Clinical snapshot

チガソンカプセル25

エトレチナート

添付文書改訂 2024年01月01日

【警告】

本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3肝障害のある患者

  4. 2.4腎障害のある患者

  5. 2.5ビタミンA製剤を投与中の患者

  6. 2.6ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • *諸治療が無効かつ重症な下記疾患

  • 乾癬群(尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎)、 魚鱗癬群(尋常性魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症)、 掌蹠角化症、ダリエー病、掌蹠膿疱症、毛孔性紅色粃糠疹及び紅斑性角化症 口腔白板症、口腔乳頭腫及び口腔扁平苔癬

用法・用量

通常成人は寛解導入量エトレチナートとして1日40~50mgを2~3回に分けて2~4週間経口投与する。1日最高用量は75mgまでとする。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日10~30mgを1~3回に分けて経口投与する。 幼・小児では寛解導入量エトレチナートとして1日体重1kgあたり1.0mgを1~3回に分けて2~4週間経口投与する。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日体重1kgあたり0.6~0.8mgを1~3回に分けて経口投与する。 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、諸治療が無効な重症の場合にのみ、使用上の注意を考慮して使用すること。 なお、使用に際して患者に以下の副作用についてよく説明すること。

  2. 8.2本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に次の注意事項についてよく説明し、理解させた後、同意を書面で得てから使用すること。

  3. 8.2.1妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、次の正常な生理周期の2日又は3日目まで投与を開始しないこと。また、本剤の投与開始前2週間以内の妊娠検査を行うなど、妊娠していないことを確認すること。

  4. 8.2.2本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある女性で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は避妊させること。

  5. 8.2.3本剤はモルモットを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されているので男性に投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも6ヵ月間は避妊させること。

  6. 8.2.4本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は献血を行わないよう指導すること。

  7. 8.3本剤の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことがある。したがって投与中に関節痛・骨痛等の症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示すること。また、本剤の長期投与に際しては、定期的な問診(骨・筋等の痛みや運動障害)、X線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。なお、骨の成長が終了していない25歳以下の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察(定期的なX線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査)を十分に行いながら慎重に投与すること。

  8. 8.4本剤は肝障害を起こすことがあるので肝機能検査は投与前、投与開始1ヵ月後及び投与中は3ヵ月ごとに行うべきであり、肝障害が疑われるときは直ちに投与を中止すること。

  9. 8.5本剤の高中性脂肪血症の患者への投与は、脂質代謝障害の危険性が高いので、その素因のある患者には血中トリグリセライドの検査を行うこと。

  10. 8.6本剤の投与により脱毛が起こることがある。

  11. 8.7本剤は臨床試験で落屑、口唇炎の副作用発現率が高いので十分な経過観察を行い、投与量の増減又は投与の継続を慎重に判断すること。口唇炎の対症療法には、ワセリンやコルチコイド外用剤が用いられている。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.125歳以下の患者、特に幼児、小児

  2. 9.1.2糖尿病患者、肥満者、アルコール中毒症患者、脂質代謝異常患者など高中性脂肪血症の素因がある患者

脂質代謝異常が起こるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎障害のある患者

投与しないこと。本剤の作用が増強するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害のある患者

投与しないこと。肝障害が悪化するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1妊娠する可能性のある女性

