Clinical snapshot

ノクサフィル点滴静注300mg

ポサコナゾール注射液

添付文書改訂 2025年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. *2.1エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン、エルゴメトリン、シンバスタチン、アトルバスタチン、ピモジド、キニジン、ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期]、スボレキサント、ダリドレキサント塩酸塩、フィネレノン、エプレレノン、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、マバカムテン、ロナファルニブ、ルラシドン塩酸塩、ブロナンセリン、ボクロスポリン、トリアゾラム、リバーロキサバンを投与中の患者

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防

  • 下記の真菌症の治療 侵襲性アスペルギルス症、フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫

用法・用量

通常、成人にはポサコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回、中心静脈ラインから約90分間かけて緩徐に点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、必要に応じて電解質を補正すること。

  3. 8.3本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。

  4. 8.4本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1他のアゾール系抗真菌剤に対し薬物過敏症の既往歴のある患者

類似の化学構造を有しており、交差過敏反応を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2重篤な基礎疾患(血液悪性腫瘍等)のある患者

重度の肝機能障害が発現し、致死的な転帰をたどるおそれがある。

  1. 9.1.3体重120kgを超える患者

本剤の投与中は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度以上(eGFR<50mL/min/1.73m2)の腎機能障害のある患者

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する場合には血清クレアチニン値を観察し、上昇が認められた場合には錠剤への切り替えを考慮すること。添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムが蓄積し、腎機能障害を悪化させるおそれがある。

  1. 9.2.2重度(eGFR<20mL/min/1.73m2)の腎機能障害のある患者

本剤の投与中は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。本剤の曝露量が大きくばらつくおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットにおいて、臨床曝露量(AUC)と同程度の曝露量で、分娩障害、出生児数の減少、生存率低下、催奇形性が認められた。ウサギでは、臨床曝露量(AUC)を上回る曝露量で、吸収胚の増加及び胎児数の減少が認められた。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

