Clinical snapshot

ディアコミットカプセル250mg

スチリペントール

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムで十分な効果が認められないDravet症候群患者における間代発作又は強直間代発作に対するクロバザム及びバルプロ酸ナトリウムとの併用療法

用法・用量

通常、1歳以上の患者には、スチリペントールとして1日50mg/kgを1日2~3回に分割して食事中又は食直後に経口投与する。投与は1日20mg/kgから開始し、1週間以上の間隔をあけ10mg/kgずつ増量する。ただし、体重50kg以上の患者には、スチリペントールとして1日1000mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけ500mgずつ増量する。 なお、1日最大投与量は50mg/kg又は2500mgのいずれか低い方を超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1血液障害(好中球減少症、血小板減少症等)、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は、定期的に血液検査、肝機能検査を行うこと。

  2. 8.2腎機能障害があらわれるおそれがあるので、本剤投与前及び投与中は、定期的に腎機能検査を行うこと。

  3. 8.3不整脈、QT延長等があらわれる可能性があるので、本剤投与前及び投与中は、定期的に心電図検査を行うなど、患者の状態を慎重に観察すること。

  4. 8.4食欲減退が高頻度で認められることから、あらかじめ患者及びその家族に十分に説明し、必要に応じて医師の診察を受けるよう、指導すること。

  5. 8.5体重減少を来すことがあるので、本剤投与中は定期的に体重計測を実施するなど、患者の状態を慎重に観察すること。

  6. 8.6傾眠、運動失調(ふらつき)等が高頻度で認められ、転倒等を伴う可能性があるので、あらかじめ患者及びその家族に十分に説明し、必要に応じて医師の診察を受けるよう、指導すること。

  7. 8.7連用中における投与量の急激な減量ないし投与の中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1ヵ月以上かけて徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  8. 8.8眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血液障害のある患者

血液障害を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2呼吸器疾患を有する患者

呼吸機能が抑制されるおそれがある。

  1. 9.1.3QT延長のある患者

QT間隔を過度に延長させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害を悪化させるおそれがある。本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられている。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させるおそれがある。本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの生殖発生毒性試験において、催奇形性は認められなかったが、母動物に一般状態の悪化及び死亡がみられる用量(800mg/kg/日)で、出生児生存率の低下、胎児及び出生児の体重低下、骨化遅延並びに反射に影響が認められている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ヤギ)で乳汁中に移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

乳児(1歳未満)には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、本剤投与中は、患者の状態を注意深く観察すること。低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

