Clinical snapshot

デファイテリオ静注200mg

デフィブロチドナトリウム静注

添付文書改訂 2025年12月01日

【警告】

  1. 1.1重篤な副作用により致命的な経過をたどることがあるので、本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植、造血器悪性腫瘍の治療、がん化学療法に関して十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与が適切と判断される症例に対して行うこと。

  2. 1.2本剤の投与により、重篤な出血(脳出血、頭蓋内出血、肺出血、肺胞出血等)が発現するおそれがある。患者の状態を十分に観察し、重篤な出血が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2出血している患者(脳出血、肺出血、血胸、胃腸出血、吐血、重度の血尿等)[出血を助長するおそれがある。]

  3. 2.3血栓溶解剤(ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)製剤(アルテプラーゼ(遺伝子組換え)、モンテプラーゼ(遺伝子組換え)))を投与中の患者

効能・効果

肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)

用法・用量

通常、デフィブロチドナトリウムとして1回6.25mg/kgを1日4回、2時間かけて静脈内投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与前24時間以内は血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤)を投与しないこと。

  2. 8.2本剤投与前12時間以内はヘパリン製剤(未分画ヘパリン製剤又は低分子量ヘパリン製剤)を投与しないことが望ましい。

  3. 8.3本剤投与後24時間以内は血栓溶解剤及びヘパリン製剤を投与しないことが望ましい。

  4. 8.4大量出血リスクを伴う外科的手術又は侵襲的手法を施行する患者に対しては、本剤の投与を一時的に中断すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1出血素因、凝血異常のある患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2血行動態が不安定な患者

複数の昇圧剤を使用している等の血行動態が不安定な患者では、本剤の投与可否を慎重に判断し、投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍等)を慎重にモニタリングすること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤投与後に肝機能が悪化し、肝不全等の重篤な肝機能障害を起こした症例が報告されている。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を器官形成期の妊娠ウサギに投与したとき、体表面積換算で同等となる投与量で着床後死亡率の増加が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

性腺に対する影響を考慮すること。幼若ラットを用いた毒性試験において、臨床曝露量の0.54倍に相当する曝露量で陰茎亀頭包皮分泌腺開裂時期の遅延が認められており、雄の性成熟の遅延が示唆されている。 新生児、低出生体重児は臨床試験には組み入れられていない。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血栓溶解剤
• ウロキナーゼ• ウロナーゼt-PA製剤
• アルテプラーゼ(遺伝子組換え)• アクチバシン
グルトパ
• モンテプラーゼ(遺伝子組換え)• クリアクター
出血の危険性が増大するおそれがある。 マウスの血栓塞栓症モデルにおいて、デフィブロチドナトリウムは組換え型t-PAの抗血栓作用を増強した1)。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血液凝固阻止作用を有する薬剤
• 未分画ヘパリン製剤
低分子量ヘパリン製剤
• エノキサパリンナトリウム等
• ワルファリンカリウム
直接トロンビン阻害剤
• ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等
• 第Xa因子直接阻害剤
• リバーロキサバン、アピキサバン等トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)
乾燥濃縮人活性化プロテインC
乾燥濃縮人アンチトロンビンⅢ
出血傾向が増大するおそれがあるので、血液凝固能(出血時間、プロトロンビン時間、APTT等)等の検査、臨床症状の観察を頻回に行うこと。異常が認められた場合には本剤の投与中断も検討すること(ただし、中心静脈ラインの維持又は再開のための抗凝固療法を除く)。 出血傾向が増大するおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
• 抗血小板剤
• アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩等
• 非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
• ジクロフェナクナトリウム等
出血傾向が増大するおそれがある。 出血傾向が増大するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
APTT延長・短縮 頻度不明
INR増加 1%未満
アシドーシス 頻度不明
うっ血性心不全 頻度不明
カテーテル留置部位出血 頻度不明
そう痒症 頻度不明
プロトロンビン時間延長 頻度不明
メレナ 1%未満
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不眠症 頻度不明
低酸素症 頻度不明
便潜血陽性 頻度不明
全身性そう痒症 1%未満
全身性浮腫 頻度不明
凝血異常 頻度不明
処置後出血(5.0%) 頻度不明
出血性梗塞 頻度不明
出血性膀胱炎 頻度不明
出血性食道炎 頻度不明
剥脱性発疹 頻度不明
協調運動異常 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口腔障害 頻度不明
可逆性後白質脳症 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
呼吸窮迫 頻度不明
呼吸音異常 頻度不明
咳嗽 頻度不明
喀血 頻度不明
嗜眠 1%未満
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
多臓器不全 頻度不明
平衡障害 頻度不明
心不全 頻度不明
心嚢液貯留 頻度不明
心房粗動 頻度不明
心房細動 頻度不明
心筋症 頻度不明
急性腎障害 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
挫傷 頻度不明
播種性血管内凝固(DIC) 頻度不明
斑状皮疹 頻度不明
月経過多 1%未満
末梢性浮腫 頻度不明
水疱 頻度不明
注射部位反応 頻度不明
洞性徐脈 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
潮紅 1%未満
激越 頻度不明
熱感 1%未満
疼痛 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
硬膜下ヒグローマ 1%未満
筋痙縮 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
紅斑性皮疹 頻度不明
紫斑 1%未満
結膜出血 頻度不明
耳閉 頻度不明
肝不全 頻度不明
肝性脳症 頻度不明
肺感染 頻度不明
胸痛 頻度不明
脳症 頻度不明
腎不全 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
血中ビリルビン異常 頻度不明
血便排泄 1%未満
血小板減少症 頻度不明
血尿 頻度不明
血胸 頻度不明
複視 頻度不明
霧視 頻度不明
静脈閉塞性疾患 頻度不明
静脈閉塞性肝疾患 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
鼓膜充血 頻度不明
鼻出血(8.3%) 頻度不明
鼻漏 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