相互作用

  • ポサコナゾールは主にUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)1A4を介して代謝され、P-糖蛋白(P-gp)の基質である。また、CYP3A4を強く阻害する。腸管ではP-gpを阻害する可能性がある。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
メチルエルゴメトリン(パルタンM)
エルゴメトリン
麦角中毒を引き起こすおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
シンバスタチン(リポバス)
アトルバスタチン(リピトール)
横紋筋融解症を引き起こすおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
ピモジド(オーラップ)
キニジン(硫酸キニジン)
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)等の心血管系の重篤な副作用を引き起こすおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
**ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期](ベネクレクスタ) 腫瘍崩壊症候群の発現を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
スボレキサント(ベルソムラ) スボレキサントの作用を著しく増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
**ダリドレキサント塩酸塩(クービビック) ダリドレキサント塩酸塩の作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
*フィネレノン(ケレンディア)
エプレレノン(セララ)
*これらの薬剤の作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
アゼルニジピン(カルブロック)
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)
アゼルニジピンの作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
**マバカムテン(カムザイオス) マバカムテンの副作用を増強させ、収縮機能障害による心不全の危険性を増大させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
**ロナファルニブ(ゾキンヴィ) ロナファルニブの作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
ルラシドン塩酸塩(ラツーダ)
ブロナンセリン(ロナセン)
これらの薬剤の作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇すると予測される。
*ボクロスポリン(ルプキネス) これらの薬剤の作用を増強させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇すると予測される。
トリアゾラム(ハルシオン) トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長を起こすおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇すると予測される。
リバーロキサバン(イグザレルト) リバーロキサバンの抗凝固作用を増強させ、出血の危険性を増大させるおそれがある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、またP-gpも阻害される可能性があるため、リバーロキサバンの血漿中濃度が上昇すると予測される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファブチン 治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、リファブチンとの併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無、全血球数の推移及びリファブチンの血漿中濃度上昇に伴う副作用(ぶどう膜炎等)を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 リファブチンの併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するリファブチンの誘導作用が関与している可能性がある。
ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、リファブチンの血漿中濃度が上昇する。
フェニトイン 治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、フェニトインとの併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 フェニトインの併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するフェニトインの誘導作用が関与している可能性がある。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
• ビンクリスチンビンブラスチン等
神経毒性、痙攣発作、末梢性ニューロパチー、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、麻痺性イレウス等の重篤な副作用を引き起こすおそれがある。ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の投与を受けている患者は、他の抗真菌剤を使用できない場合を除き、ポサコナゾールを含むアゾール系抗真菌剤の併用を避けること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
**ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の維持投与期、急性骨髄性白血病] 併用する場合は、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、ベネトクラクスに関連した副作用発現に十分に注意すること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
免疫抑制剤
• シクロスポリンタクロリムス
シロリムス
併用する場合は、これらの薬剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分に注意すること。併用中及び中止時には、これらの薬剤の血中濃度をモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇する。
CYP3A4によって代謝されるベンゾジアゼピン系薬剤
• ミダゾラムアルプラゾラム等
鎮静の延長や呼吸抑制のおそれがあるため、CYP3A4によって代謝されるベンゾジアゼピン系薬剤(ミダゾラム、アルプラゾラム等)とポサコナゾールとの併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き避けること。併用する場合には、これらの薬剤の用量を調節すること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
CYP3A4によって代謝されるカルシウム拮抗剤
• ベラパミルジルチアゼム
ニフェジピン等
併用する場合は、これらの薬剤に関連した副作用発現に十分に注意すること。また、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
CYP3A4によって代謝される抗HIV剤
• アタザナビル等
併用する場合は、これらの薬剤に関連した副作用発現に十分に注意すること。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。
抗HIV剤
• エファビレンツホスアンプレナビル
治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、これらの薬剤との併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 これらの薬剤の併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するこれらの薬剤の誘導作用が関与している可能性がある。
ジゴキシン 併用する場合は、併用開始時及び中止時にジゴキシンの血漿中濃度をモニタリングすること。 ポサコナゾールの併用により、ジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。ポサコナゾールによるP-gpの阻害作用が関与している可能性がある。
ワルファリン ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある。 アゾール系抗真菌剤でINR上昇が報告されている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 5%以上
AST増加 頻度不明
CRP増加 頻度不明
QRS軸異常 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
アスペルギルス感染 頻度不明
イレウス 頻度不明
うつ病 頻度不明
おくび 頻度不明
コリネバクテリウム感染 頻度不明
ざ瘡様皮膚炎 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
そう痒性皮疹 頻度不明
そう痒症 頻度不明
トランスアミナーゼ上昇 頻度不明
ニューロパチー 頻度不明
びくびく感 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
マグネシウム欠乏 頻度不明
リンパ節症 頻度不明
レッチング 頻度不明
上室性期外収縮 頻度不明
下痢 5%以上
不眠症 頻度不明
中毒性皮疹 頻度不明
乳房痛 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
低血糖 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
偽アルドステロン症 頻度不明
傾眠 頻度不明
光視症 頻度不明
全身性剥脱性皮膚炎 頻度不明
凝血異常 頻度不明
出血 頻度不明
動悸 頻度不明
単純ヘルペス 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
口唇乾燥 頻度不明
口渇 頻度不明
口腔内潰瘍形成 頻度不明
口腔咽頭痛 頻度不明
口腔浮腫 頻度不明
口腔知覚不全 頻度不明
口腔腫脹 頻度不明
口腔障害 頻度不明
味覚不全 頻度不明
味覚障害 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭炎 頻度不明
喉頭炎 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
四肢腫瘤 頻度不明
固定姿勢保持困難 頻度不明
失神 頻度不明
失語症 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
好酸球増加症 頻度不明
寝汗 頻度不明
小水疱性皮疹 頻度不明
小腸炎 頻度不明
幻視 頻度不明
幻覚 頻度不明
後骨髄球数増加 頻度不明
徐脈 頻度不明
心房粗動 頻度不明
心窩部不快感 頻度不明
心電図QT間隔異常 頻度不明
心電図ST部分上昇 頻度不明
心電図T波逆転 頻度不明
心電図異常 頻度不明
心電図異常T波 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 5%以上
意識レベルの低下 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
慢性腎臓病 頻度不明
振戦 頻度不明
斑状丘疹状皮疹 頻度不明
斑状皮疹 頻度不明
暗点 頻度不明
月経障害 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
末梢腫脹 頻度不明
歩行障害 頻度不明
歯肉膿瘍 頻度不明
毛包炎 頻度不明
水分過負荷 頻度不明
注入部位疼痛 頻度不明
注入部位血栓 頻度不明
注入部位静脈炎 頻度不明
洞性徐脈 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
湿性咳嗽 頻度不明
灼熱感 頻度不明
点状出血 頻度不明
無力症 頻度不明
異常な夢 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
痙攣発作 頻度不明
発熱 頻度不明
発熱性好中球減少症 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球数減少 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚擦過傷 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
皮膚病変 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
移植片対宿主病 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
精神病性障害 頻度不明
紅斑 頻度不明
細菌感染 頻度不明
緊張性膀胱 頻度不明
羞明 頻度不明
聴力障害 頻度不明
肛門直腸不快感 頻度不明
肝圧痛 頻度不明
肝機能検査値上昇 頻度不明
肝機能検査異常 頻度不明
肝機能異常 頻度不明
肝酵素上昇 頻度不明
肺炎 頻度不明
肺真菌症 頻度不明
肺高血圧症 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃腸出血 頻度不明
胃腸障害 頻度不明
胃食道逆流性疾患 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸水 頻度不明
胸痛 頻度不明
胸膜痛 頻度不明
胸部X線異常 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脈絡膜硬化症 頻度不明
脱毛症 頻度不明
脳症 頻度不明
脾臓梗塞 頻度不明
腎尿細管性アシドーシス 頻度不明
腎機能障害 頻度不明
腹水 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部圧痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
膵炎 頻度不明
舌浮腫 頻度不明
蜂巣炎 頻度不明
血中Al-P増加 頻度不明
血中LDH増加 頻度不明
血中カリウム減少 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中ヒト絨毛性ゴナドトロピン減少 頻度不明
血中ビリルビン増加 頻度不明
血中マグネシウム減少 頻度不明
血中リン減少 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血小板数増加 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
血小板減少症 頻度不明
血栓性静脈炎 頻度不明
血管炎 頻度不明
複視 頻度不明
視力低下 頻度不明
認知障害 頻度不明
貧血 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
軟便 頻度不明
過敏症 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 頻度不明
間質性腎炎 頻度不明
関節炎 頻度不明
関節痛 頻度不明
電解質失調 頻度不明
霧視 頻度不明
頚部痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻呼吸 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲亢進 頻度不明
食欲減退 頻度不明
骨盤液貯留 頻度不明
骨髄機能不全 頻度不明
骨髄異形成症候群 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明
高ビリルビン血症 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明
麻疹様発疹 頻度不明
黄疸眼 頻度不明
鼓腸 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻粘膜障害 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ポサコナゾールは、真菌細胞の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することにより抗真菌作用を示す。

