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タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」

タンドスピロンクエン酸塩

添付文書改訂 2024年03月01日

効能・効果

  • 神経症における抑うつ、恐怖

  • 心身症(自律神経失調症、本態性高血圧症、消化性潰瘍)における身体症候ならびに抑うつ、不安、焦躁、睡眠障害

用法・用量

通常、成人にはタンドスピロンクエン酸塩として1日30mgを3回に分け経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日60mgまでとする。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の使用にあたっては、高度の不安症状を伴う患者の場合効果があらわれにくいので、慎重に症状を観察する等注意すること。

  2. 8.2眠気・めまい等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  3. 8.3ベンゾジアゼピン系誘導体とは交差依存性がないため、ベンゾジアゼピン系誘導体から直ちに本剤に切り替えると、ベンゾジアゼピン系誘導体の退薬症候が引き起こされ、症状が悪化することがあるので、前薬を中止する場合は徐々に減量する等注意すること。動物実験(ラット)で、ジアゼパム連続投与後休薬により起こる体重減少に対し、60mg/kg/日及び200mg/kg/日経口投与で抑制作用を示さず、ベンゾジアゼピン系誘導体との交差依存性は認められなかった。

  • 〈神経症〉
  1. 8.4罹病期間が長い(3年以上)例や重症例あるいは他剤(ベンゾジアゼピン系誘導体)での治療効果が不十分な例等の治療抵抗性の患者に対しては効果があらわれにくい。1日60mgを投与しても効果が認められないときは、漫然と投与することなく、中止すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1脳に器質的障害のある患者

本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2中等度又は重篤な呼吸不全のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3心障害のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

9.2 腎機能障害患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1動物実験(ラット)において、母獣に死亡が認められる投与量(200mg/kg)で胎児に波状肋骨の増加が報告されている。

  2. 9.5.2妊娠前・妊娠初期投与試験

SD系ラット(雄、雌)に8、20、50、80mg/kg/日連続経口投与した試験で、50mg/kg/日以上で性周期の異常、受胎率の低下、着床率の低下、胎児体重の低値が認められた1)。

  1. 9.5.3器官形成期投与試験

SD系ラットに13、32、80、200mg/kg/日連続経口投与した催奇形性試験で、80mg/kg/日以上で胎児体重の低値が、200mg/kg/日で生後修復するといわれている波状肋骨の増加が認められた。 同じく、SD系ラットに8、20、50、80mg/kg/日連続経口投与した器官形成期投与試験で、80mg/kg/日で胎児及び出生児体重の低値が認められた。 また、ウサギに38、75、150mg/kg/日連続経口投与した試験では、150mg/kg/日で胎児体重の低値が認められた1)。

  1. 9.5.4周産期・授乳期投与試験

SD系ラットに8、20、50mg/kg/日連続経口投与した試験で、50mg/kg/日で出生児の生後発育の抑制が認められた1)。

  1. 9.5.5胎児への移行

妊娠ラットに14C-タンドスピロンを20、100mg/kg1回経口投与した場合、胎児に母体血漿と同程度の放射能が認められた2)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。哺育中のラットに14C-タンドスピロンを20、100mg/kg1回経口投与した場合、乳汁中に血漿中濃度の2.1~2.6倍の放射能の移行が認められた2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量(例えば1日15mg)から投与を開始するなど注意すること。外国における高用量(90mg/日)注)を用いた体内薬物動態試験で若年者に比べ高い血中濃度を示した。 注)本剤の承認された1日最大用量は60mgである。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ブチロフェノン系薬剤
• ハロペリドール
ブロムペリドール
スピペロン 等
錐体外路症状を増強することがある。 本剤の弱い抗ドパミン作用が、ブチロフェノン系薬剤の作用を増強する。
カルシウム拮抗剤
• ニカルジピン
アムロジピン
ニフェジピン 等
降圧作用を増強することがある。 本剤のセロトニン受容体を介した中枢性の血圧降下作用が降圧作用を増強する。
セロトニン再取り込み阻害作用を有する薬剤
• フルボキサミン
パロキセチン
ミルナシプラン
トラゾドン 等
セロトニン症候群があらわれることがある。 併用により、セロトニン作用が増強するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALPの上昇 1%未満
ALT 1%未満
AST 1%未満
BUNの上昇 1%未満
CKの上昇 1%未満
γ-GTPの上昇 1%未満
じん麻疹 1%未満
そう痒感 1%未満
パーキンソン様症状 1%未満
ふらつき 1%未満
ほてり(顔面紅潮 1%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
不眠 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
動悸 1%未満
口渇 1%未満
嘔吐 1%未満
四肢のしびれ 1%未満
多汗(発汗 1%未満
好酸球増加 1%未満
寝汗等) 1%未満
尿中NAGの上昇 1%未満
悪夢 頻度不明
悪寒 1%未満
悪心 1%未満
振戦 1%未満
気分不快 1%未満
浮腫 頻度不明
灼熱感等) 1%未満
発疹 1%未満
目のかすみ 1%未満
眠気 頻度不明
胃のもたれ 1%未満
胃痛 1%未満
胸内苦悶 1%未満
脱力感 1%未満
腹部不快感 1%未満
腹部膨満感 1%未満
頭痛 1%未満
頭重 1%未満
頻脈 1%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

