Clinical snapshot

タナドーパ顆粒75%

ドカルパミン製剤

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者[血中にカテコラミンが過剰に分泌されているので、ドパミン産生物質を投与すると、一層の過剰反応が起こったり、期待した効果が得られないおそれがある。]

効能・効果

ドパミン塩酸塩注射液、ドブタミン塩酸塩注射液等の少量静脈内持続点滴療法(5μg/kg/min未満)からの離脱が困難な循環不全で、少量静脈内持続点滴療法から経口剤への早期離脱を必要とする場合

用法・用量

通常、成人にはドカルパミンとして1日量2250mg(本剤3g)を3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1治療に当たっては、経過を十分に観察し、病状に応じ、治療上必要最小限の使用にとどめること。なお、長期の使用経験は十分でないので、長期の維持療法には用いないことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1肥大型閉塞性心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)の患者

心収縮力増強作用により、左室流出障害を増強させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児及び出生児の発育抑制が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で血清プロラクチンの低下及び本剤の乳汁移行性が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フェノチアジン系誘導体(クロルプロマジン)
ブチロフェノン系誘導体(ハロペリドール、ドロペリドール等)
本剤の腎動脈血流量増加等の作用が減弱することがある。
併用する場合には、用量に注意する。
フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤のドパミン受容体遮断作用による。
MAO阻害剤 本剤の作用(血圧上昇等)が増強かつ延長するおそれがある。
異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
本剤の代謝が阻害される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 1%未満
動悸 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
心室性期外収縮 1〜5%未満
心房細動等の不整脈 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
胃不快感 1〜5%未満
血小板減少 頻度不明
頻脈 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はドパミンのカテコール基及びアミノ基を保護した化学構造を持ち、消化器及び肝臓におけるドパミンの初回通過代謝が軽減され、効率的に血漿中遊離型ドパミン濃度を上昇させる。本剤の腎血管拡張作用はDA1拮抗薬により、心収縮力増強作用はβ遮断薬によりほぼ完全に抑制される。したがって、本剤の作用機序はDA1及び心筋β1受容体の活性化によると思われる6)。

18.2 心収縮力増強作用

麻酔犬に7~20mg/kgを十二指腸内投与した場合、心収縮能(LV dp/dt max)を用量依存的に増強させる7)。

18.3 腎血流増加作用・尿量増加作用

生理食塩液負荷麻酔犬に11.2mg/kgを十二指腸内投与した場合、腎血流量、糸球体濾過値をそれぞれ24%増加させ、尿量を2.9倍に増加させる。その際のNa排泄量は2.6倍に、K排泄量は1.8倍に増加しており、Na排泄のほうがより著明にあらわれる8)。

18.4 末梢血流量増加作用

麻酔犬に11.2mg/kgを十二指腸内投与した場合、腸間膜動脈血流量を26%増加させる8)。 麻酔犬に12mg/kgを十二指腸内投与した場合、心拍出量を20%、門脈血流量を21%、冠動脈血流量を15%増加させる9)。

18.5 心拍数、血圧に及ぼす影響

麻酔犬に3.7~33.5mg/kgを十二指腸内投与した場合、血圧、心拍数にはほとんど影響を与えない8)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子9例にタナドーパ顆粒75% 1g(ドカルパミンとして750mg)を単回経口投与した場合、血漿中遊離型ドパミン濃度は1.5時間後に最大値(63±14ng/mL)に達し、5時間後にはほとんど消失した1)。

16.2 吸収

ラットのin situ結紮腸管からの3H-ドカルパミンの投与後6時間までの吸収率は87.8%であった。ラットにおける14C-ドカルパミン30mg/kgの経口及び静脈内投与時のAUC又は尿中排泄率から求めた消化管吸収率はそれぞれ84.3%又は89.4%であった2)。

16.3 分布

血漿蛋白結合率は40.5%であった3)(ヒト、限外ろ過法、in vitro)。

16.4 代謝

ドカルパミンのカテコールエステル及びアミド結合の加水分解により、活性体であるドパミンが生成する4)(ラット、イヌ)。

16.5 排泄

健康成人男子にタナドーパ顆粒75% 1g(ドカルパミンとして750mg)を単回経口投与した場合、24時間以内に投与量の約70%が尿中に排泄された。尿中排泄物は、遊離型及び抱合型ドパミンが半分以上を占め、残りはホモバニリン酸と3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸等であった1)。