高齢者に対する安全性は確立していない。

相互作用

  • 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2、CYP2C19、CYP3A4で代謝される。また、いくつかのCYP分子種(CYP1A2、CYP3A4、CYP2D6、CYP2C19及びCYP2C9)の阻害作用をもつ。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
麦角アルカロイド
• エルゴタミン酒石酸塩
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
エルゴメトリンマレイン酸塩等
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、麦角中毒を引き起こすおそれがある。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
ピモジド
キニジン硫酸塩水和物
ベプリジル塩酸塩水和物
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6、CYP1A2等)を阻害する。
フェニトイン
フェノバルビタール
カルバマゼピン
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。また、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4等)を阻害する。これら薬剤による代謝酵素(CYP1A2、CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進される。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
抗てんかん薬
• プリミドン
ニトラゼパム
エトスクシミド
ゾニサミド
トピラマート等
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C19、CYP3A4等)を阻害する。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
ベンゾジアゼピン系薬剤
• ジアゼパム
ミダゾラム
トリアゾラム
アルプラゾラム
クロラゼプ酸二カリウム等
これらの薬剤の血中濃度上昇や薬理学的相互作用により過度の鎮静が起こることがある。併用する場合にはこれらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。また、本剤とこれらの薬剤は共に中枢神経抑制作用を有する。
スタチン系薬剤
• アトルバスタチンカルシウム水和物
シンバスタチン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、横紋筋融解症などの副作用の発現頻度が増加するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)を阻害する。
免疫抑制剤
• タクロリムス水和物
シクロスポリン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
キサンチン系薬剤
• カフェイン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害する。
テオフィリン テオフィリンの血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、必要に応じてテオフィリンを減量する、血中濃度を測定するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害する。
カフェイン含有食品
• チョコレート、コーヒー、紅茶、日本茶、コーラ等
これらの食品に含まれるカフェインの血中濃度が上昇するおそれがある。同時に服用する場合は、注意すること。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP1A2)に対する阻害作用により、これらの食品に含まれるカフェインの代謝を抑制する。
プロトンポンプ阻害薬
• オメプラゾール等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C19)を阻害する。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
• セレコキシブ
ジクロフェナクナトリウム
イブプロフェン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する。
クマリン系抗血液凝固薬
• ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの抗凝血作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、必要に応じてワルファリンカリウムを減量する、血液凝固能を確認するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるワルファリンカリウムの代謝酵素(CYP2C9等)を阻害する。
HIVプロテアーゼ阻害剤
• リトナビル
サキナビルメシル酸塩
ネルフィナビルメシル酸塩等クロルフェニラミンマレイン酸塩
カルシウム拮抗薬
• ニフェジピン
ニカルジピン塩酸塩
ニソルジピン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
経口避妊薬
• ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
マクロライド系抗生物質
• エリスロマイシン
クラリスロマイシン
テリスロマイシン等アゾール系抗真菌剤
• フルコナゾール
イトラコナゾール等
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤及びこれらの薬剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)に対する阻害作用により、相互に代謝を抑制する。
β遮断薬
• プロプラノロール塩酸塩
カルベジロール
チモロールマレイン酸塩等抗うつ薬
• パロキセチン塩酸塩水和物
セルトラリン塩酸塩
イミプラミン塩酸塩
クロミプラミン塩酸塩等ハロペリドール
コデインリン酸塩水和物
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
トラマドール塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤を減量するなど、注意して投与すること。 本剤は肝臓で代謝されるこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2D6)を阻害する。
クロルプロマジン塩酸塩
フルニトラゼパム
オキサゾラム
ロラゼパム
ハロタン
アルコール(飲酒)
これらの薬剤及びアルコールの中枢神経抑制作用が増強され過度の鎮静が起こるおそれがある。併用する場合には、これらの薬剤及びアルコールを減量するなど、注意して投与すること。 共に中枢神経抑制作用を有する。
グリベンクラミド グリベンクラミドの血糖降下作用が増強されるおそれがある。併用する場合には、グリベンクラミドを減量するなど、注意して投与すること。 本剤の肝薬物代謝酵素に対する阻害作用により、グリベンクラミドの代謝を抑制する。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT間隔を過度に延長させるおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
γ-GTP上昇(37.5%) 頻度不明
アトピー性皮膚炎 頻度不明
アンモニア増加 頻度不明
ジストニー 頻度不明
そう痒 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠症 頻度不明
不規則月経 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠(79.2%) 頻度不明
嘔吐 頻度不明
多弁 頻度不明
好中球減少 頻度不明
悪心 頻度不明
振戦(25.0%) 頻度不明
排尿困難 頻度不明
攻撃性 頻度不明
敵対行動 頻度不明
易刺激性 頻度不明
栄養障害 頻度不明
気管支炎 頻度不明
注意力障害 頻度不明
注意欠陥多動性障害 頻度不明
激越 頻度不明
無力症 頻度不明
疲労 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮膚アレルギー 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
睡眠期リズム障害 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
筋緊張低下 頻度不明
肝機能検査異常 頻度不明
肺炎 頻度不明
興奮性亢進 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板減少 頻度不明
行動障害 頻度不明
複視 頻度不明
転倒 頻度不明
運動失調(ふらつき)(58.3%) 頻度不明
運動過多 頻度不明
食欲減退(66.7%) 頻度不明
麦粒腫 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1本剤は、GABA取り込み阻害作用14)、GABAトランスアミナーゼ活性低下作用15)、脳組織中GABA濃度の増加作用14)及びGABAA受容体に対する促進性アロステリック調節作用16)により、GABA神経伝達を亢進する。本剤は、α3あるいはδサブユニットを有するGABAA受容体に、より強い活性を示す17)。

