閉経後乳癌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
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2.2QT延長又はその既往歴のある患者(先天性QT延長症候群等)[心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長の増悪もしくは再発するおそれがある。]
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2.3低カリウム血症のある患者 [心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。]
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2.4クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスⅢ(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはトレミフェンとして40mgを1日1回経口投与する。また、既治療例(薬物療法及び放射線療法などに無効例)に対しては、通常成人にトレミフェンとして120mgを1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
使用上の注意
- 8.1本剤には抗エストロゲン及びエストロゲン作用がある。本剤は、閉経初期の患者へ投与されることがあるので、以下の点に注意すること。
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本剤の投与開始時にあたっては、妊娠していないことを確認し、本剤の妊娠への影響について説明すること。
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治療期間中はホルモン剤以外の方法で避妊するよう指導すること。
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本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに投与を中止すること。
- 8.2本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1骨髄抑制のある患者
軽度の白血球減少及びヘモグロビン減少が認められている。
- 9.1.2重度の徐脈等の不整脈、心筋虚血等の不整脈を起こしやすい心疾患のある患者
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)で胎児毒性(死亡、発育遅延、内臓・骨格異常、出生児の生殖障害)、妊娠維持及び分娩への障害等の生殖障害が認められている。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁に移行することが認められている。
9.8 高齢者
本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において副作用の発現率及びその程度に差がみられていないが、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されており、高齢者では肝機能が低下していることが多く高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クラスIA抗不整脈薬 • キニジン • プロカインアミド • (アミサリン) 等クラスⅢ抗不整脈薬 • アミオダロン • (アンカロン) • ソタロール • (ソタコール) 等 |
QT延長を増強し、心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)等を起こすおそれがある。 | これらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 腎臓を介してカルシウムの排泄を減少させる薬物 • チアジド系利尿剤 |
高カルシウム血症の危険性を増大させるおそれがある。 | 機序不明 |
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリン |
抗凝血作用を増強するとの報告があるので、抗凝血剤を減量するなど慎重に投与すること。 | クマリン系薬剤の代謝が阻害される。 |
| フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤の代謝が促進される。 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。 |
| リトナビル | 本剤のAUCが上昇することが予想される。 | 本剤の主要代謝酵素CYP3A4を阻害する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT上昇 | 1〜5%未満 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 1〜5%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1〜5%未満 |
| うつ症状 | 頻度不明 |
| かゆみ | 頻度不明 |
| コレステロール上昇 | 1%未満 |
| トリグリセライド上昇 | 頻度不明 |
| ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| ほてり | 1%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 子宮内膜増殖 | 頻度不明 |
| 性器出血 | 1%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 発汗 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 胃部不快感 | 1%未満 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 膣分泌物 | 頻度不明 |
| 血小板減少 | 頻度不明 |
| 視覚障害(角膜の変化等) | 頻度不明 |
| 貧血 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
| 高カルシウム血症 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 18.1.1抗エストロゲン作用
トレミフェン及び主代謝物であるN-デスメチルトレミフェンは、in vitroにおいてエストラジオールにより増殖促進されたヒト乳癌細胞(T-47D)の増殖を阻害した。さらにトレミフェンは、in vivoにおいて未成熟ラットのエストラジオールによる子宮重量の増加を抑制した7)。
- 18.1.2抗IGF-1作用
トレミフェン及び主代謝物であるN-デスメチルトレミフェンは、インシュリン様成長因子-1(IGF-1)により増殖促進されたエストロゲンレセプター(+)及び(-)乳癌細胞の増殖を阻害した。従って、この抗IGF-1作用は、エストロゲンレセプターを介さない作用と考えられる8)。
18.2 抗腫瘍効果
ヌードマウス可移植性ヒト乳癌を用いin vivoで検討した結果、トレミフェンは、エストロゲンレセプター(ER)(+)ヒト乳癌BR-10及びZR-75-1に対して増殖抑制作用を示した9),10)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
トレミフェンを反復経口投与(1日1回、40mg及び120mg)したとき、AUC及びCmaxの値は用量依存的に増加した。反復投与時の血清中濃度は初回投与時に比べて増加し、投与開始後2週間以内にほぼ一定となった1)。
- 16.1.2生物学的同等性試験
トレミフェン錠40mg「サワイ」とフェアストン錠40を健康成人男子にそれぞれ1錠(トレミフェンとして40mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中トレミフェン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
| Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-168hr (μg・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| トレミフェン錠40mg「サワイ」 | 0.273±0.055 | 2.9±0.7 | 70.9±18.3 | 10.73±2.72 |
| フェアストン錠40 | 0.259±0.049 | 3.1±1.0 | 69.1±14.9 | 10.26±2.61 |
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
トレミフェン120mgを1日1回、5日間反復経口投与したときの最終投与後2及び4時間の血清を混合して蛋白結合率を測定した。トレミフェン及びN-デスメチルトレミフェンの蛋白結合率はそれぞれ98.7及び97.9%であった1)。
16.4 代謝
女性乳癌患者における血中主代謝物はN-デスメチルトレミフェンであった。トレミフェンを反復経口投与したとき、この代謝物の血清中濃度は未変化体と同様に2週間以内にほぼ一定となった。このときの血清中濃度は未変化体の約2倍以上であった1)。
16.5 排泄
女性乳癌患者にトレミフェンを経口投与したときの尿中排泄率は未変化体、N-デスメチルトレミフェンいずれも0.1%以下であり、ヒトにおける主排泄経路は糞中であると推察された1)。