18.2 抗真菌作用

ポサコナゾールは次の真菌に対してin vitroで抗真菌作用を示した。 Aspergillus属(A. fumigatusA. flavusA. nigerA. terreus等)、Candida属(C. albicansC. glabrataC. parapsilosisC. tropicalisC. kruseiC. lusitaniaeC. guilliermondiiC. dubliniensis等)、Cryptococcus neoformansFusarium属、ムーコル目[Mucor属、Rhizopus属、Cunninghamella属、Rhizomucor属、Lichtheimia属(Absidia属)、Apophysomyces属、Saksenaea属、Cokeromyces属]、クロモブラストミコーシス及び菌腫の原因真菌[Fonsecaea属、Scedosporium属、Pseudallescheria属、Exophiala属(Wangiella属)、Phialophora属、Cladosporium属、Cladophialophora属、Alternaria属、Bipolaris属、Aspergillus nidulans等]、二形性真菌(Histoplasma属、Blastomyces属、Coccidioides属、Paracoccidioides属、Penicillium marneffeiSporothrix属)、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属等) ポサコナゾールは他のアゾール系抗真菌薬に低感受性又は耐性を示す次の酵母様真菌及び糸状菌に対して幅広い抗真菌スペクトルを示した。

  • Candida属(ボリコナゾール、イトラコナゾール又はフルコナゾールに対して耐性を示すC. albicansの分離株を含む)

  • フルコナゾールに対して自然耐性を示すC. glabrata及びC. krusei

  • アムホテリシンBに対して自然耐性を示すC. lusitaniae

  • Aspergillus属(ボリコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール又はアムホテリシンBに対して耐性を示す分離株を含む)

  • 以前はアゾール系抗真菌薬が感受性を示さないとされていたムーコル目等の分離株[Mucor属、Rhizopus属、Rhizomucor属、Lichtheimia属(Absidia属)等]

ポサコナゾールは一部の真菌に対してin vitroで殺菌的に作用した。 ポサコナゾールは酵母様真菌及び糸状菌による感染動物(マウス、モルモット及びウサギ)モデルで抗真菌作用を示したが、最小発育阻止濃度と効果に一貫した相関性は認められなかった。