脳内セロトニン受容体のサブタイプの1つである5-HT1A受容体に選択的に作用することにより、抗不安作用や心身症モデルにおける改善効果を示すと考えられる9)。

18.2 抗不安作用

臨床における抗不安作用の指標となるコンフリクト試験で、ジアゼパムと同等の効力を示す10),11)(ラット)。

18.3 抗うつ作用

従来の三環系抗うつ薬が有する生体アミンの神経終末への再取り込み阻害作用は示さないが(ラット)、臨床における抗うつ作用の指標となる嗅覚球摘出ラットのマウス攻撃行動(ムリサイド)の抑制、オペラント試験における強化数の増加(ラット)、また、強制水泳試験での無動時間の短縮(ラット)等の作用が認められている10),12),13)。

18.4 心身症モデルにおける昇圧反応抑制作用、血漿中レニン活性上昇抑制作用、胃潰瘍発生抑制作用、摂食低下抑制作用

視床下部刺激による昇圧反応(ネコ)、電撃ショックストレス負荷による血漿中レニン活性の上昇(ラット)を抑制する10),14)。 また、心理的ストレス負荷による胃潰瘍の発生(マウス)、水浸拘束ストレス負荷による摂食低下(ラット)を抑制する10),15)。

18.5 筋弛緩作用、麻酔増強作用、自発運動抑制作用、協調運動抑制作用、抗けいれん作用

臨床における眠気、ふらつき、過度の鎮静に結びつく筋弛緩作用(マウス、ラット)、麻酔増強作用(マウス)、自発運動抑制作用(マウス)、協調運動抑制作用(マウス、ラット)をほとんど示さず、また抗けいれん作用(マウス)もほとんど認められていない16)。

18.6 薬力学的薬物相互作用

  1. 18.6.1ベンゾジアゼピン系誘導体との併用で、相互に抗不安作用を増強するが、抗けいれん作用、麻酔増強作用や協調運動抑制作用には影響は認められていない10)(ラット)。

  2. 18.6.2ブチロフェノン系誘導体との併用で、抗ドパミン作用を軽度に増強することが認められている10)(ラット)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人6例に20mgを食後あるいは絶食時に単回経口投与した場合、未変化体の血清中濃度は投与0.8~1.4時間後に最高値に達し、血清中半減期は1.2~1.4時間であった3)。

投与量 投与条件 Tmax(hr) Cmax(ng/mL) AUC(ng・hr/mL) T1/2(hr)
20mg 絶食 0.8±0.1 3.2±0.6 8.2±2.1 1.2
食後 1.4±0.3 2.9±0.7 11.5±3.1 1.4
  1. 16.1.2反復投与

健康成人6例に1回10mg、1日3回、5日間連続経口投与した場合、投与開始後5日目の血清中未変化体濃度は単回投与時と同様の推移を示し、投与休止により速やかに消失し、蓄積性は認められなかった3)。 また、心身症患者及び神経症患者10例に30又は60mg/日を連続経口投与した場合、血清中未変化体濃度は健康成人と同様の推移を示し、蓄積性はないと考えられた4)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈タンドスピロンクエン酸塩錠5mg「サワイ」〉

タンドスピロンクエン酸塩錠5mg「サワイ」とセディール錠5mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(タンドスピロンクエン酸塩として5mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中タンドスピロン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-10hr
(pg・hr/mL)
タンドスピロンクエン酸塩錠5mg「サワイ」 152.9±112.8 1.0±0.5 4.0±2.2 527.3±396.3
セディール錠5mg 168.0±173.8 0.9±0.4 3.9±2.2 505.6±398.3

(Mean±S.D.)

  • 〈タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」〉

タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」とセディール錠10mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(タンドスピロンクエン酸塩として10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中タンドスピロン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

Cmax
(pg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-10hr
(pg・hr/mL)
タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」 347.5±249.6 0.9±0.3 3.6±1.1 1026.4±697.2
セディール錠10mg 316.6±225.4 0.9±0.4 3.8±1.5 1024.5±702.4

(Mean±S.D.)

  • 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人6例に20mgを食後あるいは絶食時に単回経口投与した場合、食事による影響はほとんど認められなかった3)。

16.8 その他

  • 〈タンドスピロンクエン酸塩錠20mg「サワイ」〉

タンドスピロンクエン酸塩錠20mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた6)。