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ノーベルバール静注用250mg

フェノバルビタールナトリウム凍結乾燥製剤

添付文書改訂 2026年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]

  3. *2.3ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、リルピビリン、イサブコナゾニウム硫酸塩、ミフェプリストン・ミソプロストール、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビルを投与中の患者

効能・効果

  • 新生児けいれん

  • てんかん重積状態

用法・用量

  • 〈新生児けいれん〉

初回投与:フェノバルビタールとして、20mg/kgを静脈内投与する。けいれんがコントロールできない場合は、患者の状態に応じ、初回投与量を超えない範囲で用量を調節し、静脈内に追加投与する。 維持投与:フェノバルビタールとして、2.5〜5mg/kgを1日1回静脈内投与する。

  • 〈てんかん重積状態〉

フェノバルビタールとして、15〜20mg/kgを1日1回静脈内投与する。

使用上の注意

  1. 8.1投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

  2. 8.2連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  3. 8.3本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

呼吸抑制を起こすことがある。

  1. 9.1.2呼吸機能の低下している患者

呼吸抑制を起こすことがある。

  1. 9.1.3頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者

本剤の作用が強くあらわれることがある。

  1. 9.1.4心障害のある患者

血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5アルコール中毒のある患者

中枢抑制作用が増強される。

  1. 9.1.6薬物依存の傾向又は既往歴のある患者

精神依存及び身体依存を示すことがある。

  1. 9.1.7重篤な神経症の患者

依存を示すおそれがある。

  1. 9.1.8甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を単独、又は併用投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形1),2),3),4),5) 、大動脈縮窄症等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

  4. 9.5.4妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある6) 。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある7),8) 。

9.7 小児等

特に低出生体重児及び新生児では血中濃度モニタリングを実施することが望ましい。本剤の主要代謝系は生後10日〜20日に完成するとの報告がある9) 。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。

相互作用

  • 薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する10) 。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ボリコナゾール• (ブイフェンド)
• タダラフィル• (肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)
• マシテンタン• (オプスミット)
• マシテンタン・タダラフィル• (ユバンシ配合錠)
• チカグレロル• (ブリリンタ)
• アルテメテル・ルメファントリン• (リアメット配合錠)
• ダルナビル・コビシスタット• (プレジコビックス配合錠)
• ドラビリン• (ピフェルトロ)
• リルピビリン• (エジュラント)
• イサブコナゾニウム硫酸塩• (クレセンバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• ミフェプリストン・ミソプロストール• (メフィーゴ) ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• ニルマトレルビル・リトナビル• (パキロビッド) ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し、耐性が発現する可能性がある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン• (オデフシィ配合錠) リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (ビクタルビ配合錠) ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するため、この薬剤の効果が減弱し、この薬剤に対する耐性が発現する可能性がある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (シムツーザ配合錠) ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (ゲンボイヤ配合錠) エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ソホスブビル・ベルパタスビル• (エプクルーサ配合錠) ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ドルテグラビル・リルピビリン• (ジャルカ配合錠) ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
• カボテグラビル• (ボカブリア) カボテグラビルの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 本剤のUGT1A1誘導作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 中枢神経抑制剤• フェノチアジン誘導体
• バルビツール酸誘導体
• トランキライザー
• トピラマート等
• 抗ヒスタミン剤• ジフェンヒドラミン等
• アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 相加的中枢神経抑制作用による。
• MAO阻害剤 相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 作用機序は不明である。
• 三環系抗うつ剤• イミプラミン等
• 四環系抗うつ剤• マプロチリン等
(1)相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
(2)これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがある注1) 。
(1)相加的中枢神経抑制作用による。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• メチルフェニデート 本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 メチルフェニデートが肝代謝を抑制すると考えられている。
• バルプロ酸 (1)本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。
(2)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある注1) 。
(3)バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(3)作用機序は不明である。
• スチリペントール (1)本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。
(2)スチリペントールの血中濃度が低下することがある注1) 。
(1)スチリペントールが肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• クロバザム (1)本剤の血中濃度が上昇することがある。
(2)クロバザムの血中濃度が低下することがある注1) 。
(1)作用機序は不明である。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• イリノテカン11) イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• 主にCYP3Aの基質となる薬剤• アゼルニジピン12)
• イグラチモド
• イマチニブ
• カルバマゼピン
• シクロスポリン
• ゾニサミド
• タクロリムス
• フェロジピン
• べラパミル
• モンテルカスト13)
• エンシトレルビル フマル酸等
• 副腎皮質ホルモン剤• デキサメタゾン等
• 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤• ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
• PDE5阻害剤• タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注1) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• アミノフィリン水和物
• クロラムフェニコール
• テオフィリン
• パロキセチン14)
• フレカイニド
• メトロニダゾール
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注1) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• ラモトリギン
• デフェラシロクス
• カナグリフロジン
• ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注1) 。 本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
• ルフィナミド これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注1) 。 作用機序は不明である。
• アピキサバン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注1) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• レジパスビル・ソホスブビル
• グレカプレビル・ピブレンタスビル
• テノホビル アラフェナミド
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注1) 。 本剤のP糖蛋白誘導作用による。
• ドルテグラビル
• ドルテグラビル・ラミブジン
• ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
• レナカパビルナトリウム レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性があり、レナカパビルの効果が減弱し、レナカパビルに対する耐性が発現する可能性がある。本剤との併用は推奨されない。 本剤の中程度のCYP3A、P-gp及びUGT1A1誘導作用による。
• ドキシサイクリン ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• クマリン系抗凝血剤• ワルファリン クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の量を調整すること。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• アルベンダゾール アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 作用機序は不明である。
• 利尿剤• チアジド系降圧利尿剤等 起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 作用機序は不明であるが、高用量の本剤は血圧を低下させることがある。
• アセタゾラミド くる病、骨軟化症があらわれやすい。 本剤によるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
• アセトアミノフェン15) 本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
• セイヨウオトギリソウ• (St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。
• リオチロニンナトリウム
• レボチロキシンナトリウム水和物
これらの薬剤の血中濃度を低下させることがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤を増量するなど慎重に投与すること。 本剤は甲状腺ホルモンの異化を促進すると考えられている。
• コール酸 肝毒性のある胆汁酸異常代謝産物が増加することで、肝トランスアミナーゼの上昇が認められることがある。 本剤は、コレステロールから胆汁酸異常代謝産物の合成を促進する作用を有している。

