(2)テオフィリンの血中濃度が低下することがある注2)。
(1)機序不明
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
**ボラシデニブ (1)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(2)ボラシデニブの血中濃度が低下することがある注2)。
(1)ボラシデニブのCYP2C9誘導作用によると考えられている。
(2)本剤のCYP1A2誘導作用によると考えられている。
リファンピシン
アパルタミド
レテルモビル
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。 これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ジアゾキシド
シスプラチン
ビンカアルカロイド
• ビンクリスチン等シプロフロキサシン
ビガバトリン
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。 機序不明
イリノテカン イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
主にCYP3Aの基質となる薬剤
• アゼルニジピン
イグラチモド
イトラコナゾール
イマチニブ
オンダンセトロン
キニジン
クエチアピン
ジソピラミド
ニソルジピン
ニフェジピン
フェロジピン
プラジカンテル
ベラパミル
モンテルカスト

副腎皮質ホルモン剤• デキサメタゾン等
• 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤• ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
• PDE5阻害剤• タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
パロキセチン
フレカイニド
メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤
• アピキサバン
ミラベグロン
レンバチニブ等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
P糖蛋白の基質となる薬剤
• グレカプレビル・ピブレンタスビル
テノホビル アラフェナミド
ニンテダニブ等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤のP糖蛋白誘導作用による。
ラモトリギン
デフェラシロクス
カナグリフロジン
ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
ポサコナゾール これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 フェニトインのUGT1A4誘導作用及び/又はP糖蛋白誘導作用による。
シクロスポリン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用、又はフェニトインの吸収阻害作用が考えられている。
甲状腺ホルモン剤
• レボチロキシン等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 機序不明
カスポファンギン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)。 フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。
ドルテグラビル
ドルテグラビル・ラミブジン
ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
アルベンダゾール アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 機序不明
ドキシサイクリン ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
非脱分極性筋弛緩剤
• ベクロニウム等
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。 機序不明
血糖降下剤
• インスリン、経口血糖降下剤
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。 フェニトインのインスリン分泌抑制作用による。
利尿剤
• チアジド系降圧利尿剤等
起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 機序は不明であるが、高用量のフェノバルビタールは血圧を低下させることがある。
アセタゾラミド くる病、骨軟化症があらわれやすい。 本剤によるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
アセトアミノフェン 本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
**コール酸 肝毒性のある胆汁酸異常代謝産物が増加することで、肝トランスアミナーゼの上昇が認められることがある。 フェノバルビタールは、コレステロールから胆汁酸異常代謝産物の合成を促進する作用を有している。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 フェニトイン、フェノバルビタールの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導作用によると考えられている。

注1)フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること。

注2)これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。

注3)本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意すること。また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害 頻度不明
CK上昇 頻度不明
IgG等) 頻度不明
T4値等)の異常 頻度不明
アステリキシス(asterixis)等] 頻度不明
くる病注6) 頻度不明
けいれん・てんかん増悪 頻度不明
せん妄 頻度不明
ニューロパシー 頻度不明
ヘマトポルフィリン尿注4) 頻度不明
不眠 頻度不明
不随意運動[ジスキネジア 頻度不明
中毒疹様発疹 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
便秘 頻度不明
免疫グロブリン低下(IgA 頻度不明
多動 頻度不明
多毛 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
昏迷 頻度不明
構音障害 頻度不明
歯牙の形成不全注6) 頻度不明
歯肉増殖注4) 頻度不明
注7) 頻度不明
注意力・集中力・反射運動能力等の低下 頻度不明
猩紅熱様発疹 頻度不明
甲状腺機能検査値(血清T3 頻度不明
発熱 頻度不明
白内障 頻度不明
眠気 頻度不明
眩暈 頻度不明
眼振 頻度不明
知覚異常 頻度不明
神経過敏 頻度不明
精神機能低下 頻度不明
興奮 頻度不明
舞踏病アテトーゼ 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血清葉酸値の低下 頻度不明
複視 頻度不明
視覚障害 頻度不明
運動失調 頻度不明
鈍重 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明
骨軟化症注6) 頻度不明
高血糖 頻度不明
麻疹様発疹 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1フェノバルビタールは、最小電撃けいれん閾値上昇作用、ペンテトラゾールけいれん閾値上昇作用のほか、最大電撃けいれん抑制作用も示し、一方、フェニトインには前二者の作用はほとんど認められないが、最大電撃けいれんに対しては強い抑制作用を示す16),17)(マウス、ラット)。

