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遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
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遠隔転移を有する前立腺癌
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*アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2*妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
- 〈遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌〉
通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 〈遠隔転移を有する前立腺癌〉
ドセタキセルとの併用において、通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 〈アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌〉*ゴセレリン酢酸塩との併用において、通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
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8.2不整脈等の心臓障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心電図等)を行うなど、患者の状態を十分に確認すること。
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8.3本剤との関連性は明らかではないが、間質性肺疾患が報告されているので、本剤の投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者に説明すること。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されて排泄されるため、重度の肝機能障害は本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1*男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
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9.4.2*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。類薬のアンドロゲン受容体阻害剤を用いた動物実験において、雄胎児の雌化及び催奇形性を含む生殖発生毒性が認められている。
9.6 授乳婦
*授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、本剤はBCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、主にCYP3A4によって代謝される。また、本剤は乳癌耐性タンパク(BCRP)、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1及びOATP1B3の阻害作用を示す。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 強いCYP3A誘導薬 • リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等 |
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A誘導薬への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤 • ロスバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がBCRP、OATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 頻度不明 |
| AST増加 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| ほてり | 5%以上 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 味覚障害 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 好中球減少 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 疲労 | 5%以上 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ダロルタミドは、アンドロゲン受容体(AR)のリガンド結合部位へのアンドロゲンの結合を競合的に阻害するとともに、転写因子であるARの核内移行を阻害し、標的遺伝子の転写を阻害することにより、ARを介したシグナル伝達を阻害し、アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制する。
18.2 抗腫瘍効果
ダロルタミドは、ヒト前立腺癌由来VCaP細胞株の皮下移植後に去勢したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与及び反復投与
日本人の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤300注1)又は600mgを食後に単回及び1日2回反復経口投与したときのダロルタミドのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した際の投与7日目におけるダロルタミドの蓄積率は2.34であった。
| パラメータ | 投与量 (mg) |
n | 単回投与 | 反復投与 (投与7日目) |
|---|---|---|---|---|
| AUCinf (ng・h/mL) |
300 | 2 | 38586、53686 | - |
| 600 | 4 | 63506 (28.9) |
- | |
| AUC12h (ng・h/mL) |
300 | 3 | 20390 (15.3) |
44436 (18.2) |
| 600 | 6 | 25064 (15.3) |
58671 (26.9) |
|
| Cmax (ng/mL) |
300 | 3 | 2585 (7.57) |
4597 (10.3) |
| 600 | 6 | 3498 (12.1) |
5799 (22.0) |
|
| t1/2 (h) |
300 | 2 | 13.2、16.6 | - |
| 600 | 4 | 14.1 (36.7) |
- | |
| tmax※ (h) |
300 | 3 | 4.92 (2.98-8.00) |
4.98 (3.00-8.10) |
| 600 | 6 | 6.29 (4.93-7.90) |
5.48 (2.87-10.9) |
幾何平均値(幾何CV%) ※:中央値(範囲)
-:算出せず
去勢抵抗性前立腺癌患者にダロルタミドのカプセル剤100~900mg注1)を食後に単回及び1日2回反復経口投与したとき、2種類のジアステレオマー(SR体及びSS体)、及び主代謝物であるケト-ダロルタミドの曝露量は100~700mgの用量範囲で用量に応じた増加を示した。ただし、900mgに増量しても曝露量に更なる増加はみられなかった(外国人データ)。 去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与したとき、血漿中ダロルタミド濃度は投与2~5日後に定常状態に達した(外国人データ)。
16.2 吸収
- 16.2.1バイオアベイラビリティ
健康成人6例に本剤300mg注1)を空腹時に単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは30%であった(外国人データ)。
- 16.2.2食事の影響
遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者6例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUClast及びCmaxは、空腹時投与と比較して、それぞれ2.5及び2.8倍に増加した。
16.3 分布
In vitro試験において、ダロルタミドのヒト血漿タンパク結合率は92%であった。また、ケト-ダロルタミドのヒト血漿タンパク結合率は99.8%であった。 健康成人6例にダロルタミド300mgを単回経口投与し、約3時間後に[14C]ダロルタミド100μg注1)を単回静脈内投与したとき、分布容積は119Lであった(外国人データ)。
16.4 代謝
In vitro試験において、ダロルタミドは主にCYP3A4によって酸化的に代謝され、主にケト-ダロルタミドが産生された。また、主にUGT1A9及びUGT1A1によってグルクロン酸抱合体に代謝された。 健康成人6例に[14C]ダロルタミド300mg注1)を単回経口投与したとき、投与1~24時間後までの血漿中に主にダロルタミド及びケト-ダロルタミドが検出された(血漿中総放射能のAUCinfに対する割合は、それぞれ28.6及び58.8%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に[14C]ダロルタミド300mg注1)を単回経口投与したとき、投与1週間後までの尿及び糞中において、それぞれ投与放射能の63.4%(未変化体として7%)及び32.4%が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
重度(eGFR15~29mL/min/1.73m2)の腎機能障害を有する被験者10例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ2.5及び1.6倍に増加した(外国人データ)。 透析を受けている末期腎不全患者(eGFR15mL/min/1.73m2未満)における薬物動態は検討していない。
- 16.6.2肝機能障害患者
中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者9例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ1.9及び1.5倍に増加した(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1リファンピシン
健康成人15例に、リファンピシン(強いCYP3A誘導薬)600mgを空腹時に反復経口投与した後、本剤600mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダロルタミドのAUC72h及びCmaxは、それぞれ72及び52%減少した(外国人データ)。
- 16.7.2ロスバスタチン
健康成人29例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ロスバスタチン(BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質)5mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ロスバスタチンのAUC24h及びCmaxは、いずれも5倍に増加した(外国人データ)。
- 16.7.3その他
健康成人15例に、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害薬)200mgを食後に反復経口投与した後、本剤600mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダロルタミドのAUC72h及びCmaxは、それぞれ1.7及び1.4倍に増加した(外国人データ)。 健康成人13例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ミダゾラム(CYP3Aの基質)1mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxは、それぞれ29及び32%減少した(外国人データ)。 健康成人13例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ダビガトランエテキシラート(P-gpの基質)75mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダビガトランエテキシラートのAUCinf及びCmaxは、それぞれ12及び17%低下した(外国人データ)。 ダロルタミドはBCRPの基質であり、MATE1、MATE2-K及びOAT3を阻害した。また、ケト-ダロルタミドはBCRPの基質である(in vitro)。
注1)本剤の承認用法・用量は「ダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与」である。