Clinical snapshot

ナグラザイム点滴静注液5mg

ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)点滴静注用製剤

添付文書改訂 2025年08月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の投与中又は投与終了後の当日の本剤に関連するinfusion reactionのうち、アナフィラキシー反応があらわれる可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与中及び投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発生した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2重症な呼吸不全又は急性呼吸器疾患のある患者に投与した場合、infusion reactionによって症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対してアナフィラキシーショックの既往歴のある患者

効能・効果

ムコ多糖症VI型

用法・用量

通常、ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを週1回、点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤はたん白質製剤であり、アナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。

  2. 8.2本剤の投与によりinfusion reaction(発熱、頭痛、発疹等)が発現する可能性がある。Infusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)や緊急処置を行うこと。

  3. 8.3睡眠時無呼吸はムコ多糖症VI型患者によく認められる症状であり、抗ヒスタミン剤の前投与が無呼吸のリスクを増加させる可能性があるため、本剤の投与開始前に気道開存性の評価を行うことが望ましい。睡眠時に酸素補給又は持続的気道陽圧等の呼吸補助を実施している患者では、本剤投与中にinfusion reactionが発現した場合や抗ヒスタミン剤投与に起因する極端な傾眠状態が発現した場合に備え、これらの呼吸補助処置を直ちに実施できるように準備をしておくこと。

  4. 8.4ほとんどの患者に抗ガルスルファーゼ抗体の産生が予測されるため、定期的にガルスルファーゼ(遺伝子組換え)に対する抗体検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1重症な呼吸不全又は急性呼吸器疾患のある患者

Infusion reactionによって症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

  1. 9.1.2急性熱性疾患又は呼吸器疾患のある患者

投与日を遅らせることを考慮すること。

  1. 9.1.3本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能に高度な障害のある患者

当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝機能に高度な障害のある患者

当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

5歳未満の小児を対象とした安全性及び有効性を検討した臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意すること。生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 頻度不明
アレルギー性皮膚炎 頻度不明
そう痒症 5%以上
丘疹 5%以上
低血圧 5%以上
充血 頻度不明
呼吸困難 5%以上
呼吸窮迫 頻度不明
咳嗽 5%以上
嘔吐 5%以上
好中球数増加 頻度不明
悪寒 5%以上
悪心 5%以上
振戦 頻度不明
斑状皮疹 頻度不明
注入部位疼痛 5%以上
発熱 5%以上
発疹 5%以上
白血球減少症 頻度不明
紅斑 5%以上
結膜炎 5%以上
胸痛 5%以上
腹痛 5%以上
蕁麻疹 5%以上
血小板減少症 頻度不明
血管神経性浮腫 頻度不明
貧血 頻度不明
関節痛 頻度不明
靭帯弛緩 頻度不明
頭痛 5%以上
顔面浮腫 頻度不明
高血圧 5%以上

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、ムコ多糖症VI型の組織及び細胞内に蓄積するグリコサミノグリカンの一種であるデルマタン硫酸のライソゾーム内加水分解酵素N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼの遺伝子組換え製剤である。ムコ多糖症VI型モデルネコに本剤を静脈内投与した結果、ライソゾーム中のグリコサミノグリカン蓄積は、心臓弁、大動脈、皮膚、硬膜、肝臓及び大脳の周囲血管細胞では、ほぼ正常に回復したか、あるいは完全に消失した。なお、軟骨及び角膜では変化が認められなかった7)。

薬物動態

16.1 血中濃度

海外において、ムコ多糖症VI型患者を対象として本剤1mg/kgを24週間にわたり週1回、4時間以上かけて静脈内投与したときの第1週及び第24週の薬物動態パラメータは下表のとおりであった1)。

薬物動態指標 薬物動態パラメータ値(平均値±SD)
第1週 第24週
Cmax(ng/mL) 816±216
[n=14]
2,357±1,560
[n=13]
AUC0-t(ng・min/mL)注4) 132,609±36,260
[n=13]
342,448±241,294
[n=13]
Vz(mL/kg) 118±74.7
[n=11]
316±752
[n=13]
CL(mL/min/kg) 7.28±1.48
[n=11]
7.92±14.7
[n=13]
t1/2(min) 11.1±5.3
[n=11]
22.8±10.7
[n=13]

注4)投与開始から投与終了後60分までの血漿中ガルスルファーゼ濃度-時間曲線下面積

16.3 分布

ムコ多糖症VI型モデルネコに本剤0.5~1.5mg/kgを静脈内投与したところ、肝臓、脾臓、肺、腎臓、心臓、皮膚、大動脈及びリンパ節において酵素活性が認められた。また、病態モデルネコに出生時から本剤を投与したところ、関節軟骨を除く全ての臓器で酵素活性が認められた。組織内半減期は肝臓、脾臓、肺、腎臓及び心臓で2~4日と推定された2)。