- 肺動脈性肺高血圧症
【警告】
本剤と硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。 ただし、肺動脈性肺高血圧症の治療において一酸化窒素吸入療法と本剤の併用が治療上必要と判断される場合は、緊急時に十分対応できる医療施設において、肺動脈性肺高血圧症の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで、慎重に投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者
-
2.3可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者
-
2.4重度の腎障害のある患者
-
2.5重度の肝障害のある患者
-
**2.6チトクロームP450 3A4(CYP3A4)を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、リトナビル含有製剤、アタザナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ダルナビル含有製剤、クラリスロマイシン、テラプレビル、コビシスタット含有製剤、エンシトレルビル、セリチニブ)を投与中の患者
-
2.7CYP3A4を強く誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール)を長期的に投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には1日1回タダラフィルとして40mgを経口投与する。
使用上の注意
-
8.14時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
-
8.2臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
-
8.3本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
-
8.4本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者
これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。
- 9.1.2コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50mmHg)又はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100mmHg)のある患者
これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。
- 9.1.3網膜色素変性症患者
ホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。
- 9.1.4陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者
本剤の薬理作用により勃起が起こり、その結果陰茎に痛みを引き起こす可能性がある。
-
9.1.5持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者
-
9.1.6出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。
- 9.1.7肺静脈閉塞性疾患を有する患者
本剤を投与しないことが望ましい。肺血管拡張剤は、肺静脈閉塞性疾患を有する患者の心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがある。肺静脈閉塞性疾患を有する患者における有効性及び安全性は確立していない。
- 9.1.8重症の左室流出路閉塞、体液減少、自律神経障害に伴う低血圧や安静時低血圧等を有する患者
他のPDE5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用を有するため一過性の軽度の血圧低下があらわれる場合がある。
- 9.1.9出血の危険因子(ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法、抗血小板療法、結合組織疾患に伴う血小板機能異常、経鼻酸素療法)を有する患者
出血の危険性が高まるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎障害患者
投与しないこと。本剤の血漿中濃度が上昇し、また透析によるクリアランスの促進は期待されない。また、これらの患者は臨床試験では除外されている。
- 9.2.2軽度又は中等度の腎障害患者
本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度の肝障害患者
投与しないこと。これらの患者は臨床試験では除外されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
相互作用
- 本剤は主にCYP3A4により代謝される。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 硝酸剤及びNO供与剤 • ニトログリセリン • 亜硝酸アミル • 硝酸イソソルビド • ニコランジル等 |
併用により、降圧作用を増強するとの報告がある1),2),3)。 | NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。 |
| sGC刺激剤 • リオシグアト(アデムパス) |
併用により、血圧低下を起こすおそれがある。 | 併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。 |
| CYP3A4を強く阻害する薬剤 • イトラコナゾール(イトリゾール) • リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド) • アタザナビル(レイアタッツ) • インジナビル(クリキシバン) • ネルフィナビル(ビラセプト) • サキナビル(インビラーゼ) • ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プレジコビックス) • クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド) • テラプレビル(テラビック) • コビシスタット含有製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス) • エンシトレルビル(ゾコーバ) • セリチニブ(ジカディア) |
強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(400mg/日:経口剤、国内未発売)との併用により、本剤(20mg)のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある4)。また、リトナビル(200mg/1日2回投与)との併用により、本剤(20mg)のAUCが124%増加するとの報告がある4)。 | CYP3A4を強く阻害することによりクリアランスが高度に減少し、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。また、臨床試験では除外されている。 |