18.3 薬剤耐性

C. albicansではポサコナゾールに対する耐性株は実験的に誘導出来なかったが、A. fumigatusではポサコナゾールに低感受性を示す変異株が実験的に1×10-8~1×10-9の頻度で出現した。ポサコナゾールに低感受性を示すC. albicans及びA. fumigatusの臨床分離株がまれに認められる。このような低感受性を示すまれな例では、低感受性と臨床での有効性に明らかな相関性は認められていない。他のアゾール系抗真菌薬に耐性の真菌による感染症患者で有効性が認められており、このことは他のアゾール系抗真菌薬又はアムホテリシンBに耐性が誘導されたCandida属及びAspergillus属の株に対してin vitroで抗真菌作用を示すことと一致している。ポサコナゾールのブレイクポイントはいずれの菌種に対しても決定されていない。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1点滴静注後の薬物動態パラメータ

健康成人にポサコナゾール300mgを30分間かけて単回点滴静注した際のポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータの平均値(変動係数)は、AUC0-∞が48400ng・hr/mL(15%)、Cmaxが3300ng/mL(41%)、消失半減期が21.8時間(13%)、クリアランスが6.32L/hr(16%)であった。 ポサコナゾールの母集団薬物動態モデルに基づき推定された日本人深在性真菌症治療患者に1回300mgで初日は1日2回、2日目以降は1日1回でポサコナゾール静注液を点滴静注した際の定常状態におけるポサコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表1のとおりであった。

例数 AUClast
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Cavg
(ng/mL)
Cmin
(ng/mL)
16 82653
(41)
5453
(46)
3719
(42)
3019
(46)

幾何平均(幾何変動係数%)

16.3 分布

健康成人にポサコナゾール300mgを30分間かけて点滴静注した際の平均分布容積は197Lであり、血管外への分布が示された。 ポサコナゾールはヒト血漿蛋白との結合率が高く(>98%)、大部分はアルブミンに結合する(in vitro)(外国人データ)。

16.4 代謝

健康成人に[14C]ポサコナゾールの経口懸濁液注8)投与後、血漿中でポサコナゾールは主に未変化体として存在していた。血漿中代謝物の大部分はグルクロン酸抱合体で、チトクロムP450(CYP)により生成される酸化代謝物は、少量しか認められなかった(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人に[14C]ポサコナゾールを経口懸濁液注8)として投与した際、放射能は主として糞中に排泄され(投与放射能の77%)、その主成分は未変化体であった(投与放射能の66%)。消失における腎排泄の寄与は小さく、投与放射能の14%が尿中に排泄された(未変化体は投与放射能の0.2%未満)。尿及び糞中に排泄される代謝物は、投与放射能の約17%であった(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1体重

ポサコナゾールの母集団薬物動態解析において、体重はポサコナゾールのクリアランスに関連しており、低体重の患者ではポサコナゾールの曝露量は概して増加することが示唆された(日本人及び外国人データ)。体重が120kgを超える患者ではポサコナゾールの曝露量が低くなるおそれがある。

  1. 16.6.2腎機能障害

ポサコナゾール経口懸濁液注8)の単回投与後、軽度及び中等度の腎機能障害(12例、クレアチニンクリアランス≥20mL/min/1.73m2)がポサコナゾールの薬物動態に及ぼす影響はみられなかったため、用量調節の必要はない。重度腎機能障害(6例、クレアチニンクリアランス<20mL/min/1.73m2)を有する被験者では、ポサコナゾールのAUCのばらつき(変動係数:96%)がその他の腎機能障害群(変動係数:≤32%)と比較して大きかった(表2)。ポサコナゾールは血液透析で除去されない(外国人データ)。

被験者 例数 AUClast
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax注2)
(hr)
t1/2
(hr)
腎機能正常 6 17554
(40)
555
(40)
5.50
(5.00-8.00)
24.1
(22)
軽度
腎機能障害
6 15425
(28)
631
(47)
5.00
(5.00-6.00)
28.1
(22)
中等度
腎機能障害
6 17316
(32)
486
(37)
8.00
(5.00-12.00)
29.6
(17)
重度
腎機能障害
6 20826
(96)
809
(93)
5.00
(5.00-7.00)
23.4注3)
(23)

平均値(変動係数%)

注2)中央値(範囲)

注3)4例

  1. 16.6.3肝機能障害

軽度、中等度及び重度肝機能障害(それぞれChild-PughクラスA、B及びC)を有する被験者並びに肝機能正常被験者にポサコナゾール経口懸濁液400mg注8)を単回投与した際の血漿中薬物動態パラメータは表3のとおりであった(外国人データ)。