デフィブロチドナトリウムの作用機序は明確でないものの、活性型カスパーゼ-3の抑制を介したアポトーシス抑制作用12)、プラスミン活性の増強作用13)、組織因子の発現抑制及び組織因子を介した凝固活性の抑制作用14)、トロンボモジュリンの発現促進作用15)、von Willebrand factorの抑制作用16)、組織因子経路インヒビターの遊離促進作用17)により、凝固・線溶系の各種因子に影響することで血管内皮細胞の保護に寄与すると推察される18)。

18.2 血管内皮細胞保護作用

ヒト微小血管内皮細胞の培養液から血清を除去することにより生じた細胞障害を抑制した19)(in vitro)。 フルダラビンにより誘発されるヒト微小血管内皮細胞のアポトーシスを抑制した20)(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性8例に本剤6.25mg/kgを2時間かけて単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。

本剤6.25mg/kgを2時間かけて単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差(N=8))

Cmax
(μg/mL)
tmaxa
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(μg∙hr/mL)
20.59±4.11 2.00(2.00~2.00) 0.47±0.10 42.32±6.95

平均値±標準偏差(N=8) a:中央値(最小値~最大値)

造血幹細胞移植後の肝類洞閉塞症候群(SOS)患者17例に本剤6.25mg/kgを2時間かけて静脈内投与したとき、投与開始日の初回投与時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。

Cmax
(μg/mL)
tmaxa
(hr)
t1/2b
(hr)
AUC0-∞b
(μg∙hr/mL)
26.00±7.29 2.02(1.92~2.42) 1.12±0.65 66.03±15.04

平均値±標準偏差(N=17) a:中央値(最小値~最大値)、b:N=15

造血幹細胞移植後のSOS患者5例に本剤6.25mg/kg/回を1日4回、6時間ごとに2時間かけて7日間反復静脈内投与したとき、反復投与による血漿中濃度の増加は認められなかった4)(外国人データ)。

16.3 分布

健康成人男性8例に本剤6.25mg/kgを2時間かけて単回静脈内投与したときの分布容積は7.31Lであった2)。 デフィブロチドのヒト血漿タンパク結合率は91.3%以上であった5)(in vitro)。

16.4 代謝

本剤は主にエキソヌクレアーゼによる加水分解で代謝される6)(in vitro)。

16.5 排泄

健康成人男性3例に125I-デフィブロチドナトリウム400mgを5分間かけて単回静脈内投与したとき、投与168時間後の放射能の尿中累積排泄率は投与量の約72%、糞中累積排泄率は投与量の約19%であり、主に尿中に排泄された。なお、尿中放射能の大部分が投与24時間後までに排泄された7)(外国人データ)。 健康成人52例に本剤6.25mg/kg及び15mg/kgを2時間かけて単回静脈内投与したとき、投与24時間後までのデフィブロチドの累積尿中排泄率の平均値はそれぞれ9.48%及び13.63%であった8)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

本剤6.25mg/kgを2時間かけて6時間ごとに4回静脈内投与したとき、重度腎機能障害患者又は末期腎不全患者(6例)の初回投与及び投与4回目のCmaxは健康成人(6例)と比べて約35%~37%上昇し、AUCは約50%~60%増加した。また、重度腎機能障害患者又は末期腎不全患者のt1/2は健康成人と比べて、初回投与及び投与4回目ではそれぞれ1.3倍及び2.3倍延長した9)(外国人データ)。 血液透析を受けている末期腎不全患者6例に本剤6.25mg/kgを2時間かけて非血液透析時及び血液透析時に静脈内投与したとき、血液透析によるAUC及び全身クリアランスへの影響は認められなかった9)(外国人データ)。

  1. 16.6.2小児

造血幹細胞移植後の小児のSOS患者(7歳)1例に本剤6.25mg/kgを2時間かけて単回静脈内投与したとき、Cmaxは17.5μg/mL、tmaxは2.0hr、t1/2は2.8hr、AUC0-∞は69.3μg·hr/mLであった3)。

注)本剤の承認された用法・用量は「通常、デフィブロチドナトリウムとして1回6.25mg/kgを1日4回、2時間かけて静脈内投与する。」である。