抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。 ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。
使用上の注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。一般に生理機能が低下している。
相互作用
- 本剤は、主として肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6により代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| フルボキサミン | 本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。 | フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT(GPT)上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 1%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1〜5%未満 |
| しゃっくり | 1%未満 |
| そう痒感 | 1%未満 |
| ビリルビン上昇等) | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 体熱感 | 1%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 発赤 | 頻度不明 |
| 皮疹 | 1%未満 |
| 肝機能異常(AST(GOT)上昇 | 1〜5%未満 |
| 舌のしびれ感 | 1%未満 |
| 血中クレアチニン上昇 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 頭部のほてり | 1%未満 |
| 頭重 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤は消化管の腸クロム親和性細胞からセロトニンを遊離させる。このセロトニンが消化管粘膜内求心性迷走神経終末に存在する5-HT3受容体に結合し、その刺激が嘔吐中枢を経て嘔吐を誘発させる。ラモセトロン塩酸塩はこの5-HT3受容体を遮断することにより制吐作用を発現するものと考えられる。
18.2 薬理作用
- 18.2.15-HT3受容体拮抗作用
セロトニンによるモルモット摘出結腸収縮10)並びにラット11)及びフェレット12)徐脈反射(ベツォルト-ヤーリッシュ反射)の実験において5-HT3受容体拮抗作用を示した。
- 18.2.2抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐抑制作用
シスプラチン投与により誘発されるフェレットの嘔吐に対して、嘔吐発現前又は初回嘔吐発現後の投与において抑制作用を示した13)。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に0.1~0.8mg注2) を静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度は二相性を示して低下し、β相の半減期は約5時間であった。AUCは投与量に比例し、体内動態は線形性を示した。 健康成人に反復投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった。
| 投与量 | t1/2β (h) |
AUC0-∞ (ng・h/mL) |
CL tot (L/h/kg) |
Vdss (L/kg) |
|---|---|---|---|---|
| 0.2mg | 4.33 | 9.86 | 0.30 | 1.69 |
| 0.4mg | 5.78 | 24.95 | 0.27 | 2.11 |
| 0.8mg | 5.44 | 41.64 | 0.29 | 2.07 |
注2)本剤の承認された1日用量は、最大0.6mgである。
| C15分 (ng/mL) |
t1/2β (h) |
AUC0-4h (ng・h/mL) |
血漿蛋白結合率 (%) |
|
|---|---|---|---|---|
| 健康成人 | 2.42 | 5.78 | 6.57 | 91.2 |
| 腫瘍患者 | 4.97 | 9.02 | 12.49 | *88.7 |
(ラモセトロン塩酸塩0.3mg投与時)
16.4 代謝
in vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており2)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。
16.5 排泄
投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の16~22%であった1)。 尿中には未変化体のほかに代謝物として脱メチル体、水酸化体及びその抱合体が存在した。