  2. 18.1.2本剤は、CYP阻害作用に基づく薬物代謝阻害により、併用抗てんかん薬の血中濃度を高め、その抗痙攣作用を増強する。

18.2 抗痙攣作用

各種てんかん動物モデルにおいて、抗痙攣作用を示すことが報告されている。

  1. 18.2.1ペンテトラゾールにより誘発されるマウス及びラットの痙攣を抑制した18),19)。

  2. 18.2.2マウス及びラットの最大電撃痙攣を抑制した14),19)。

  3. 18.2.3ビククリン及びストリキニーネによりマウスに誘発される痙攣を抑制した14)。

  4. 18.2.4水酸化アルミニウムを脳内投与することによりサルに誘発される自発的痙攣発作を抑制した20)。

  5. 18.2.5遺伝的てんかん動物モデル(聴原性痙攣マウス、小発作様欠神を起こす系統のラット)のてんかん様発作を抑制した19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

外国人健康成人にスチリペントール500、1000及び2000mg(500mgカプセル、各投与量12例)を食後に単回経口投与したときのスチリペントールの血漿中濃度・薬物動態パラメータは図1・表1のとおりであった4)(外国人データ)。

図1 健康成人におけるスチリペントールの血漿中濃度推移

パラメータ 500mg
(n=12)
1000mg
(n=12)
2000mg
(n=12)
Cmax(μg/mL) 2.63±1.18 6.63±1.83 13.8±4.83
Tmax(hr) 2.42±0.76 2.42±1.00 2.96±1.01
T1/2(hr) 7.82±1.86 11.0±4.18
AUC0-30hr(μg・hr/mL) 8.85±3.77 32.1±10.7 79.0±24.2
AUC0-∞(μg・hr/mL) 33.8±10.9 86.6±25.3

-:算出できず                     Mean±S.D.

  1. 16.1.2反復投与

外国人健康成人に、スチリペントールを1日3回、600、1200及び1800mg/日の用量でそれぞれ2、4及び7日間反復投与(各投与量6例)したときの定常状態の血中濃度は、それぞれ0.70±0.34、2.86±1.44及び5.11±2.19μg/mLであったとの文献報告がある。これは、投与量比の増加を上回って増加した。各投与量の経口クリアランスは、それぞれ1090±624、506±219及び405±151L/日で、高用量ではクリアランスが有意に低下した5)(外国人データ)。

  1. 16.1.3患者における薬物動態

クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムが併用されている小児及び成人の日本人Dravet症候群患者において、スチリペントールを1日2~3回、50mg/kg/日の用量で併用投与したときの血漿中スチリペントール濃度は小児では約4~24μg/mL、成人では約9~15μg/mLの範囲であった4)。 クロバザム、バルプロ酸ナトリウム及び臭化剤が併用されている小児及び成人の日本人Dravet症候群患者において、スチリペントールを1日2~3回、50mg/kg/日の用量で併用投与したときの血漿中スチリペントール濃度は小児では約4~25μg/mL、成人では約8~19μg/mLの範囲であった4)。

  1. 16.1.4生物学的同等性試験

カプセル剤とドライシロップ剤との生物学的同等性を、健康成人男性に1000mgを食後に単回経口投与することにより検討した。両製剤はAUCに関しては生物学的同等性の基準を満たしていたが、Cmaxに関しては、ドライシロップ剤でカプセル剤に比べ23%高く、生物学的同等性の基準を満たさなかった4)(外国人データ)。

図2 健康成人にスチリペントール1000mg(500mgドライシロップ×2及び500mgカプセル×2)を単回経口投与したときの血漿中濃度推移

製剤 例数 Tmaxa)
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-36hr
(μg・hr/mL)
ドライシロップ剤 24 3.50(1.50~4.00) 7.32±2.10 32.97±11.05
カプセル剤 24 3.00(1.00~4.00) 5.99±1.75 30.23±10.81
幾何平均値の比の90%
信頼区間(点推定値)
NSb) 1.10~1.37
(1.23)
1.04~1.16
(1.10)

Mean±S.D.

a)中央値(最小値~最大値)、b)有意差なし(Wilcoxonの順位和検定)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

食事の影響の評価を目的とした試験は実施されていないが、スチリペントールを空腹時に投与したとき6)に比べ、食後に投与したときにはスチリペントールの血中濃度が高い傾向を示す報告がある4)。

投与
時期
例数 投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-30hr
(μg・hr/mL)
食後 12 1000 6.63±1.83 2.00
(1.00~4.00)a)
7.82±1.86 32.1±10.7
食後 24 1000 5.99±1.75 3.00
(1.00~4.00)a)
17.4±11.4 30.2±10.8b)
空腹時 6 1200 3.43 1.58 12.6c)

