乳癌
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈タモキシフェン錠10mg「MYL」〉
通常、成人にはタモキシフェンとして1日20mgを1~2回に分割経口投与する。 なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量はタモキシフェンとして40mgまでとする。
- 〈タモキシフェン錠20mg「MYL」〉
通常、成人には1錠(タモキシフェンとして20mg)を1日1回経口投与する。 なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量は2錠(タモキシフェンとして40mg)までとする。
使用上の注意
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8.1本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
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8.2本剤の投与により子宮体癌、子宮肉腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症がみられることがあるので、本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的に検査を行うことが望ましい1),2),3),4),5)。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1白血球減少あるいは血小板減少のある患者
白血球減少、血小板減少を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2*遺伝性血管性浮腫のある患者
遺伝性血管性浮腫の症状を誘発又は悪化させるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1治療に際して妊娠していないことを確認すること。
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9.4.2妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後9カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。また、ホルモン剤以外の避妊法を用いること。
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9.4.3男性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦及び妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。外国において、本剤を投与された患者で自然流産、先天性欠損、胎児死亡が報告されており、また、本剤は、動物実験で妊娠及び分娩への影響並びに胎仔への移行が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2D6により代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリン等 |
抗凝血作用が増強することがあるので、抗凝血剤を減量するなど、慎重に投与すること。 | タモキシフェンがワルファリンの肝臓での代謝を阻害する可能性が考えられている。 |
| リトナビル | 本剤のAUCが上昇することが予想される。 | リトナビルのチトクロームP-450に対する競合的阻害作用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。 | リファンピシンにより、CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される可能性がある。 |
| 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) • パロキセチン等 |
本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により乳癌による死亡リスクが増加したとの報告がある。 | CYP2D6阻害作用により本剤の活性代謝物の血漿中濃度が低下したとの報告がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ほてり・潮紅 | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 下肢痙攣 | 頻度不明 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 卵巣嚢胞 | 頻度不明 |
| 卵巣嚢腫 | 頻度不明 |
| 味覚異常を含む) | 頻度不明 |
| 子宮頸管ポリープ | 頻度不明 |
| 性器出血 | 1〜5%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 5%以上 |
| 感覚異常(錯感覚 | 頻度不明 |
| 抑うつ状態 | 頻度不明 |
| 放射線照射リコール反応 | 頻度不明 |
| 晩発性皮膚ポルフィリン症 | 頻度不明 |
| 月経異常 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 無月経 | 1〜5%未満 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発汗 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 皮膚エリテマトーデス | 頻度不明 |
| 皮膚血管炎 | 頻度不明 |
| 眩暈・めまい | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 肝機能異常 | 頻度不明 |
| 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎を含む) | 頻度不明 |
| 脱毛 | 1〜5%未満 |
| 腟ポリープ | 頻度不明 |
| 腟分泌物 | 頻度不明 |
| 腫瘍部の疼痛・発赤 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 陰部そう痒 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
| 骨痛 | 頻度不明 |
| 高トリグリセライド血症 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
タモキシフェンは乳癌組織等のエストロゲンレセプターに対しエストロゲンと競合的に結合し、抗エストロゲン作用を示すことによって抗乳癌作用を発揮するものと考えられる18)。
18.2 抗腫瘍効果
タモキシフェンはヌードマウス可移植性ヒト乳癌組織(Br-10)の増殖をタモキシフェン錠投与開始と同時に停止させ、対照群と比較し腫瘍重量を有意に低下させる19)。また、DMBA(7,12-Dimethylbenz[a]anthracene)によるラット乳癌の発生を抑制し、更に確立したDMBA誘発ラット乳癌を退縮させる20)。
18.3 エストロゲンレセプターとの結合能
摘出ヒト乳癌組織におけるタモキシフェン錠のエストロゲンレセプターとの結合能は、エストラジオールの約0.7%である21)。また、未成熟ラット子宮組織を用いた試験において、タモキシフェン錠はエストラジオールの約300倍の濃度でエストラジオールのエストロゲンレセプターに対する結合を50%阻止する22)。 なお、エストロゲンレセプター陰性の腫瘍に対しても臨床的効果が認められている23)。
薬物動態
16.1 血中濃度
乳癌患者にタモキシフェン錠20mgを単回経口投与した場合、速やかに吸収され、6~7.5時間後に最高血中濃度(22.2~26.3ng/mL)に達し、血中半減期は20.6~33.8時間であった。また、連続経口投与(1回10mg 1日2回投与)による血中濃度の推移は、投与後6週間目まで上昇し、その後ほぼ一定であった7)。
- 16.1.1生物学的同等性試験
- 〈タモキシフェン錠10mg「MYL」〉
タモキシフェン錠10mg「MYL」とノルバデックス錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(タモキシフェンとして10.0mg)雄ビーグル犬(8.4~10.5kg、平均9.5kg)に絶食単回経口投与して血漿中タモキシフェン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、ノルバデックス錠のAUC及びCmaxと有意差は認められなかった。また、血漿中タモキシフェン濃度は投与24時間後ではともに検出限界以下に低下し、両剤の生物学的同等性が確認された8)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | ||
|---|---|---|---|
| AUCt (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
|
| タモキシフェン錠10mg「MYL」 | 241±78 | 52±15 | 1.5±0.7 |
| ノルバデックス錠10mg | 249±55 | 54±11 | 1.4±0.7 |
(平均値±標準偏差、n=12)
- 血漿中タモキシフェンの濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験動物の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- 〈タモキシフェン錠20mg「MYL」〉
タモキシフェン錠20mg「MYL」とノルバデックス錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(タモキシフェンとして20.0mg)雄ビーグル犬(8.4~10.5kg,平均9.7kg)に絶食単回経口投与して血漿中タモキシフェン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、ノルバデックス錠のAUC及びCmaxと有意差は認められなかった。また、血漿中タモキシフェン濃度は投与24時間後ではともに検出限界以下に低下し、両剤の生物学的同等性が確認された9)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | ||
|---|---|---|---|
| AUCt (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
|
| タモキシフェン錠20mg 「MYL」 |
357±179 | 76±35 | 1.7±0.8 |
| ノルバデックス錠20mg | 372±187 | 79±36 | 1.9±0.9 |
(平均値±標準偏差、n=12)
- 血漿中タモキシフェンの濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験動物の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
健常者、乳癌患者における主要代謝物はN-デスメチルタモキシフェンであり、未変化体と同様の薬理作用を示す(外国人のデータ)10),11)。タモキシフェン錠を乳癌患者に連日投与した場合、この代謝物の血中濃度は、8週間目で未変化体の約1.4倍であった7)。 未変化体からN-デスメチルタモキシフェンへの脱メチル化には主にCYP3A4が関与し、それに続く活性代謝物エンドキシフェン(4-OH-N-デスメチルタモキシフェン)への水酸化には主にCYP2D6が関与すると考えられている12),13)。
16.5 排泄
14C-タモキシフェン20mgを患者に単回経口投与した場合、13日間で投与量の約65%が糞尿中に排泄され、このうち約1/5は尿中より、約4/5は糞中より回収された。なお、タモキシフェン錠の極めて緩徐な排泄は、腸肝循環によるものと推測された(外国人のデータ)14)。