Clinical snapshot

タブレクタ錠150mg

カプマチニブ塩酸塩水和物

添付文書改訂 2026年06月01日

【警告】

  1. 1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量

通常、成人にはカプマチニブとして1回400mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。

  2. 8.2肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1間質性肺疾患のある患者

間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. **9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

  2. **9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後7日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギ及びラットを用いた生殖発生毒性試験において、それぞれ臨床曝露量の0.01倍及び0.42倍で催奇形性が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重大な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤は、主にCYP3Aによって代謝される。また、本剤はCYP1A2、P-gp及びBCRPの阻害作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
強力な又は中等度のCYP3A誘導剤
• リファンピシン
• カルバマゼピン
• エファビレンツ等
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強力なCYP3A阻害剤
• イトラコナゾール
• リトナビル
• クラリスロマイシン等
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が増加する可能性がある。
CYP1A2の基質となる薬剤
• テオフィリン
• チザニジン
• ピルフェニドン等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 本剤がCYP1A2を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
• ジゴキシン
• フェンタニル
• タクロリムス等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
• ロスバスタチン
• アトルバスタチン
• メトトレキサート等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
胃内pHを上昇させる薬剤
• プロトンポンプ阻害剤
• ラベプラゾール
• ランソプラゾール
• オメプラゾール等
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。 これらの薬剤が胃内pHを上昇させるため、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
― 頻度不明
アミラーゼ増加 頻度不明
そう痒症 頻度不明
リパーゼ増加 頻度不明
下痢 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低リン酸血症 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
急性膵炎 頻度不明
悪心(37.1%) 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
背部痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蜂巣炎 頻度不明
血中ビリルビン増加 頻度不明
非心臓性胸痛 頻度不明
食欲減退 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

カプマチニブは、間葉上皮転換因子(MET)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、METのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

18.2 抗腫瘍効果

カプマチニブは、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異を有する非小細胞肺癌患者由来腫瘍組織片を皮下移植した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した13)(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人の進行固形癌患者にカプマチニブ200mg注3)又は400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときのカプマチニブのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。カプマチニブ400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときの投与15日目におけるカプマチニブの蓄積率は1.99であった1)。

投与量
(mg)
投与 Cmax
(ng/mL)
Tmax※
(h)
AUClast
(ng・h/mL)
AUC0-12h
(ng・h/mL)
200 1日目
(n=3)
2190
(118.0)
0.950
(0.917-0.967)
8200
(61.0)
8170
(61.3)
15日目
(n=3)
2850
(59.6)
0.967
(0.967-2.00)
11000
(56.2)
11000
(56.2)
400 1日目
(n=12)
3230
(80.8)
1.00
(0.467-3.95)
12500
(74.0)
12500
(73.8)
15日目
(n=9)
6450
(67.0)
1.00
(0.500-2.00)
26400
(70.4)
26300
(70.2)

幾何平均(幾何平均CV%) ※Tmaxは中央値(最小値-最大値)

日本人患者にカプマチニブ200mg及び400mgを1日2回反復経口投与したときの1日目(上図)と15日目(下図)の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

また、国際共同第Ⅱ相試験で非小細胞肺癌患者に400mgを空腹時に1日2回反復経口投与してカプマチニブの薬物動態を評価した結果、累積率(1.39)から算出した有効半減期は6.54時間と推定され、反復投与後3日までに定常状態に達すると考えられる2)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人(24例)に本剤600mg注3)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.20であった。また、空腹時投与に対する高脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.15及び1.46であった3)(外国人データ)。

16.3 分布

カプマチニブのヒト血漿タンパク結合率は96%であった。血液/血漿濃度比は、濃度範囲10~1,000ng/mLで1.5、高濃度10,000ng/mLでは0.9であった4)(in vitro)。

16.4 代謝

カプマチニブは主にCYP3A4及びアルデヒドオキシダーゼによって代謝される(in vitro)。健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、投与12時間後までの血漿中に、主に未変化体及び薬理活性を示さない代謝物M16(酸化体)が検出された(血漿中総放射能のAUC12hに対する割合は、それぞれ42.9及び21.5%)5)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、投与168時間後までの尿及び糞中において、それぞれ投与放射能の21.8及び77.9%が排泄された。また、投与96時間までの尿中及び糞中において、それぞれ主にM16及び未変化体が検出された(投与放射能に対する割合は、それぞれ2.9及び42.1%)5)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

カプマチニブ200mg注3)を単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(9例)に対する軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.724及び0.767であった。また、肝機能正常被験者(9例)に対する中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.828及び0.914であった。肝機能正常被験者(9例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.02及び1.24であった6)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1リファンピシン

健康成人(25例)にリファンピシン(強力なCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、カプマチニブ400mgを単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.441及び0.335であった7)(外国人データ)。

  1. 16.7.2エファビレンツ

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、カプマチニブ(400mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中等度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.683及び0.554であった8)。

  1. 16.7.3イトラコナゾール

健康成人(26例)にイトラコナゾール(強力なCYP3A阻害剤)200mgを1日1回10日間反復経口投与し、カプマチニブ200mg注3)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び1.42であった7)(外国人データ)。

  1. 16.7.4カフェイン

MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(30例)にカプマチニブ400mgを1日2回9日間反復経口投与し、カフェイン(CYP1A2の基質)100mgを単回経口投与したとき、カフェイン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のカフェインのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.04及び2.34であった9)(外国人データ)。

  1. 16.7.5ジゴキシン

MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(25例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを単回経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.74及び1.47であった10)(外国人データ)。

  1. 16.7.6ロスバスタチン

MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(24例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ3.04及び2.08であった10)(外国人データ)。

  1. 16.7.7ラベプラゾール

健康成人(20例)にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)20mgを1日1回4日間反復経口投与し、カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するラベプラゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.625及び0.748であった11)(外国人データ)。

  1. 16.7.8その他

  2. (1)MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(31例)にカプマチニブ400mgを1日2回9日間反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.22及び1.09であった9)(外国人データ)。

  3. (2)カプマチニブはP-gpの基質であり、CYP2C8、MATE1及びMATE2-Kを阻害した(IC50値は、それぞれ1.7、0.28及び0.29µmol/L)。また、M16(酸化体)はMATE1及びMATE2-Kを阻害した(IC50値は、それぞれ0.38及び0.63µmol/L)12)(in vitro)。

注3)本剤の承認用法・用量は「カプマチニブとして1回400mgを1日2回経口投与」である。

最新安全性情報

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公式情報
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薬価情報

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最新薬価: ¥5055.50
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社 出典
2026年度
タブレクタ錠150mg 本剤
4291067F1023
150mg1錠 150mg1錠 ¥5055.50 — — — —