Clinical snapshot

ネルボン錠5mg

ニトラゼパム

添付文書改訂 2023年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  3. 2.3重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

  • 不眠症

  • 麻酔前投薬

  • 異型小発作群(点頭てんかん、ミオクロヌス発作、失立発作等) 焦点性発作(焦点性けいれん発作、精神運動発作、自律神経発作等)

用法・用量

  • 〈不眠症〉

通常、成人にはニトラゼパムとして1回5~10mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

  • 〈麻酔前投薬〉

通常、成人にはニトラゼパムとして1回5~10mgを就寝前又は手術前に経口投与する。なお、年齢・症状・疾患により適宜増減する。

  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉

通常、成人・小児ともニトラゼパムとして1日5~15mgを適宜分割投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、抗てんかん剤として用いる場合以外は、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。

  1. 9.1.2衰弱患者

嗜眠状態や運動失調になりやすい。

  1. 9.1.3心障害のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれる。

  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉
  1. 9.1.5脳に老年性変化のある患者

意識障害を助長することがある。

9.2 腎機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.3 肝機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

  4. 9.5.4ラットでの試験(50・100・200mg/kg 妊娠第8~14日目7日間 経口)において50mg/kg投与群に内臓の異常所見(仮性水腎症等)が比較的多く観察され、100mg/kg投与群に外形(水頭症・小耳症等)及び骨格(頸椎々弓異常等)異常所見が、有意に高く観察されている。また、100・200mg/kg投与群で胎児死亡の著明な増加が認められている1)。

9.6 授乳婦

*授乳を避けさせること。ヒト母乳中への移行が報告されている2),3)。新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

  • 〈不眠症、麻酔前投薬〉
  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈異型小発作群、焦点性発作〉
  1. 9.7.2乳児、小児に投与した場合、気道分泌過多、嚥下障害を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等(クロルプロマジン、フェノバルビタール等)アルコール
併用によりその作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。 相加的な中枢神経抑制作用の増強
MAO阻害剤
• セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩
併用によりその作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。 本剤の代謝が抑制される。
シメチジン 併用により本剤の作用が増強することがある。 シメチジンの肝代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血漿中濃度が上昇する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
ふらつき 1〜5%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
不安 1%未満
不快感 1%未満
不機嫌 頻度不明
便秘 1%未満
倦怠感等の筋緊張低下症状 1〜5%未満
傾眠注3) 頻度不明
口渇 1〜5%未満
嚥下障害注5) 頻度不明
多幸症 1%未満
夜尿 頻度不明
大発作回数増加注4) 頻度不明
徐脈傾向 頻度不明
悪心・嘔吐 1%未満
歩行失調 頻度不明
気道分泌過多注5) 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気・残眠感 1〜5%未満
興奮 1%未満
血圧低下 1%未満
見当識障害 1%未満
覚醒遅延傾向注2) 頻度不明
頭痛・頭重感 1〜5%未満
頻尿 頻度不明
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は大脳辺縁系(特に扁桃核、海馬)ならびに視床下部にその作用点があるとされており(ネコ及び家兎による実験)、情動障害をとり除いて覚醒賦活系への余剰刺激伝達を遮断して睡眠状態に導く14),15),16)。

18.2 睡眠作用

本剤によって得られる睡眠は、脳波的にも、また外来刺激による覚醒反応の様相(ラットによる実験)ならびにヒトでの睡眠ポリグラフからみても自然睡眠に近いものである 17) 。 本剤は投与後通常15~45分程度で入眠し、持続も約6~8時間と自然の睡眠のサイクルに類似のパターンを示す9),10)。

18.3 抗痙攣作用

マウスのペンテトラゾール、ベメグライドなど薬物による間代性痙攣に対して抑制作用を示す18),19)。

18.4 静穏作用

本剤には静穏作用(斗争マウス・粗暴サルに対する馴化作用)のあることが認められている16)。

18.5 筋弛緩作用

本剤には筋弛緩作用のあることが認められている(マウス・ネコ)16)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人6例にニトラゼパム10mgを経口投与した場合、速やかに吸収(53~94%)され、未変化ニトラゼパムの血漿中濃度は投与後約2時間後に最高に達し、その時の血漿中濃度は、平均84ng/mL(68~108ng/mL)であった(外国人データ)6)。

16.4 代謝

ニトラゼパムはヒト肝ミクロソームによる代謝はわずかであり、ニトロ基の還元によるアミノ体の生成と、それに引き続くアセチル抱合が主代謝経路であった(in vitro)7)。 健康成人にニトラゼパム10mgを経口投与したとき、尿中の主要代謝物は、7-amino体及び7-acetamido体であった。(外国人データ)8)。

16.5 排泄

健康成人にニトラゼパム10mgを経口投与したとき、尿中には主に代謝物の7-amino体及び7-acetamido体として排泄された。大部分が24~48時間以内に排泄され、投与量の約13~20%が尿中に排泄された(外国人データ)8)。