-:算出できず                     Mean±S.D.

a)中央値(最小値~最大値)、b)AUC0-36hr、c)体重70kgとして算出

16.3 分布

平衡透析法により測定したヒト血漿蛋白との結合率は30又は60μg/mLの濃度で約99%であった。また、ヒト血清及びヒト血清アルブミンを用いたin vitro試験より、本薬の結合タンパク種は主にアルブミンである可能性が示唆された4),6)(外国人データ)。

16.4 代謝

スチリペントールのヒト代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP1A2、CYP2C19、CYP3A4と考えられる4)(in vitro)。また、スチリペントールは、いくつかのCYP分子種(CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)を阻害することが明らかにされている7)(in vitro)。健康成人被験者に対するスチリペントールの反復投与(平均投与量44mg/kg/日)後に、CYP1A2及びCYP3A4の有意な阻害が認められたが、CYP2D6の阻害は認められなかった7)(in vivo、外国人データ)。

16.5 排泄

スチリペントールは、抱合及び酸化反応により代謝され、主に尿中に排泄される。健康成人にスチリペントール600mgを単回経口投与又は1200mgを7日間反復経口投与後、尿中にそれぞれ投与量の73及び98%に相当する13種類の代謝物(未変化体を含む)が排泄された。スチリペントール1200mgを単回経口投与後の糞中には、投与量の13~24%が未変化体として回収された8)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1クロバザム、バルプロ酸ナトリウム

クロバザム(0.05~0.78mg/kg/日)及びバルプロ酸ナトリウム(9.3~44.3mg/kg/日)併用療法中のDravet症候群患者(1~18歳20例、19~30歳4例)に、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムの減量を許容してスチリペントール(50mg/kg/日)を反復投与したとき、スチリペントール投与前と比較して、クロバザム、ノルクロバザム(クロバザムの活性代謝物)及びバルプロ酸の血漿中トラフ濃度(μg/mL、CYP2C19の遺伝子多型別)は以下のとおりであった4)。

クロバザム ノルクロバザム バルプロ酸
投与前 投与後 投与前 投与後 投与前 投与後
CYP2C19のEM 0.11
±0.07a)
0.17
±0.13a)
0.46
±0.35a)
2.57
±1.90a)
68.22
±29.56c)
73.15
±28.01d)
CYP2C19のPM 0.12
±0.10b)
0.27
±0.32b)
4.64
±3.53b)
3.21
±2.86b)
57.33
±36.23e)
54.70
±28.15e)

a)n=17、b)n=3、c)n=20、d)n=19、e)n=4       Mean±S.D.

  1. 16.7.2臭化剤(臭化ナトリウム及び臭化カリウム)

クロバザム(0.07~0.50mg/kg/日)、バルプロ酸ナトリウム(14.88~44.25mg/kg/日)及び臭化剤(13.27~59.32mg/kg/日)併用療法中のDravet症候群患者(1~18歳9例、19~30歳1例;CYP2C19のEM)に、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムの減量を許容してスチリペントール(50mg/kg/日)を反復投与したとき、臭化剤の血漿中トラフ濃度は、スチリペントール投与前と比較して5%増加した4)。

  1. 16.7.3カルバマゼピン

カルバマゼピン(5.7~39.2mg/kg/日)単剤療法中のてんかん患者(小児及び成人)64例に、カルバマゼピンを平均36%減量してスチリペントール(3000mg/日)を反復投与したとき、血漿中カルバマゼピン濃度は、スチリペントール投与前と比較して54%増加した4)(外国人データ)。 ※本剤の承認された1日最大投与量は50mg/kg又は2500mgのいずれか低い方である。

  1. 16.7.4フェニトイン、フェノバルビタール

抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、クロバザム又はバルプロ酸ナトリウム)を投与中のてんかん患者(成人)11例を対象に、投与中の抗てんかん薬を4~16週間維持投与した後、本剤の投与を開始し、4週間かけて本剤を漸増するとともに併用抗てんかん薬の血漿中濃度が本剤投与前と同程度になるよう用量調節を行い、その後本剤及び他の抗てんかん薬の用量を固定して8週間投与したとき、フェニトイン及びフェノバルビタールの投与量は、本剤投与により、それぞれ45.0及び26.3%減少したとの文献報告がある9)(外国人データ)。