被験者 例数 AUC0-∞
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax注4)
(hr)
t1/2
(hr)
軽度
肝機能障害
6 31700注6)
(39)
694
(41)
6.50
(5.00-12.00)
38.5注6)
(28)
肝機能正常注5) 6 23400注6)
(20)
689
(30)
5.00
(5.00-6.00)
26.9注6)
(19)
中等度
肝機能障害
6 25700注6)
(24)
724
(15)
5.00
(4.00-6.00)
27.3注6)
(24)
肝機能正常注5) 6 22300注6)
(59)
517
(80)
5.50
(4.00-8.00)
26.5注6)
(22)
重度
肝機能障害
6 24400
(37)
403
(31)
9.00
(6.00-24.00)
43.1
(43)
肝機能正常注5) 6 18700注6)
(40)
608
(35)
5.00
(5.00-6.00)
27.6注6)
(20)

平均値(変動係数%)

注4)中央値(範囲)

注5)肝機能障害を有する被験者と人種、年齢、身長、体重及び性別でマッチングさせた肝機能正常被験者

注6)5例

  1. 16.6.4高齢者

ポサコナゾールの母集団薬物動態解析において、加齢はポサコナゾールのクリアランスに関連しており、高年齢の患者ではポサコナゾールの曝露量は概して増加することが示唆された(日本人及び外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro試験

ポサコナゾールの主要な代謝経路はUGT1A4を介したUDPグルクロン酸抱合である。また、ポサコナゾールはP-gpの基質である。ポサコナゾールはCYP3A4の強力な阻害剤であるため、ポサコナゾールとの併用によりCYP3A4で代謝される薬物の血中濃度は増加する可能性がある。また、ポサコナゾールは腸管でP-gpを阻害する可能性がある。

  1. 16.7.2臨床薬物相互作用試験

表4に注意喚起のある併用薬に関して、臨床薬物相互作用試験で認められた薬物動態への影響をまとめた(外国人データ)。

併用薬 例数注7) 平均比(90%信頼区間)[併用時/非併用時]
ポサコナゾールへの影響 併用薬への影響
リファブチン
300mg QD
8/12 AUC:0.51(0.37, 0.71)
Cmax:0.57(0.43, 0.75)
フェニトイン
200mg QD
12/12 AUC:0.50(0.36, 0.71)
Cmax:0.59(0.44, 0.79)
エファビレンツ
400mg QD
11/13 AUC:0.50(0.43, 0.60)
Cmax:0.55(0.47, 0.66)
ホスアンプレナビル
700mg BID
20/20 AUC:0.77(0.68, 0.87)
Cmax:0.79(0.71, 0.89)
リファブチン
300mg QD
8/8 AUC:1.72(1.51, 1.95)
Cmax:1.31(1.10, 1.57)
シクロスポリン 4/4 血中トラフ濃度上昇
(シクロスポリンの用量は最大で29%減量が必要であった。)
タクロリムス
0.05mg/kg 単回投与
34/34 AUC:4.58(4.03, 5.19)
Cmax:2.21(2.01, 2.42)
シロリムス
2mg 単回投与
12/12 AUC:8.88(7.26, 10.9)
Cmax:6.72(5.62, 8.03)
ミダゾラム(静注)
0.4mg 単回投与
12/12 AUC:6.24(5.43, 7.16)
Cmax:1.62(1.41, 1.86)
ミダゾラム(経口)
2mg 単回投与
12/12 AUC:4.97(4.46, 5.54)
Cmax:2.38(2.13, 2.66)
シンバスタチン
40mg 単回投与
12/12 AUC:10.60(8.63, 13.02)
Cmax:11.41(7.99, 16.29)
アタザナビル
300mg QD
12/12 AUC:3.68(2.89, 4.70)
Cmax:2.55(1.89, 3.45)
アタザナビル/リトナビル
300mg/100mg QD
12/12 〈アタザナビル〉
AUC:2.46(1.93, 3.13)
Cmax:1.53(1.13, 2.07)
〈リトナビル〉
AUC:1.80(1.39, 2.31)
Cmax:1.49(1.04, 2.15)

QD:1日1回投与、BID:1日2回投与

注7)例数(併用時/非併用時)

注8)本剤と剤形が異なる。本剤の用法及び用量は、通常、成人にはポサコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回、中心静脈ラインから約90分間かけて緩徐に点滴静注である。