中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
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2.2気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
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2.3重篤な肝機能障害のある患者
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2.4慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
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2.5痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
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2.6急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
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2.7本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
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2.8出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
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2.9ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回30~120mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
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8.1本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇により重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際してカプセルの内容物を砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指示すること。
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8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
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8.3眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
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8.4本剤を投与する場合には、便秘に対する対策として緩下剤、嘔気・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意すること。
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8.5本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
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8.6本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1細菌性下痢のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。
- 9.1.2心機能障害のある患者
循環不全を増強するおそれがある。
- 9.1.3呼吸機能障害のある患者
呼吸抑制を増強するおそれがある。
- 9.1.4脳に器質的障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
- 9.1.5ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
- 9.1.6代謝性アシドーシスのある患者
呼吸抑制を起こすおそれがある。
- 9.1.7甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
- 9.1.8副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
- 9.1.9薬物依存の既往歴のある患者
依存性を生じやすい。
- 9.1.10衰弱者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
- 9.1.11前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者
排尿障害を増悪することがある。
- 9.1.12器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者
消化管運動を抑制する。
- 9.1.13痙攣の既往歴のある患者
痙攣を誘発するおそれがある。
- 9.1.14胆嚢障害及び胆石のある患者
胆道痙攣を起こすことがある。
- 9.1.15重篤な炎症性腸疾患のある患者
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。昏睡に陥ることがある。
- 9.3.2肝機能障害患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
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9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用(マウスでは脳脱、軸骨格癒合)が報告されている1),2)。
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9.5.2分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
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9.5.3分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。 なお、新生児、乳児には、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。呼吸抑制の感受性が高い。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ナルメフェン塩酸塩水和物 • セリンクロ |
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 中枢神経抑制剤 • フェノチアジン系薬剤 • バルビツール酸系薬剤等吸入麻酔剤 モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール |
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強される。 |
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリン |
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。 | 機序は不明である。 |
| 抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。 | 相加的に抗コリン作用が増強される。 |
| ジドブジン (アジドチミジン) |
ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。 | ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害され、ジドブジンの代謝が阻害される。 |
| ブプレノルフィン | ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
| クロピドグレル硫酸塩 チカグレロル **プラスグレル塩酸塩 |
**左記の薬剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある。 | **本剤の消化管運動抑制作用に関連すると考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AL-P | 1〜5%未満 |
| AST(GOT) | 1〜5%未満 |
| BUN | 1〜5%未満 |
| LDH | 1〜5%未満 |
| アロディニア | 頻度不明 |
| クレアチニンの上昇 | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| ビリルビンの上昇 | 1〜5%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| リンパ球減少 | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 不穏 | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 5%以上 |
| 嘔気 | 5%以上 |
| 好中球増多 | 1〜5%未満 |
| 排尿障害 | 1〜5%未満 |
| 痛覚過敏注1) | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球増多 | 1〜5%未満 |
| 眠気 | 5%以上 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 血圧変動 | 頻度不明 |
| 血小板増多 | 1〜5%未満 |
| 血小板減少 | 1〜5%未満 |
| 視調節障害 | 頻度不明 |
| 貧血 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 頭蓋内圧の亢進 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
オピオイド受容体のうち、主としてμ受容体に作用して、中枢神経及び消化器系に対する作用を現すが、δ及びκ受容体に対する親和性も有する9)。
18.2 鎮痛作用
本剤に含まれる徐放性粒と同じ放出制御システムであるプロトタイプの徐放性粒による鎮痛効果を水溶液による鎮痛効果と比較した(ラット:Tail-flick法)。 その結果、プロトタイプの徐放性粒(モルヒネ塩酸塩水和物として160mg/kg)を1日1回投与した時の鎮痛効果は、モルヒネ塩酸塩水和物水溶液(モルヒネ塩酸塩水和物として40mg/kg/回)を6時間毎に1日4回分割投与した時とほぼ同程度であった。また、この時同時に測定した血漿中モルヒネ濃度と鎮痛効果はほぼ同様に推移した10)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男子12例を対象に、本剤30mg、60mg又は120mgを絶食下に単回経口投与した時の血中濃度の推移は以下のとおりであった3)(外国人データ)。
1)投与後0.5時間:n=11(1例、採血時間が許容範囲から外れたため、要約統計量から除外した。)
| 投与量 | Cmax(ng/mL) | AUC0-48(ng・h/mL) | |
|---|---|---|---|
| 速放部 | 徐放部 | ||
| 30mg | 3.50±1.42 | 3.99±1.32 | 61.1±35.5 |
| 60mg | 8.12±2.83 | 6.76±1.70 | 145±46.0 |
| 120mg | 20.6±10.2 | 14.6±5.00 | 275±99.1 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2反復投与
モルヒネ硫酸塩徐放剤30mgの1日2回経口投与により疼痛がコントロールされている癌患者11例に対し、本剤に切り替え1日1回60mgを5日間経口投与した時の血中濃度の推移は以下のとおりであった4)。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人男子12例に朝食前絶食下又は高脂肪食を摂食5分後に本剤60mgを単回経口投与した時の血中濃度の推移は以下のとおりであった5)(外国人データ)。
| 投与条件 | Cmax(ng/mL) | AUC0-48(ng・h/mL) | |
|---|---|---|---|
| 速放部 | 徐放部 | ||
| 絶食下 | 7.55±3.98 | 5.96±2.06 | 122±50.7 |
| 食後 | 4.56±1.19 | 6.75±1.61 | 100±46.8 |
平均値±標準偏差
16.4 代謝
モルヒネは主として肝臓及び消化管粘膜に存在するUDP-glucuronyl transferaseにより代謝され、モルヒネ-3-グルクロニド(活性なし)及びモルヒネ-6-グルクロニド(活性あり)に代謝された(in vitro)6)。
16.5 排泄
既存の経口モルヒネ製剤の投与により疼痛治療されている癌患者(30mg/日2例、120mg/日1例)に対し、本剤に切り替え1日1回30mg2例又は150mg1例を5日間経口投与した時の尿中排泄率は、モルヒネ-3-グルクロニドが64.5~82.1%、モルヒネ-6-グルクロニドが7.3~15.7%、モルヒネの未変化体が2.4~5.8%であった7)。