| CYP3A4を強く誘導する薬剤 • リファンピシン(リファジン) • フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール) • カルバマゼピン(テグレトール) • フェノバルビタール(フェノバール) |
リファンピシン(600mg/日)との併用により、本剤(10mg)のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある5)。 | CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3A4を阻害する薬剤 • ホスアンプレナビル • ジルチアゼム • エリスロマイシン • フルコナゾール • ベラパミル • グレープフルーツジュース等 |
本剤のAUC及びCmaxが増加するおそれがある。 | CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。 |
| CYP3A4を誘導する薬剤 | 本剤のAUC及びCmaxが低下するおそれがある。 | CYP3A4誘導によるクリアランスの増加。 |
| ボセンタン | ボセンタン(125mg/1日2回投与)との10日間併用により、本剤(40mg)の10日目におけるAUC及びCmaxが初日と比べてそれぞれ41.5%及び26.6%低下するとの報告がある6)。本剤によるボセンタンのAUC及びCmaxに対する影響はみられなかった。 | CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下する。 |
| α遮断剤 • ドキサゾシン • テラゾシン等 |
ドキサゾシン(8mg)と本剤(20mg)の併用により、立位収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg下降するとの報告がある7)。また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。 | 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。 |
| 降圧剤 • アムロジピン • メトプロロール • エナラプリル • カンデサルタン等 |
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(単剤又は多剤)と本剤(20mg)の併用により、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降するとの報告がある8)。 | 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。 |
| カルペリチド | 併用により降圧作用が増強するおそれがある。 | 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。 |
| ビタミンK拮抗薬 • ワルファリン |
本剤(10及び20mg/日)との併用において、ワルファリン(25mg)の薬物動態及び抗凝固作用に対する影響は認められなかった9),10)が、併用により出血の危険性が高まるおそれがある。 | ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法を施行している患者では出血の危険性が高まるおそれがある。 |
| ベルイシグアト | 症候性低血圧を起こすおそれがある。治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること。 | 細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AST増加 | 1〜5%未満 |
| INR増加 | 頻度不明 |
| うつ病 | 1%未満 |
| そう痒症 | 1%未満 |
| ほてり | 1〜5%未満 |
| レイノー現象 | 頻度不明 |
| 上腹部痛 | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 下肢静止不能症候群 | 1%未満 |
| 中心性漿液性脈絡網膜症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 1〜5%未満 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 副鼻腔うっ血 | 頻度不明 |
| 勃起延長 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 四肢不快感 | 1%未満 |
| 四肢痛 | 1〜5%未満 |
| 回転性めまい | 頻度不明 |
| 多汗症 | 頻度不明 |
| 失神 | 1%未満 |
| 心不全 | 頻度不明 |
| 心突然死注1) | 頻度不明 |
| 心筋梗塞注1) | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 感覚鈍麻 | 1%未満 |
| 持続勃起症 | 頻度不明 |
| 挫傷 | 1〜5%未満 |
| 月経過多 | 1〜5%未満 |
| 末梢性浮腫 | 1〜5%未満 |
| 浮動性めまい | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 5%以上 |
| 潮紅 | 5%以上 |
| 片頭痛 | 1%未満 |
| 疲労 | 1〜5%未満 |
| 疼痛 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 眼の異常感 | 1%未満 |
| 眼乾燥 | 頻度不明 |
| 眼充血 | 1%未満 |
| 眼痛 | 1%未満 |
| 睡眠障害 | 1〜5%未満 |
| 筋痙縮 | 1〜5%未満 |
| 筋痛 | 5%以上 |
| 筋骨格硬直 | 1〜5%未満 |
| 結膜出血 | 1%未満 |
| 網膜静脈閉塞 | 頻度不明 |
| 胃不快感 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 1〜5%未満 |
| 胃食道逆流性疾患 | 1〜5%未満 |
| 背部痛 | 5%以上 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 脳卒中注1) | 頻度不明 |
| 腫脹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 血腫 | 頻度不明 |
| 視力低下 | 1%未満 |
| 視覚障害 | 頻度不明 |
| 視野欠損 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 貪食細胞性組織球症 | 1%未満 |
| 錯感覚 | 1%未満 |
| 関節炎 | 1%未満 |
| 関節痛 | 1〜5%未満 |
| 霧視 | 1〜5%未満 |
| 非動脈炎性前部虚血性視神経症注2) | 頻度不明 |
| 頭痛 | 5%以上 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 顔面浮腫 | 1%未満 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 1%未満 |
