Clinical snapshot

チアトンカプセル10mg

チキジウム臭化物

添付文書改訂 2025年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  2. 2.2前立腺肥大による排尿障害のある患者[膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。]

  4. 2.4麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

  5. 2.5本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

下記疾患における痙攣ならびに運動機能亢進 胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、過敏性大腸症候群、胆のう・胆道疾患、尿路結石症

用法・用量

チキジウム臭化物として、通常成人1回5~10mgを1日3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

羞明等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1前立腺肥大のある患者(ただし前立腺肥大による排尿障害のある患者を除く)

膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2甲状腺機能亢進症の患者

心悸亢進等の症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3うっ血性心不全のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)

心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。

  1. 9.1.4不整脈のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)

心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。

  1. 9.1.5潰瘍性大腸炎の患者

中毒性巨大結腸があらわれることがある。

  1. 9.1.6高温環境にある患者

汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。

  1. 9.1.7開放隅角緑内障の患者

抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続及び中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に前立腺肥大を伴っている場合が多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
三環系抗うつ剤
• アミトリプチリン
イミプラミン等フェノチアジン系薬剤
• プロクロルペラジン
クロルプロマジン等抗ヒスタミン剤
• クロルフェニラミン
ジフェンヒドラミン等
本剤の作用が増強されることがある。 本剤及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を持つ。
モノアミン酸化酵素阻害剤 本剤の作用が増強されるおそれがある。 MAO阻害剤は抗コリン作用を増強させるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
心悸亢進 1〜5%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
排尿障害 1〜5%未満
発疹 1%未満
羞明 1〜5%未満
耳鳴 1%未満
胃不快感 1%未満
胸やけ 1%未満
腹部膨満感 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭重感 1%未満
頻尿 1%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

摘出標本及び生体位において強力な抗アセチルコリン作用を有し、神経節遮断作用をほとんど示さないことから、副交感神経末端で抗ムスカリン作用をあらわすと考えられる5),6),7),8)。

18.2 攣縮緩解作用

  1. 18.2.1マウス、ラット又はイヌにチキジウム臭化物を経口投与あるいは静脈内投与したとき、迷走神経刺激による胃攣縮あるいは腸管輸送能に対して抑制作用を示した9),10)。

  2. 18.2.2イヌにチキジウム臭化物を静脈内投与したとき、Oddi筋からの灌流量の顕著な増加並びに胆のう内圧の減少が認められ、また迷走神経刺激による胆のう攣縮に対しても抑制作用を示した10)。

  3. 18.2.3イヌにチキジウム臭化物を静脈内投与したとき、尿管から導出される自発筋電図に対して抑制作用を示した11)。

  4. 18.2.4健康成人5名に本剤(チキジウム臭化物10mg)を経口投与し、胃の蠕動運動及びバリウム排出に及ぼす影響を検討したところ、非投与時と比較して著しい運動抑制作用を示したが、バリウムの排出遅延は認められなかった12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人12例に本剤(チキジウム臭化物5mg、10mg及び20mg)を単回経口投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。 注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。

経口投与時の血清中濃度推移

投与量 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC(ng・hr/mL)
5mg 3.4±1.0 2.1±0.1 6.9±2.5
10mg 10.9±4.4 1.5±0.4 22.6±8.2
20mg 21.3±3.9 1.0±0.2 45.2±5.7

平均値±標準誤差、n=4

16.3 分布

  1. 16.3.1ラットに14C-チキジウム臭化物10mg/kgを経口投与したところ、小腸、胃、肝、大腸、腎などに高い分布が認められたが、時間の経過とともに速やかに各臓器より消失し、いずれの部位にも蓄積性は認められなかった。また、中枢神経系には放射活性はほとんど認められなかった2)。

  2. 16.3.2ヒト血漿での血漿蛋白結合率は46.5%であった3)(in vitro)。

16.4 代謝

健康成人22例に本剤(チキジウム臭化物20mg)を1日1回2日間経口投与したとき、尿中には未変化体、主要代謝物としてチオフェン環-O-スルフェート、微量ながらチオフェン環-O-グルクロナイドが検出された4)。 注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。

16.5 排泄

健康成人12例に本剤(チキジウム臭化物5mg、10mg及び20mg)を単回経口投与したとき、未変化体の尿中排泄は速やかであり、6時間までに総排泄量の90%以上が排泄され、24時間までの総排泄量は投与量の0.6~0.9%であった1)。 注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。