- 〈適応菌種〉
トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
- 〈適応症〉
肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽
トスフロキサシントシル酸塩水和物
トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽
通常、小児に対してはトスフロキサシントシル酸塩水和物として1回6mg/kg(トスフロキサシンとして4.1mg/kg)を1日2回経口投与する。 ただし、1回180mg、1日360mg(トスフロキサシンとして1回122.4mg、1日244.8mg)を超えないこととする。
8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2関節障害が発現するおそれがあるので、問診を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
8.3大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。
8.4急性腎障害、間質性腎炎、腎性尿崩症等の重篤な腎障害、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。
痙攣を起こすことがある。
フルオロキノロン系抗菌薬で症状を悪化させるとの報告2)がある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。
投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続することがある。
授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が報告されている3)。
9.7.1低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2幼児及び小児を対象とした臨床試験では関節症状を有する患者は除外されている。
9.8.1腱障害があらわれやすいとの報告がある。
9.8.2用量並びに投与間隔に留意し、慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テオフィリン アミノフィリン水和物 |
健康成人にテオフィリン1日400mgとトスフロキサシントシル酸塩水和物(錠剤)1日450mgを併用したところ、テオフィリンの最高血中濃度は、併用3日目で1.13倍、5日目では1.23倍の上昇を示したとの報告がある。 テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 |
機序:テオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度を上昇させることが報告されている。 危険因子:高齢者、高度の腎障害患者 |
| フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤 • ジクロフェナクナトリウム ロキソプロフェンナトリウム水和物 等 |
痙攣があらわれることがある。 観察を十分に行い、症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し、気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること。 |
機序:中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害作用が非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されることが主な機序と考えられている。 危険因子:高齢者、てんかん等痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高度の腎障害患者 |
| アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤、鉄剤、カルシウム含有製剤 • 乾燥水酸化アルミニウムゲル 酸化マグネシウム クエン酸第一鉄ナトリウム 沈降炭酸カルシウム 等 |
本剤の効果が減弱されるおそれがある。 同時投与を避けるなど注意すること。 |
機序:金属カチオンと難溶性の錯塩を形成し、本剤の消化管からの吸収が低下することが報告されている。 |
| 副腎皮質ホルモン剤 (経口剤、注射剤) • プレドニゾロン ヒドロコルチゾン 等 |
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 | 機序不明 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ALP増加 | 1%未満 |
| ALT増加 | 1%未満 |
| AST増加 | 1%未満 |
| BUN増加 | 1%未満 |
| LDH増加 | 1%未満 |
| γ-GTP増加 | 1%未満 |
| しびれ | 1%未満 |
| せん妄 | 1%未満 |
| そう痒症 | 1%未満 |
| ビリルビン増加 | 1%未満 |
| 下痢(5.2%) | 頻度不明 |
| 不眠症 | 1%未満 |
| 亀頭包皮炎 | 1%未満 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 光線過敏性反応 | 頻度不明 |
| 単球数増加 | 1%未満 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 口唇水疱 | 1%未満 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 嘔吐(3.7%) | 頻度不明 |
| 好酸球数増加 | 頻度不明 |
| 尿中血陽性 | 1%未満 |
| 尿中赤血球陽性 | 1%未満 |
| 尿円柱 | 頻度不明 |
| 幻覚 | 頻度不明 |
| 悪心 | 1%未満 |
| 振戦 | 1%未満 |
| 浮動性めまい | 1%未満 |
| 湿疹 | 1%未満 |
| 潮紅 | 1%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 胃・腹部不快感 | 1%未満 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 1%未満 |
| 舌炎 | 1%未満 |
| 蒼白 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 血中CK増加 | 1%未満 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 血中クロール増加 | 1%未満 |
| 血中クロール減少 | 1%未満 |
| 血小板数減少 | 頻度不明 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 遺尿 | 1%未満 |
| 関節痛 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣを阻害し、殺菌的に作用する10)。
トスフロキサシンはグラム陽性菌である肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、グラム陰性菌であるインフルエンザ菌(β-ラクタム耐性菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、また肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した。
肺炎及び中耳炎の小児患者に15%細粒剤を1回6mg/kg又は9mg/kgを1日2回反復経口投与※したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった[Population Pharmacokinetics(PPK)解析]。 ※本剤の承認用量は1回6mg/kgを1日2回である。
| 投与量 | 例数 | AUC (μg・hr/mL) |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
|---|---|---|---|---|---|
| 6mg/kg | 165 | 7.58±2.38 | 0.96±0.30 | 2.0±0.2 | 3.8±0.5 |
| 9mg/kg | 57 | 12.51±6.24 | 1.48±0.54 | 2.1±0.3 | 4.0±0.8 |
PKパラメータはNONMEMによるベイズ推定値 Mean±S.D.
図 血漿中トスフロキサシン濃度予測推移
16.3.1組織内移行
(1)喀痰
慢性気管支炎及び肺気腫の感染合併患者(成人)2例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、最高喀痰中濃度は2~3時間後に0.31μg/mL及び0.34μg/mLの値が得られ、6~8時間後にも0.20μg/mL前後であった5)。
慢性中耳炎急性増悪症患者(成人)5例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、耳漏中濃度は投与2~7時間後で0.056~0.32μg/mLであった6)。
健康成人6例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、大部分が未変化体として尿中及び糞中に排泄されたが、未変化体以外に2種の代謝物及びこれらの抱合体が尿中に確認された7)。
健康成人6例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、24時間までの未変化体の尿中排泄率は45.8%であった8)。また、代謝物も含めた24時間までの尿中総回収率は50.7%であった7)。
腎機能障害者(成人)に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、下表のとおり、腎機能の低下に伴い血中半減期(T1/2)の延長が認められた9)。
| 腎機能障害の程度 (Ccr:mL/min) | 例数 | T1/2(hr) |
|---|---|---|
| 正常者 (Ccr≧80) | 5 | 3.9 |
| 軽度 (80>Ccr≧50) | 3 | 4.0 |
| 中等度 (50>Ccr≧20) | 2 | 9.8 |
| 高度 (20>Ccr) | 4 | 10.5 |
血液透析患者(成人)2例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、それぞれ投与1.5時間後に1.65μg/mL、3時間後に1.6μg/mLの血中濃度ピーク値を示し、5時間の透析で透析液中に7.31%及び8.33%が回収された9)。