  2. 18.1.2フェニトインとフェノバルビタールの併用効果を最大電撃けいれん法を用い、抗けいれん作用発現の有無と各薬物の血中濃度の関係から検討した結果、両薬物の薬力学的相乗作用が示唆された18)(マウス、ウサギ)。

18.2 抗けいれん効果

ddY系雄性マウスを用い、最大電撃けいれん法によってヒダントールD配合錠、E配合錠、F配合錠の成分であるフェニトイン、フェノバルビタール及び安息香酸ナトリウムカフェインの経口投与による抗けいれん効果並びにそれらの配合効果を検討した。薬物は0.3%C.M.C.に懸濁して経口投与し、ED50、LD50並びに95%信頼限界はLitchfield-Wilcoxon法により算出した。 フェニトイン単独のED50は10.4mg/kg、フェノバルビタールは19.5mg/kgであったが、安息香酸ナトリウムカフェインは抗けいれん作用を示さなかった。フェニトイン、フェノバルビタールを配合した場合、ヒダントールF配合錠の配合比率を換算するとそのED50は13.87mg/kgであるが、実験によるED50は11.5mg/kgであり、またヒダントールD配合錠の配合比率の換算ED50は15.6mg/kgであるが、実験によるED50は12.8mg/kgで、フェニトイン、フェノバルビタールの配合による効果の増強を認めた19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ヒダントールF配合錠8錠(フェニトインとして200mg)を健康成人男子5名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである1)。

AUC(0-24hr)
(hr・μg/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
71.0±10.7 4.3±0.5 3.2±1.1 17.0±4.6

(Mean±S.D.,n=5)

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿・血清蛋白結合率

フェニトイン:約90%(in vitro、ヒト血漿、約20μg/mL、限外ろ過法)2) フェノバルビタール:約45%(in vitro、ヒト血清、約21~83μg/mL、限外ろ過法)3)

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物及び代謝経路

主として肝臓でフェニトイン4),5)はフェニル基の一つが水酸化され、5-(p-hydroxyphenyl)-5-phenylhydantoin(HPPH)が生成した後、大部分はグルクロン酸抱合され、フェノバルビタール6)はフェニル基が水酸化され、5-ethyl-5-(p-hydroxyphenyl)Barbituric acid(p-HPB)が生成した後、一部はグルクロン酸又は硫酸抱合される。

  1. 16.4.2代謝酵素

フェニトイン:主としてCYP2C9及び一部CYP2C197)

16.5 排泄

  1. 16.5.1排泄経路

主として尿中

  1. 16.5.2排泄率

フェニトイン投与後6日間における排泄率は、尿中に総HPPHとして96.9~99.0%、フェニトインとして0.4~0.7%、糞中に総HPPHとしてtrace~1.2%、フェニトインとして0.5%であった8)(健康成人、フェニトイン100mg 1回経口投与)。フェノバルビタール投与後24時間における尿中排泄率は、フェノバルビタールとして25%、総p-HPBとして17%であった9)(てんかん患者、フェノバルビタール30~90mg反復投与)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

フェニトインはCYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有し、フェノバルビタールはCYP3A等の誘導作用を有する10)。

16.8 その他

  1. 16.8.1有効血中濃度

てんかんの重症度の違いや症例によって違いはあるが、一般にフェニトインは10~20μg/mL(成人の強直間代発作)11),12)が、また、フェノバルビタールは10~30μg/mLが目安として示されている13)。

  1. 16.8.2投与量と血中濃度との関係

定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式[C=Km・D/(Dmax-D)]を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい14)。 また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる15)。このため、フェニトインの血中濃度測定が、至適投与量の検討ないしは中毒症状発現防止に役立てられている。