| 鼻出血 | 1〜5%未満 |
| 鼻閉 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
肺血管平滑筋における主要なcGMP分解酵素であるPDE5を選択的に阻害することにより、肺組織中のcGMPを有意に増加させ血管弛緩反応を発現する45),46)(ex vivo)。
18.2 PDE5阻害作用
タダラフィルは選択的PDE5阻害剤である。ヒト遺伝子組み換えPDE5を約1nMのIC50値で阻害し、PDE6及びPDE11と比較するとそれぞれ700及び14倍、その他のPDEサブタイプと比較すると9000倍以上の選択性を示した47)(in vitro)。
18.3 肺高血圧症モデルに対する作用
肺高血圧進展抑制作用:モノクロタリン誘発肺高血圧ラットモデルにおいて、タダラフィルは全身血圧に有意な影響を与えることなく、肺動脈圧、右心室圧を有意に抑制した45)(in vivo)。 延命作用:タダラフィルはモノクロタリン誘発肺高血圧ラットの生存率を有意に改善した45)(in vivo)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
日本人健康成人にタダラフィル20mg注3)(18例)又は40mg(18例)を1日1回10日間反復経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与日に関係なく投与後1~4時間(Tmaxの中央値=3時間)にピークに達した。また、タダラフィルの血漿中濃度は、反復投与5日目までに定常状態に達した21),22)。血漿中濃度の消失半減期は約14~15時間であった。タダラフィル20mg注3)又は40mgを投与したときのAUC及びCmaxの増加は、投与量に比例した増加割合より低かった。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは、初回投与時と比べて20mg注3)及び40mgでそれぞれ約40%及び約30%増加した。
注3)承認用量は40mgである。
| • 投与量 (mg) |
• 日数 | • n | AUC • (μg・h/L)注4) |
Cmax • (μg/L) |
Tmax • (h)注5) |
T1/2 • (h) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| • | • 日目 | • | • (14.9) |
• (16.3) |
• (1.00~4.00) |
|
| • 日目 | • | • (18.7) |
• (18.4) |
• (2.00~4.00) |
• (17.9) |
|
| • | • 日目 | • | • (24.5) |
• (19.0) |
• (2.00~4.00) |
|
| • 日目 | • | • (23.8) |
• (19.3) |
• (2.00~4.00) |
||
| • 日目 | • | • (20.5) |
• (16.1) |
• (2.00~4.00) |
• (12.1) |
幾何平均値(変動係数%)
注4)投与間隔(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
注5)中央値(範囲)
- 16.1.2母集団薬物動態解析
プラセボ対照二重盲検比較試験における母集団薬物動態解析の結果、肺動脈性肺高血圧症患者注6)に40mgを1日1回反復経口投与(ボセンタン非併用時)したときのAUCSSの推定値は、外国人健康成人の値と比べて約26%高値であったが、Cmaxに顕著な差はなかった23)。健康成人と同様に患者でもタダラフィル20mg注3)又は40mgを投与したときのAUC及びCmaxの増加は、投与量に比例した増加割合より低かった。また、タダラフィルとボセンタンを併用投与すると、タダラフィルの曝露量が低下した。
注6)肺動脈性肺高血圧症患者389例、日本人患者22例を含む。
| 投与量 (mg) |
タダラフィルの曝露量[AUCSS(μg・h/L)注7)] | |
|---|---|---|
| タダラフィル単独投与 | タダラフィル+ボセンタン併用投与 | |
| 20 | 11524.5 (6179.6-15449.0) |
6874.60 (4390.0-10595.0) |
| 40 | 14825.5 (10017.0-26792.0) |
9600.0 (5906.3-17306.0) |
中央値(10-90パーセンタイル)
注7)定常状態における投与間隔(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
- 16.1.3生物学的同等性試験
タダラフィル錠20mgAD「杏林」とアドシルカ錠20mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(タダラフィルとして20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された24)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0-72 (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
|
| タダラフィル錠 20mgAD「杏林」 |
7827.2 ±2943.1 |
359.87 ±74.14 |
2.52 ±1.12 |
16.2 ±6.0 |
| アドシルカ錠 20mg |
7566.6 ±2901.4 |
324.04 ±73.59 |
3.56 ±2.33 |
16.9 ±6.7 |
(Mean±S.D.,n=27)
図16-1 血漿中タダラフィル濃度
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人15例にタダラフィル40mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった。また、Tmaxは食後投与と空腹時投与で同程度であった25)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1血漿蛋白結合率
タダラフィルの血漿蛋白結合率は94%(in vitro、平衡透析法)であり26)、主にアルブミン及びα1酸性糖蛋白と結合する27)。
16.4 代謝
健康成人6例に14C-タダラフィル100mg注3)を単回経口投与したとき、血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった28)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C-タダラフィル100mg注3)を単回経口投与したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた29)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
-
16.6.1腎障害患者
-
(1)軽度及び中等度腎障害患者
健康成人12例、軽度腎障害患者(CLcr=51~80mL/min)8例、中等度腎障害患者(CLcr=31~50mL/min)8例にタダラフィル5mg及び10mg注3)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約100%及び20~30%増加した30),31)(外国人データ)。
