-
化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
-
**化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
トロデルビ点滴静注用200mg
サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え)
【警告】
-
1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
-
1.2*投与に際しては、骨髄抑制、感染症等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に血液検査等を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を、21日間を1サイクルとし、各サイクルの1日目及び8日目に点滴静注する。投与時間は3時間とし、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降は1~2時間に短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
-
8.1*骨髄抑制、感染症があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用を考慮すること。
-
8.2Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与は重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。
-
8.3間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1グルクロン酸抱合異常の患者
Gilbert症候群等のグルクロン酸抱合異常の患者においては、本剤を構成するSN-38の代謝が遅延することにより骨髄抑制、下痢等の重篤な副作用が発現する可能性があるため、十分注意すること。
- 9.1.2UGT1A1*6若しくはUGT1A1*28のホモ接合体を有する患者、又はUGT1A1*6及びUGT1A1*28のヘテロ接合体を有する患者
本剤を構成するSN-38の主な代謝酵素であるUDPグルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によるSN-38の代謝が減少することにより、骨髄抑制、下痢等の重篤な副作用が発現する可能性があるため、十分注意すること。
- 9.1.3*以下の発熱性好中球減少症のリスク因子を有する患者
-
65歳以上
-
好中球減少症の既往歴
-
Performance Status不良
-
腎機能障害
-
肝機能障害
-
心血管系機能障害
-
複数の合併症 等
初回サイクルからG-CSF製剤の一次予防投与を考慮すること。本剤の複数の臨床試験において、好中球減少症に伴う致死的な感染症が、主に投与開始1~2サイクル目で認められている。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1中等度又は重度の肝機能障害患者
本剤を構成するSN-38は主に肝代謝により消失することから、SN-38の血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度又は重度注2)の肝機能障害患者を対象とした試験は実施していない。
注2)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
9.4 生殖能を有する者
-
9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
-
9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。本剤を構成するSN-38のプロドラッグであるイリノテカンを用いた動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、本剤を構成するSN-38のプロドラッグであるイリノテカンを用いた動物実験(ラット)で乳汁移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤を構成するSN-38は主にUGT1A1により代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| UGT1A1阻害剤 • アタザナビル等 |
副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | UGT1A1阻害剤との併用により、SN-38の代謝が阻害され、SN-38の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| UGT1A1誘導剤 • カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等 |
有効性が減弱するおそれがあるので、UGT1A1誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 | UGT1A1誘導剤との併用により、SN-38の代謝が誘導され、SN-38の血中濃度が低下する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ざ瘡様皮膚炎 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| 上腹部痛 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低マグネシウム血症 | 頻度不明 |
| 低リン血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘(37.1%) | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 味覚不全 | 頻度不明 |
| 呼吸困難(労作性呼吸困難を含む) | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心(60.1%) | 頻度不明 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 活性化部分トロンボプラスチン時間延長 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 疲労(無力症を含む)(56.1%) | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 |
| 皮膚色素過剰 | 頻度不明 |
| 胃食道逆流性疾患 | 頻度不明 |
| 脱毛症(46.7%) | 頻度不明 |
| 脱水 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 1%未満 |
| 血中アルカリホスファターゼ増加 | 頻度不明 |
| 血中乳酸脱水素酵素増加 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高血糖 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
| 鼻漏 | 頻度不明 |
| 鼻閉 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
サシツズマブ ゴビテカンは、抗trophoblast cell surface antigen-2(TROP-2)ヒト化IgG1モノクローナル抗体と、トポイソメラーゼⅠ阻害作用を有するカンプトテシン誘導体であるSN-38(イリノテカンの活性代謝物)を、リンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体である。サシツズマブ ゴビテカンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するTROP-2に結合し、細胞内に取り込まれた後にリンカーが加水分解され、SN-38が細胞内に遊離する。遊離したSN-38はDNA合成を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
サシツズマブ ゴビテカンは、TROP-2を発現するヒト乳癌由来MDA-MB-468及びHCC1806細胞株をそれぞれ皮下移植したヌードマウスにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)14)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回及び反復投与
日本人進行固形癌患者に、21日間を1サイクルとして、本剤10mg/kgを1日目及び8日目に点滴静注したときの、初回投与後のサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN-38の薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は以下のとおりであった。なお、反復投与によるサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN-38の蓄積は認められなかった4)。
日本人進行固形癌患者に本剤10mg/kgを点滴静注したときの初回投与後のサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN-38の血清中濃度推移
| サシツズマブ ゴビテカン (9例) |
遊離SN-38 (9例) |
|
|---|---|---|
| tmax(h) | 3.30(3.05~3.45) | 3.43(3.05~8.93) |
| Cmax(ng/mL) | 226,000(14) | 42.9(28) |
| AUC0-168h (ng・h/mL) |
5,327,000(12) | 1,610(25) |
| t1/2(h) | 19.6(24) | 19.3(16) |
Cmax、AUC0-168h及びt1/2は幾何平均値(変動係数[CV]%)、tmaxは中央値(最小値~最大値)を示す。
16.3 分布
SN-38の血漿タンパク結合率は99%であるとの報告がある5)。
16.4 代謝
SN-38は主にUGT1A1を介して代謝される。SN-38のグルクロン酸抱合体(SN-38G)が、患者の血清中で検出された6)。