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤投与中又は投与中止後2年以内に妊娠した患者で、胎児、新生児の頭蓋顔面欠損、脊椎欠損、四肢欠損、骨格異常等があらわれたとの催奇形性の症例報告がある。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2幼児、小児に投与する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことがある。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビタミンA製剤
(チョコラA 等)
ビタミンAの正常血中濃度には影響を及ぼさないが、ビタミンA過剰症と類似した副作用症状があらわれることがある。 本剤はビタミンA様作用を示すため、ビタミンA様作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フェニトイン フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。 フェニトインの蛋白結合能を低下させることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
LDHの上昇 1〜5%未満
クレアチニン値上昇 頻度不明
しびれ感 1%未満
トリグリセライド値の上昇 1〜5%未満
ほてり 1〜5%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
不眠 1%未満
中耳炎(耳漏) 1%未満
亀裂 1〜5%未満
体重減少 1%未満
倦怠感(脱力感) 1〜5%未満
口内乾燥(61.5%) 5%以上
口内炎 1%未満
口唇炎(80.7%) 5%以上
口腔内びらん 1〜5%未満
口角炎 5%以上
味覚異常 1%未満
咽頭痛 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
嘔吐 頻度不明
嘔気 1〜5%未満
変色等) 頻度不明
夜間視力低下 頻度不明
悪寒 1%未満
悪心 頻度不明
毛髪異常(縮れ 頻度不明
水疱 1%未満
浮腫 1%未満
爪囲炎 5%以上
爪脆弱化 1〜5%未満
痤瘡 1%未満
瘙痒(33.4%) 5%以上
瘙痒) 1〜5%未満
発汗 5%以上
発熱 1%未満
発疹 1〜5%未満
白血球増多 1%未満
白血球減少 1%未満
皮下出血 1〜5%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚菲薄化(28.7%) 5%以上
目のかすみ 1%未満
眼痛 1%未満
眼瞼腫脹(乾燥 1〜5%未満
眼精疲労 1%未満
眼脂 1%未満
筋肉痛 頻度不明
紅斑 1〜5%未満
結膜炎 5%以上
耐糖能異常 1%未満
耳鳴 1%未満
肉芽腫 頻度不明
脱毛(14.4%) 5%以上
腹痛 1%未満
舌痛 1%未満
色素沈着 1〜5%未満
落屑(63.5%) 5%以上
血清コレステロール値の上昇 1%未満
視覚異常) 頻度不明
貧血 1%未満
関節痛 1%未満
頭痛 頻度不明
頭痛・頭重 5%以上
頭蓋内圧亢進(初期症状:うっ血乳頭 頻度不明
頻尿 1%未満
食欲不振 1%未満
骨異常(過骨症 頻度不明
骨痛等) 頻度不明
骨端の早期閉鎖 頻度不明
黄疸 頻度不明
鼻腔乾燥(6.3%) 5%以上

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は皮膚角化異常症及び口腔粘膜の過角化病変に対し、対症療法として奏効する。その詳細な作用機序は明らかではないが、落屑(角層細胞の接着力の低下)とともに正常な上皮の再形成(増殖及び分化)に関与するものと考えられる7)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子5例にエトレチナートとして25mgを単回経口投与したとき、未変化体及び活性代謝物(脱エチル体)の血清中濃度は図1のとおりであった。また、薬物動態パラメータは以下の表のとおりであった1)。

図1 単回投与後の血清中濃度

パラメータ
成分
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
エトレチナート 50±25 4±1 2±1
活性代謝物
(脱エチル体)
85±25 6±2 4±1

(mean±SD)

  1. 16.1.2連続投与

チガソンの長期投与(4~234週)を受けた197例の患者におけるエトレチナートの排泄半減期は約100日と考えられた。単回経口投与時に比べ、このような長い排泄半減期を示す理由としては、長期投与中に脂肪組織(主に皮下脂肪)に取り込まれたエトレチナートが徐々に血中へ流出してくることが考えられた2)。(外国人データ)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

角化症患者10例において、本剤1mg/kgを牛乳480mLで服用したとき、本剤の血清中濃度は水で服用した場合の約260%に増加した3)。 また、健康成人男子8例において、本剤100mg※を高脂肪食(脂肪111g)と服用したとき、本剤の血漿中濃度は絶食時服用の約450%に増加した4)。 (エトレチナートは脂溶性のため、吸収の程度を一定にするためには、食事の質を均一化させる必要がある。) ※承認された用量は1日最高75mgまでである。

16.3 分布

患者8例にエトレチナートとして1日50mgを4週間連続経口投与したとき、投与中及び投与中止後7週目までの皮下組織、血清、真皮、表皮における未変化体と活性代謝物の合計濃度は図2のとおりであった5)。(外国人データ)

図2 4週間連続経口投与後の未変化体と活性代謝物の合計濃度

16.5 排泄

健康成人男子5例にエトレチナートとして1日25mgを4日間連続経口投与したとき、投与開始後7日目までに糞便中に未変化体は投与量の約49%、活性代謝物は数%が認められたが、尿中にはいずれも認められなかった1)。