注1)本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アステリキシス(asterixis) 頻度不明
くる病注3) 頻度不明
せん妄 頻度不明
ヘマトポルフィリン尿注4) 頻度不明
中毒疹様発疹 1%未満
低カルシウム血症 頻度不明
体温低下 1%未満
多動 頻度不明
尿量減少 1%未満
巨赤芽球性貧血 頻度不明
徐脈 1%未満
昏迷 頻度不明
構音障害 頻度不明
歯牙の形成不全注3) 頻度不明
気管支分泌増加 1%未満
猩紅熱様発疹 頻度不明
甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常 頻度不明
発熱 1%未満
眠気 1〜5%未満
眩暈 1%未満
知覚異常 頻度不明
精神機能低下 1%未満
興奮 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 1%未満
血圧低下 1〜5%未満
血清葉酸値の低下 頻度不明
運動失調 頻度不明
酸素飽和度低下 1%未満
鈍重 頻度不明
頭痛 1%未満
食欲不振 1%未満
骨軟化症注3) 頻度不明
麻疹様発疹 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、中枢神経系に作用し、主に網様体賦活系を抑制して、鎮静催眠作用をあらわす。作用の発現は遅く、長時間作用型に分類される。鎮静催眠量以下で電気刺激あるいは薬物によるけいれんを抑制する31),32),33),34) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

本剤を新生児けいれんに対し、初回投与量として20mg/kgを、けいれんがコントロールできない場合は追加投与として同量を、維持投与量として1日1回2.5〜5mg/kgを、静脈内投与した。その結果、初回投与量は17.5〜20.8mg/kg、追加投与量は20.1mg/kg、維持投与量は2.2〜5mg/kgであった。初回投与後2時間における血中濃度(9例)は、22.38±2.34μg/mL(18.8〜25.8μg/mL);平均±標準偏差(最小値〜最大値)であり、追加投与(初回投与30分後)を実施した1例では42.8μg/mLであった。また、維持投与最終投与前(中止時)の血中濃度(10例)は、27.65±9.46μg/mL(18.7〜45.3μg/mL)であった29),30) 。