- (2)血液透析を受けている末期腎不全患者
血液透析を受けている末期腎不全患者16例にタダラフィル5mg、10mg及び20mg注3)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約109%及び41%増加した30)(外国人データ)。
- 16.6.2肝障害患者
健康成人8例及び肝障害患者25例注8)にタダラフィル10mg注3)を単回経口投与したとき、軽度肝障害患者(Child-Pugh class A)と中等度肝障害患者(Child-Pugh class B)のAUC0-∞は健康成人とほぼ同様であった30)(外国人データ)。
注8)軽微肝障害(脂肪肝が認められた患者)、n=8:軽度肝障害(Child-Pugh class A)、n=8:中等度肝障害(Child-Pugh class B)、n=8:重度肝障害(Child-Pugh class C)、n=1。
- 16.6.3高齢者
健康高齢者12例(65~78歳)及び健康若年者12例(19~45歳)にタダラフィル10mg注3)を単回経口投与したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった30),32)(外国人データ)。
| n | AUC0-∞ (μg・h/L) |
Cmax (μg/L) |
Tmax (h)注9) |
T1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 高齢者 | 12 | 4881 (31.7) |
196 (26.9) |
2.00 (1.00~4.00) |
21.6 (39.0) |
| 若年者 | 12 | 3896 (42.6) |
183 (25.5) |
2.50 (1.00~6.00) |
16.9 (29.1) |
幾何平均値(変動係数%)
注9)中央値(範囲)
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1経口ケトコナゾール
健康成人12例にケトコナゾール400mg(1日1回経口投与、国内未発売)とタダラフィル20mg注3)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ312%及び22%増加した4)(外国人データ)。 健康成人11例にケトコナゾール200mg(1日1回経口投与)とタダラフィル10mg注3)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ107%及び15%増加した5)(外国人データ)。
- 16.7.2リトナビル
健康成人16例にリトナビル500mg又は600mg(1日2回)とタダラフィル20mg注3)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは30%低下したが、AUC0-∞は32%増加した33)(外国人データ)。 健康成人8例にリトナビル200mg(1日2回)とタダラフィル20mg注3)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した4)(外国人データ)。
- 16.7.3ボセンタン
健康成人15例にタダラフィル40mg(1日1回)及びボセンタン125mg(1日2回)を10日間併用投与した。投与1日目におけるタダラフィルのAUC及びCmaxはタダラフィルを単独投与時の値と同程度であったが、投与10日目におけるタダラフィルのAUC及びCmaxはタダラフィルを単独投与時の値と比べてそれぞれ41.5%及び26.6%低下した。一方、タダラフィルによるボセンタンのAUC及びCmaxに対する影響は認められなかった6)(外国人データ)。
- 16.7.4ジゴキシン
健康成人20例にジゴキシン0.25mgを1日1回反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル40mgを1日1回10日間反復経口投与した結果、タダラフィルによるジゴキシンのAUC、Cmax及びCminに対する明らかな影響は認められなかった34)(外国人データ)。
-
16.7.5α遮断剤
-
(1)ドキサゾシン
健康成人18例にドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル20mg注3)を単回経口投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64mmHg及び2.78mmHgであった7),35)(外国人データ)。 健康成人45例にドキサゾシン(4mgまで漸増)とタダラフィル5mg注3)を1日1回反復経口投与したとき、ドキサゾシンの血圧降下作用に増強がみられた。この試験において、失神等の症状を伴う血圧変化に関する有害事象がみられた36)(外国人データ)。
- (2)タムスロシン
健康成人18例にタムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル10mg又は20mg注3)を単回投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3mmHg及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2mmHg及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった7)(外国人データ)。 健康成人39例にタムスロシン0.4mgとタダラフィル5mg注3)を1日1回反復経口投与したとき、明らかな血圧への影響は認められなかった37)(外国人データ)。
- 16.7.6経口避妊薬
健康成人26例に経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mg含有製剤)とタダラフィル40mgを21日間併用投与した結果、エチニルエストラジオールのAUC及びCmaxは、経口避妊薬とプラセボを併用投与したときの値と比べてそれぞれ26%及び70%増加した。タダラフィル併用投与時とプラセボ併用投与時でレボノルゲストレルの血漿中濃度に統計学的に有意な差は認められなかった38)(外国人データ)。
- 16.7.7その他の薬剤
他剤(ニザチジン、制酸配合剤)又はアルコールがタダラフィル(10又は20mg注3))に及ぼす影響について検討した結果、ニザチジン、制酸配合剤又はアルコールによるタダラフィルの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった。また、タダラフィル(10又は20mg注3))が他剤(ミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン及びアムロジピン)又はアルコールに及ぼす影響について検討した結果、タダラフィルによるミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン、アムロジピン又はアルコールの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった9),10),17),18),39),40),41),42)(外国人データ)。